タイガース・安芸キャンプ 初実戦は13対0の圧勝!《2/11》
11日の安芸市営球場は13時の気温が14度と、前日の倍ありました。祝日とあって2200人のお客様が詰めかけたスタンドでも、コートを脱いでおられる方は多かったですね。そんな中、毎年この時期にやってくる“赤い集団”が!もと阪神の赤星憲広さんがオーナーを務める『レッドスター ベースボールクラブ』の皆さんです。ことしは中学1年と2年の選手が68人。バスで往復10時間半なのに、滞在は3時間半くらいなんですよね。
ちょっと聞いてみました。阪神ファンの人は?「はい!」と結構多くの選手が反応。西武ファンは?と尋ねると少し。巨人は1人も手が挙がらず。「中日ファンいますよ」という声が聞こえたものの、本人の申告はなかったですねえ。では阪神の誰が好き?「鳥谷!」。まあ子ども時代は呼び捨てなんですよね、基本。ここは大目に見てください。他には?「梅野」なるほど。「ゴメス」ほほ~。「呉昇桓」…渋いな。これはピッチャーの子でした。
写真に納まるよう、わざわざ並び直してくれた選手の皆さん。ありがとうございました!それに全員キッチリ帽子をかぶり、服装も整っています。スタンドを移動する時も隊列を組んで、ダラダラ歩いている選手は誰もいません。これが基本なんでしょうね。あと4年か5年して阪神に入団する子がいたら嬉しいなあ。その時はよろしくお願いしますよ!
昨年に続き、初戦で西武に勝利
さて安芸キャンプ、ことし初の練習試合・西武戦は、打って、抑えて文句なしの展開でした。鶴投手の好投に拍手を送り、横田選手の俊足に沸き、新井選手には3打席とも大きな声援を送ってくださったファンの皆様も、間違いなく楽しんでおられたと思います。
《練習試合》
阪神2軍-西武B班 (安芸)
西武 000 000 000 = 0
阪神 300 035 020 =13
※特別ルール 9回裏まで
◆バッテリー
【阪神】鶴-藤原‐田面‐伊藤和-玉置 / 小豆畑
【西武】中崎(5回)-山口(1回)-松下(3回) / 中田-藤澤(7回~)
◆三塁打 横田
◆二塁打 狩野、新井、坂 / 熊代
◆打撃(打-安-点/振-球/盗塁/失策)
1]中:横田 ( 6-3-1 / 0-0 / 0 / 0 )
2]右:俊介 ( 5-0-0 / 1-1 / 0 / 0 )
3]指:狩野 ( 6-2-1 / 0-0 / 0 / 0 )
4]三:新井 ( 2-2-1 / 0-1 / 0 / 0 )
〃三:岡崎 ( 2-0-0 / 1-1 / 0 / 0 )
5]一:一二三 ( 5-1-2 / 0-1 / 0 / 0 )
6]二:坂 ( 2-1-3 / 1-2 / 0 / 0 )
7]左:田上 ( 4-3-3 / 0-1 / 1 / 0 )
8]捕:小豆畑 ( 3-0-0 / 0-2 / 0 / 0 )
9]遊:植田 ( 3-1-1 / 1-2 / 0 / 0 )
◆投手(安-振-球/暴投-失策/失点)最速
鶴 3回 38球( 0-2-0 / 0-0 / 0 )143
藤原 2回 36球( 1-4-1 / 0-0 / 0 )136
田面 1回 12球( 0-2-1 / 0-0 / 0 )137
伊藤和 2回 21球( 1-0-0 / 0-1 / 0 )140
玉置 1回 20球( 0-1-1 / 1-0 / 0 )140
5投手が2安打完封リレー
先に投手陣。先発の鶴は1回、先頭の金子侑から外角高めの直球で空振り三振を奪うと、以降もスイスイ。3回をパーフェクトに抑えます。ついで藤原が登板。4回は1死後、熊代に初安打(三塁線を破る二塁打)を許し、斉藤を死球で出すも4番の駒月をチェンジアップで空振り三振。5回は2奪三振の三者凡退です。
6回は田面。林崎を真っすぐで、金子侑はカーブで連続空振り三振。次は四球だったものの斉藤を左邪飛(田上ナイス!)に切って取り無失点。3人目の伊藤和は7回に1安打、8回は先頭を自身のエラー(一ゴロのベースカバー遅れ)で出しながら、次は遊ゴロ併殺打(植田の初守備!しかも余裕)に仕留めるなど3人で片付けます。9回の玉置は1死からストレートの四球と暴投で二塁へ。しかし駒月をチェンジアップで空振り三振させるなど、5投手による2安打完封リレーでした。
13安打13点!10人全員出塁
