自らが通う山梨大学に投票所を設置した学生(後編)
前編では、齋藤くんが山梨大学内に期日前投票所の設置を決めた想いと、実現までの道のりについてお聞きしました。後編では、投票所設置と合わせた仕掛けなどについてお聞きします。
<期日前投票所設置と合わせた仕掛け。>
筆者:期日前投票所の設置と合わせてどんな仕掛けを行う予定?
齋藤:選挙や投票所の「堅苦しい」というイメージを崩したいですね。とりあえず投票に行ってみようという身近さを打ち出せるようにしたいです。
デザインに凝ったポスターを学校内に掲示したり、ウェルカムドリンクの設置なども考えています。その他にも、選挙権のない人を対象に模擬投票形式の選挙クイズを実施する予定です。
4月に大学に入ったばかりの新1年生などにも選挙について意識してもらいたいです。また、学科対抗で投票者数を競う企画を行うような、楽しく周りの人ともに参加できる企画もやってみたいですね。
筆者:いいね!選挙=固い・難しいというイメージを学生目線でいかに打破するのかという貴重なチャレンジになりそうだね。他に、選挙や政治について考える場を作る予定はある?
齋藤:そうですね。政策について考えるイベントとして「マニフェストスイッチ甲府」も仕掛けています。早稲田大学マニフェスト研究所と共同で甲府市議選の立候補者に統一形式でマニフェスト調査を行い、ネット上でオープンデータとして公開しています。投票日の前日にはみんなであつまってそれを比較しようと計画中です。
<今後期日前投票所を置きたい人へ>
筆者:自分のもとにも、「通う大学に投票所を置きたい」という学生から何件か相談があったりする。今回の選挙で全国的に大学内期日前投票所が注目されるとさらにそういう学生が増えてくるはず。そういう人はとりあえず齋藤くんに連絡すればいいかな?
齋藤:もちろん、なんでも協力します。行政・大学へのアプローチの仕方なんかも自分のやり方が一つの参考になると思います。また、仲間を作って人を巻き込んでいくことの大切さなども伝えたいなと思います。
筆者:確かに、一人ではなく仲間を作るということは自分も意識しているね。多くの人でやったほうが絶対に力になる!齋藤くんのノウハウなどを得たとしてもそう簡単に行政が動くものではないという面もあると思う。その辺りはどう伝える?
齋藤:そうですね、拙速な動きにならないように進なければいけません。行政にしろ、大学にしろ今までやったことがない新しい事をやるということは、簡単に事が運ぶというわけではありません。相手としっかりと信頼関係を作り、こちらの本気度を伝える必要がありますね。
以上、統一地方選挙が始まる前の2月19日にインタビューした内容を元に齋藤くんの思いや行動をご紹介しました。
後日談
その後、自分が記事にするのが遅くなったので、まとめてということで実際に期日前投票所を設置したあとに伺った話も加えておきます。
山梨大学では統一地方選挙前半の、4月8日(水)に大学内に期日前投票所が設置され、齊藤くんが代表を務めるCreate Future山梨も関わりました。
以下は4月20日(月)に話をお聞きした内容を元に書いています。
筆者:期日前投票所設置の効果はどうだった?
齊藤:8日の県議選では期日前投票所を200人が実際に利用し、その中で学生の利用人数は15人でした。新学期が始まるか始まらないかのタイミングでそもそも20歳以上の学生がほとんど大学に来ておらず、また来ていても新歓の活動などで忙しかったことや、期日前投票所が設置されるということの広報周知が3月の春休み期間に効率的に行うことができなかったことなどが人数が少なかったことの要因です。
筆者:確かに年度変わってすぐと言うのは学生に向けて周知するにあたって相当難しい時期だよね。さらに授業が始まってなくてそもそも学校に学生が来ていないということはかなりの打撃あるよね。関連企画は結局何をやったの?
齊藤:未成年向けの選挙制度等に関するクイズを使っての模擬投票を行いました。結果としては156人参加してくれました。今は選挙権のない未成年だとしても、すぐに選挙権をもちます。そのような人に対して大学内で投票ができることを知っておいてもらうためにも意義があったのかなと思います。
筆者:そうだよね。おそらく来年の参議院選挙では選挙権が18歳以上となって、全大学生が投票に行ける状況になる。それを見越してのいい仕掛けだと思う。
全体を通じて今回の期日前投票所設置に関してどう評価してる?
齊藤:最初の1歩として失敗だとは思っていません。人数は少なかったかもしれませんが、色々な今後の連携につながる打ち手を色々と行うことが出来ました。21日・22日にも引き続き期日前投票所を設置します。そこでも引き続き頑張りますし、来年以降の選挙に向けても引き続き仕掛けていきたいと思っています。
筆者:だね!色々と動いて、じわじわとでもいいから変えていこう。ひきつづきどうぞよろしく。
※齊藤さんに連絡を取りたい方はCreate Future山梨のFacebookページよりどうぞ。