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2023年度補正予算案では8兆8750億円の国債を追加発行

久保田博幸金融アナリスト
(写真:イメージマート)

 政府が経済対策の裏付けとする2023年度補正予算案では、8兆8750億円の国債を追加で発行する。

令和5年度国債発行予定額(財務省) https://www.mof.go.jp/jgbs/issuance_plan/fy2023/issuanceplan231110.pdf

 これによると建設国債の増額分は2兆5100億円、赤字国債の増額分は6兆3650億円となる。建設国債と赤字国債をあわせた2023年度の新規国債の発行額は44兆4980億円に増加する。

 また、GX経済移行債も当初予定に比べて1兆416億円増額される。

 ただし、これらによるカレンダーベースの国債発行額に変化はない。つまり今年度、これから発行される国債は年度当初の計画通りとなる。

 それでは増額分の国債の増額相当分はどのように捻出されるのか。

 令和5年度国債発行予定額をみると、財投債が当初の予定12兆円から5兆円に減額されており、これが大きい。ここで7兆円をカバーする。

 さらに借換債も2兆4611億円減額される。これは決算剰余金から1.3兆円程度、利払い費などの減額で1兆98億円を捻出する分などで減額が可能となる。また、復興債も当初予定の998億円の発行がなくなっている。

 これらの捻出によって、今回の補正に伴う前倒し発行による調整分(年度間調整分)は、9160億円で済んでいた。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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