【名古屋市千種区】尾張名古屋の母! 家康の側室「お亀の方」の菩提寺「相応寺」で除夜の鐘を(覚王山)
覚王山に徳川家康の側室「お亀の方」を供養するために建てられたお寺があるのをご存知でしょうか? お亀の方は家康の没後は「相応院」と称したので、そのお寺の名前は「相応寺」といいます。広大な敷地に変化のある造りとなっているお寺で、一度訪れる価値のある覚王山の隠れたスポットです。
場所は姫ヶ池通の東側です。2024年12月25日の記事でご紹介した「善篤寺」の隣です。「覚王山」駅2番出口から徒歩13分ほど、「本山」駅1番出口からは15分ほどです。姫ヶ池通から小道をちょっと入ると、立派な総門が現れます。
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「相応寺」とは?
「相応寺」の正式名称は「宝亀山相応寺」といい、浄土宗のお寺です。お亀の方は初代尾張藩藩主・尾張徳川家の祖・徳川義直の生母です。お亀の方が1642年に亡くなったため、母を弔うために義直は1643年に相応寺を建立しました。当初は名古屋市東区山口町にありましたが、昭和初期の1932年から34年にかけてこの地に移築されました。
「相応寺」の総門・山門・鐘楼・本堂は創建当時の建物だそうです。1900年代前半は「日泰寺」や「揚輝荘」も建てられ、城山・覚王山地区が発展した時期だそうです。名古屋市はこの城山界隈を京都の東山をモデルとして開発し、村名も「田代村」から「東山村」に変更、名古屋市内各地から寺院(10院)が集まってきたそうです。「相応寺」が元々あった場所は「名古屋陶磁器会館」の近くですが、名古屋の商業地区として開発が進んだため、このエリアに移転してきたそうです。先日の記事の「善篤寺」もこのパターンですね。(名古屋市の城山:覚王山地区紹介ページ)
境内の様子
「相応寺」は京都の「清水寺」を模して造られたそうで、当初は舞台もあったそうですが、伊勢湾台風で消失してしまったそうです。また「駿河御殿」又は「於亀御殿」と呼ばれ、狩野派による障壁画で飾られた書院もあったそうですが、こちらも戦災と伊勢湾台風で消失してしまったそうです。
総門から入り進んでいくと、立派な山門が! 総門の「相応寺」という扁額と、山門の「寶亀山」という扁額は義直直筆だそうです。
「善篤寺」と同じくクリスマス直前に取材に行きましたが、まだ紅葉が綺麗でした。
山門のそばには戦没者慰霊碑があります。太平洋戦争中、フィリピンのレイテ島決戦で戦死した日本兵の慰霊碑だそうです。
また「鶏霊碑」と書かれた「鶏供養碑」もありました。愛知県食鳥商業組合さんによる鶏供養が行われるそうです。
他にも茶筅の形をした「茶筅塚」や、人口の滝の「不動の滝」もありました。冬だからか滝に水は流れていませんでした。
「相応寺」は風光明媚な山の上に建っているので、階段をずっと上っていきます。では本堂と鐘楼を目指していきましょう!
頑張って階段を上っていくと、本堂にたどり着きました! 本堂は通常は入る事は出来ないそうです。御朱印は「直書き」と「書き置き」があり、書き置きは各種あるそうですので「庫裡玄関」までどうぞ(ご不在の場合もあるので事前連絡をしておくといいそうです)。
この写真の右端にあるのが「相応院供養塔」です。お亀の方(相応院)は家康が53歳の時に見初められた女性で、当時21歳で伏見城の給仕だったそうです。美しさと聡明さで家康に寵愛されましたが、比較的身分の低い社人の娘だったため、息子の義直の家督相続のためにいろいろと立ち回ったようです。義直は天下泰平になってからの子どもだったため、家康は甘いお父さんで溺愛したそうです。
義直は幼い頃は駿府にて老父家康、母お亀の方とともに住んでいましたが、名古屋城が完成すると駿府より移り住み、名古屋城の初代城主となり尾張藩の藩祖になりました。家康の死後お亀の方は髪をおろし相応院尼と称し、義直と共に名古屋城に住むことになりました。義直と正室春姫との間になかなか世継ぎが生まれないので、側室を勧めあれやこれやと世話を焼いたそうです。尾張徳川家を盤石にしたのは、お亀の方の努力と心配りによるものと言ってもいいでしょう。
毎年9月16日には「お亀の方法要」が行われるそうです。
本堂の向かい側には鐘楼があります。覚王山周辺で一番立派な鐘楼なのではないでしょうか? 「鐘の銘」は林羅山、「文」は義直公筆だそうです。 2024年12月31日の除夜の鐘は23:40からだそうです。相応院の後に隣の善篤寺に行きましたが、「ゴーン」というこの鐘の音が趣深く響いていました。大晦日は是非この除夜の鐘を聴きに行ってみませんか?
鐘楼の近くにはお地蔵さんが。
こっちにもお地蔵さんがいました。レースで縁取ったお掛けは手作りのようですね。
美しい紅葉がまだ楽しめます!
境内では美しい紅葉が見頃ですので、年末年始でもまだ楽しめそうですね。今年は紅葉が遅かったので、12月下旬でも見られるのはラッキー♪
「相応寺」では地域の方々を対象にしたイベントを開催しています。まず「ヨガ道場」は月2回開催しているそうです。朝8:30の回と、夜18:00の回があります。2025年の開催は
・1月11日(土)18:00
・1月26日(日)8:30
・2月15日(土)18:00
・2月23日(日)8:30
となっています。参加費は2,000円で70分だそうです。お申し込みはお寺のLINEからどうぞ。詳細は公式ページでご確認ください。
また奇数月第2水曜日14:00~16:00には「介護者カフェ」を開いているそうです。介護をしている方が一人で悩みを抱え込まず、他の方と語り合い情報交換ができる場として開いているそうです。お申し込みは不要、入退室自由だそうです。詳しくは公式ページをご確認ください。
除夜の鐘を聴きに、また初詣に「相応寺」に行ってみませんか? 覚王山のお寺として有名な、ちょっとエキゾチックな「日泰寺」とはまた違う、日本情緒たっぷりの素敵なお寺です。尾張名古屋の「肝っ玉母さん」お亀の方を偲びにどうぞ。
相応寺
住所:〒464-0045 愛知県名古屋市千種区城山町1-47
アクセス:名古屋市営地下鉄東山線「覚王山」駅2番出口より徒歩13分、「本山」駅1番出口より15分
電話番号:052-751-0435
駐車場:あり(混雑時は近隣コインパーキングをご利用ください)
公式サイト
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