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【京都市上京区】200年の歴史を持ち 『平治物語』の舞台の跡地でもある老舗の油専門店

くまライター(京都市)

江戸時代後期に創業した山中油店は、油の専門店として200年近い歴史を持つ老舗です。

昔ながらの趣きのある下立売通にあってもひときわ目立つその建物は、当時の面影を残しており、国の登録有形文化財と京都市の重要景観建造物に指定されています。

店頭に飾られている大鍋は、その昔、菜種油を作られるのに使われたものだそうです。

平安時代、山中油店のある場所は内裏(天皇の住まい)の一角にあたり、「一本御書所」があったといいます。

一本御書所とは世間に流布した書籍を書き写して保管した役所です。『平治物語』では、平治の乱の際に藤原信頼らが後白河上皇を一本御書所に押し込めたとされています。うーん、いろいろとすごい。

山中油店で取り扱う油は、食卓に使う和の油やオリーブオイルのほか、お手入れ用、建築用と実に様々。味や品質にこだわった品々が用意されています。

油って食用以外にもいろんなことに使えるんですね。知りませんでした。

お手入れ用の油もかなり気になったのですが、今回は初めてだったので、もっともポピュラーな(と思われる)胡麻油を購入してみました。

うすにゴマを入れて玉石で押し絞ることから「玉締めしぼり」というそうです。

ゴマが持つ旨みが凝縮されていて、とてもおいしい。

お店の方に聞いて、豆腐にごま油をかけて塩をふっていただいてみました。

豆腐自体はスーパーで買ってきた安いものなんですが、醤油でいただくのとはまた違った味わいがして、豆腐の味がより引き立つような気がします。これはおすすめです。

毎月第3土曜日には、山中油店前駐車場と向かいの粲宙庵(さんちゅうあん)、お隣の中華料理店「中国料理よかっと」でマルシェが開かれます。

マルシェには、コーヒーやパン、オーガニック野菜、射的ゲームなどが出店。テレビ番組「マツコの知らない世界」でも紹介されて話題となった丹後の絶品ぼたもち「いととめのぼたもち」も購入できます。

山中油店
住所/京都市上京区下丸屋町508
電話/075-841-8537
Webサイトはこちら

ライター(京都市)

大阪生まれの大阪育ち、京都在住のライター・DTPデザイナー・イラストレーターです。京都の情報誌を経てフリーランスになりました。よろしゅうおたのもうします。

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