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ハーレーが新たな安全システムを導入 REFLEXディフェンシブライダーシステムとは!?

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト
2020型ロードグライドスペシャル 画像出典:HARLEY-DAVIDSON

ライダーをアシストする新たな電子制御システム

ハーレーダビッドソン ジャパンは、米国で初公開したソフテイルファミリーの新型「ローライダーS」をはじめとする2020年モデル全32機種を8月22日より日本で予約販売することを発表。同時に一部を除く2020年モデルのツーリングファミリーとトライクに新たなライダーサポート安全技術「REFLEXリフレックスディフェンシブライダーシステム(RDRS)」を搭載することを発表した。

▲ローライダーS 画像出典:HARLEY-DAVIDSON
▲ローライダーS 画像出典:HARLEY-DAVIDSON
▲トライグライドウルトラ 画像出典:HARLEY-DAVIDSON
▲トライグライドウルトラ 画像出典:HARLEY-DAVIDSON

今回注目したいのはこの新たな電子制御システムだ。

このシステムは加速・減速・ブレーキング中のバイクをライダーが制御しやすいように支援する新しいテクノロジーで、特に路面状態が悪い場合や緊急時に効果を発揮するとのこと。具体的には以下のシステムになるが、メーカーのリリースを噛み砕いて分かりやすく解説してみたい。

■コーナリングエレクトリックリンクブレーキ(C-ELB)

簡単に言えば前後連動ブレーキのことだ。ライダーが前後のブレーキをかけたときにバンク角(トライクの場合は横G)を検知して、前後ブレーキ力の配分を最適化するシステムで、より強いブレーキング時に前後の連動も強化される仕組みのようだ。具体的にはフロントブレーキのみでもリアも作動し、リアブレーキのみでも左フロントキャリパーが作動する。これによりブレーキ性能と応答性が高まり、さまざまなシーンでバランスのとれたブレーキ性能を発揮できるという。最近では125ccスクーターなどにも単純な前後連動ブレーキは導入されているが、ハーレーのC-ELBは電子制御によってバイクの挙動を緻密にコントロールするものだ。

■コーナリングABS(C-ABS)

ブレーキング時に車輪のロックを検知した場合、前後ブレーキを独立して作動させて制御不能なホイールロックを防ぐ仕組み。いわゆるコーナリングABSだ。バイクのバンク角(トライクの場合は横G)に対応してブレーキ力を最適化する。

■コーナリングトラクションコントロールシステム(C-TCS)

こちらはいわゆるコーナリングトラクションコントロールで、直進時またはコーナリング時において加速中に後輪が滑ったときに過度なスリップを防ぐ仕組み。雨天や未舗装路で特に有効だ。2つのモードがありオフにすることも可能で、こちらも路面状態やバンク角に応じて介入度が最適化される。

HARLEY-DAVIDSONオフィシャルサイトからのキャプチャー画像
HARLEY-DAVIDSONオフィシャルサイトからのキャプチャー画像

■ドラッグトルクスリップコントロールシステム(DSCS)

急激なシフトダウンや滑りやすい路面で減速する場合に発生する過度な後輪スリップを減らすシステム。減速中に後輪スリップを検知するとエンジントルク供給を調整するとのことだが、いわゆるスリッパ―クラッチのような仕組みと思われる。

■ビークルホールドコントロール(VHC)

急坂での一時停止時や駐車場からの急な下り坂などで、車輪の過度な転がりを防ぐサポート機能(トライクは除く)。これは4輪などで一般化しているヒルスタートアシスト機能のようなものと考えられる。重量車であるツーリングファミリーには特にありがたい機能と言える。

HARLEY-DAVIDSONオフィシャルサイトからのキャプチャー画像
HARLEY-DAVIDSONオフィシャルサイトからのキャプチャー画像

以上、先日ご紹介したハーレー初の電動バイク「LiveWire」にもこれらのシステムの一部がすでに導入されていたが、今後は最高峰のツーリングファミリーを筆頭に従来モデルにも電子制御化が進むと思われる。これにより安全マージンが向上し、より安全にスポーティにハーレーを乗りこなせるようになれば、それに越したことはないだろう。最近急速にイノベーションを進めているハーレーに今後も注目したい。

なお、「REFLEXリフレックスディフェンシブライダーシステム(RDRS)」の詳細については、ハーレーダビッドソンのオフィシャルサイトを参照していただければと思う。

「REFLEXリフレックスディフェンシブライダーシステム(RDRS)」

※原文より筆者自身が加筆修正しています。

出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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