ケニー佐川が勝手に決める「2020モーターサイクル トップ5」海外モデル編
毎年恒例のランキングを発表します。2020年に発売されたニューモデルの中からWebikeニュース編集長のケニー佐川が独断で勝手にランキング。話題性や注目度、テクノロジーや社会的インパクトなどを総合的に評価したつもりですが、あくまでも感覚的なものなので楽しみながらご参考にしていただければと。ちなみに発売前モデルは除外。前回の国内モデル編に続き今回は海外モデル編を発表します。
第1位「HARLEY-DAVIDSON LIVEWIRE」
世界初の電動スポーツバイクはなんとハーレーだった
伝統を重んじ、変わらないことを良しとしてきたハーレーがまさかの電動スポーツバイクを先陣切って投入! これほどのインパクトは他にないだろう。
瞬間的にトルクを弾き出す電動モーターの特性を生かした0→100km/h加速3.0秒の俊足にフル充電で235kmの航続距離など、パフォーマンスとともに実用性も十分備えた完成度の高さも魅力だ。昨年、米国で開催された国際試乗会でも、澄み切ったエレクトリックサウンドに未来のモーターサイクル像を垣間見た。
脱炭素化が叫ばれる中、未来を先取りしたプロダクトという意味でもその功績は大きい。ちなみに日本仕様はレベル3急速充電規格のCHAdeMOにも対応。やるときはやる! さすがは世界最古級の2輪メーカーの面目躍如といったところだろう。
第2位「BMW R18」
史上最大フラットツインに工業大国ドイツの誇りが滲む
「駆け抜ける歓び」をスローガンに高性能スポーツモデルやアドベンチャー分野で絶大な支持を集めるBMWが、なんと超ド級クルーザーを出現させた。
新型R 18は、往年の名車R5をオマージュして現代に蘇らせた新たなジャンルで、排気量1802ccというBMWモトラッド史上最大排気量のボクサーエンジンに3種のライドモードやトラコン、電動バックギヤなど最新メカニズムを搭載。
剥き出しのシャフトドライブなどクラシックBMWを思わせる心憎い演出も見事で、特にFirst Editionは職人が手書きしたピンストライプが入るなどマニア垂涎の一台となった。
ベルリン本社工場で生産された証である「BERIN BUILT」の刻印が入るなど、工業大国ドイツのプライドを滲ませる力作だ。
第3位「KTM 250ADVENTURE」
ラリーマシン直系のDNAを注入した走りのニーゴー
ダカールラリー18連覇の金字塔を打ち立てたKTMがそのノウハウを注入して開発した「アドベンチャー」シリーズは、まさに公道を走るラリーマシンだ。
1290、890、790、390が揃うシリーズに新たに加わった末弟が250アドベンチャーだ。その最大の魅力は日本では普通2輪免許で乗れてしかも車検が要らないこと。そんな手軽さに加え、強力な水冷単気筒エンジンと頑丈なスチールフレーム、前後19/17インチホイールにロングストロークサスなどを装備した本格派だ。
ちなみに車体を共有する390アドベンチャーの国際試乗会では火山岩が転がるカナリア諸島の荒地でもラリーマシン直系の卓越した走破性能を見せつけてくれた。そのニーゴー版ということで期待はいやが上にも高まるのだ。
第4位「DUCATI Streetfighter V4 /S」
こんなのアリかと叫びたくなる興奮度ナンバーワン
2020年はニューモデルの話題が比較的少なかったドゥカティの中で燦然と輝いたのが新型ストリートファイターV4だろう。
最高峰SS、パニガーレV4からカウルを剥ぎ取りワイドバーを装着した文字通りのファイタースタイルで、ミドルクラス並みの車重178kg(乾燥)の軽量ボディにピーク208psを発生する1100ccデスモセディチ・ストラダーレを搭載。ウイングレットや電子制御パッケージなどMotoGPテクノロジーを満載した究極のファイターだ。
特に上級版のV4Sは前後オーリンズ製電子制御サスに鍛造ホイールを装備するなどゴージャス感もマキシマム。300万円に迫る価格も含め、すべてにスーパーな公道最強マシンだが、でも実際に乗ると呆気にとられるほど扱いやすいという意外性も凄い。
第5位「TRIUMPH ROCKET 3 R 」
世界最大排気量にしてスポーティに進化した規格外マシン
2輪量産車として世界最大排気量2500ccの3気筒エンジンを搭載する新型ロケット3R。その存在感だけでも番付入りの理由は十分だろう。従来モデルからの全面刷新により最大出力167ps、クルマ並みの最大トルクも221Nmにアップするなどすべてに規格外だ。
一方で車重は40kg軽量化され、足まわりもSHOWA製前後サスにブレンボの最高峰ブレーキに一新。4段階のライドモードやコーナリングABS&トラコン、フルカラーTFTなど最新電子制御が投入されている点も見逃せない。
スロットルを開けた途端、背中をハンマーでど突かれたようにぶっ飛んでいく感覚はバイクでは経験したことがない世界。それでいて、驚くほどスポーティな走りに進化していることも特筆すべきポイントだ。
※原文より筆者自身が加筆修正しています。