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台風12号、上陸へ レジャーは安全第一の判断を

増田雅昭気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風12号の進路予想図(ウェザーマップ)

 台風12号は、28日に東海を中心とした本州に上陸する可能性が高まっています。東日本の少し南を通るコースに予報が変わりましたが、台風の中心から北に活発な雨雲があり、関東でも大雨の恐れがあります。

影響は関東から出て、西へ広がる

 関東では、27日(金)夜から雨が降りはじめ、28日(土)は断続的な雨に。午後は雨や風が強まり、夕方前後からピークとなる見通しです。交通機関に影響が出る可能性もあります。

28日明け方の雨と風の予測(ウェザーマップ)
28日明け方の雨と風の予測(ウェザーマップ)
28日夕方の雨と風の予測(ウェザーマップ)
28日夕方の雨と風の予測(ウェザーマップ)

 東海は28日の夕方以降、台風が直撃する形で大雨や暴風となり、28日夜からは近畿でも嵐となりそうです。

28日夜遅くの雨と風の予測(ウェザーマップ)
28日夜遅くの雨と風の予測(ウェザーマップ)

 29日(日)には、台風は西日本を西へ進み、各地で雨や風が強まります。特に、先日の豪雨被災地では、防災設備が破壊されるなどして、災害の危険度がいっそう高くなっている地域もあります。簡単ではない所もあると思いますが、少しでも安全な場所に早めに行くということをどうか意識なさってください。

29日朝の雨と風の予測(ウェザーマップ)
29日朝の雨と風の予測(ウェザーマップ)

災害を避けるための一人一人の判断

 この週末は、子供たちが夏休みに入ったタイミングですので、海・山・川など外でのレジャーを計画している方も多いと思います。

 

 夏休みに関東南岸に台風が進むと、気象関係者の中で話に出るのが、1999年8月の玄倉川(くろくらがわ)での水難事故です。 

 神奈川県西部の玄倉川へキャンプに訪れていた人達が、熱帯低気圧の大雨による増水で中州に取り残され、最後はテレビカメラの前で流されるという悲惨な事故が起こりました。犠牲者は13人にのぼっています。

 前日から雨が強まり始め、避難にいたらないまま中州のテントで夜を過ごし、朝に気づいた時には増水して身動きがとれない状態となった末の惨事でした。

 この例にかぎらず、大雨時や台風接近時に危険な場所にいたために、災害となってしまったことは多々あります。

 それぞれの地域への台風の影響する時間など、予報は以前より細かく出るようになりました。ただ、それを活かして、行動を変え、災害に遭わないようにできるのは、最終的にみなさん一人一人の判断力です。この週末、冷静に、安全を一番に考えての行動をお願いします。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

TBSテレビ・ラジオ気象キャスター。大学在学中に気象予報士を取得し、民放キー局の報道番組に学生予報士として出演。気象キャスターに携わりながら、企業への予報やアドバイザーも長年担当し、甲子園での高校野球の大会本部気象担当を務めたこともある。災害から身を守る気象情報の使い方など講演も行うほか、Twitterで気象情報を毎日発信。著書に『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図(ベレ出版)』がある。1977年滋賀県甲賀市生まれ。

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