打線は1回、先頭の横田がショート内野安打で出塁。いきなり見せた“脚”に拍手喝采です。俊介の遊ゴロ、狩野の中飛で三塁まで進み、そこから3連続四球。押し出しで先取点を挙げました。なおも2死満塁で田上が右前へ2点タイムリー!2回は植田が四球を選ぶも、飛び出してしまって刺され、3回は新井が中前打と暴投で1死二塁としますが、追加点はありません。4回は田上の内野安打のみ。
そして5回、1死から狩野と新井の連続二塁打で1点。2死後に暴投で三塁へ進んだ新井を坂が右翼線二塁打で還し、続く田上の中前タイムリー。この回も3点を追加しました。さらに6回、先頭の横田がライトフェンス直撃の素晴らしい三塁打!俊介の四球のあと狩野が右前タイムリー。岡崎の四球で無死満塁となって、一二三が叩きつけた打球はファーストの前で高くバウンドする右前打となりました。2人が生還し、ライト駒月のエラーで走者は進塁。まだ続きます。
なおも無死二、三塁で坂が中犠飛。田上と小豆畑は連続で四球を選び、1死満塁。次の植田がカウント2-2からの5球目、真っすぐを打ってライトの前へポトリ。一二三が還って、この回4安打で5点を加え11点。8回は2四球などで2死一、二塁として横田が中前打。これを駒月が後ろにそらし、横田は軽やかに三塁到達。相談の結果、右前タイムリーとエラーにしました。申し合わせにより行われた9回裏は、この日初の三者凡退で試合終了です。
安芸イチオシの鶴
3回パーフェクトの鶴投手は「今やっていることがしっかり出せました。その中で、内容も結果もよかったと思います」と手応えありのコメントでした。なんといっても監督やコーチが「いま一番いい選手を使う」と公言していた初実戦の先発マウンド。その期待に十分応えたでしょう。最初は真っすぐ中心で低めにもビシッと決まっていました。この日はツーシームも投げたそうです。
久保投手コーチが「体が前につんのめるから変化球が投げ切れない。特に落とすボールが上ずってしまう」と課題を口にしていました。それを受け「そのへんをしっかりできないと今までと同じになってしまうので、もっともっと継続してやっていきたいです。投げるたびに良くなるというのは難しいけど、それくらいの気持ちで」と鶴投手。とはいえ久保コーチ、鶴投手は安芸のイチオシかと振られ「そうそう!」と答えています。
また久保コーチは「藤原は、もう少しゾーンを意識してほしいね。田面は今のところいい感じ。自信をつけてきている。伊藤和と玉置はもう少し。まだ本調子ではない。いろんなところで自分のやりたいことを試している」と、それぞれを分析。登板するかどうか確定していなかった田面投手については「じゅうぶん投げてもいいと思ったので」とのこと。四球が1つあったものの3球目と4球目を振らせた2三振など、強気の攻めでしたね。
ルーキー植田も3度出塁
古屋監督は「鶴がゲームを作ってくれたのが一番!」と絶賛。また13安打13点の打線を「八木(打撃コーチ)効果だよ」と笑顔の今季初勝利でした。ルーキーの植田選手には「2ストライクから四球を選んだり、詰まりながらライト前に落としたり、大したもんだと思うよ。ダブルプレーも落ち着いていたし、一日一日うまくなっている。14日、15日もスタートで使っていけたら」と好評価です。
ほめてもらった植田選手は2四球とタイムリーで「ポテンだったけど、打てて良かったです」とニッコリ。「とりあえず1本捕るまで集中と思っていました」という守備は打球がなかなか飛んでこず、初めてさばいたのは8回でしかも併殺。落ち着いていた?「かんたんなバウンドだったので」。それと塁に出ていきなりの牽制死は、サインが出てすぐに走ってしまったとか。「1球目に行こう行こうと思いすぎて…」。気持ちはわかる。反省していましたが、必ず次に生きますよ。
横田「まだまだできます!」
続いて、フェンス直撃三塁打を含む3安打1打点の横田選手に掛布DCは「最初の試合としてはよかった。まだ投手との“間”がつかみきれていないからね。期待は大きいし、プレッシャーも感じているでしょう。14日、15日と積極的にいけば間合いはつかめてくる。きょうの出来だったら合格点ですよ。1番で3つ出塁したんだから」という感想でした。
昨年9月、腰を痛める前に定着しかかっていた時以来の1番で「緊張せずに初球からガンガンいこうと思っていました」と横田選手。6回の三塁打は「ボール球を振らなかった」とフルカウントに持っていってからの7球目、外より甘めの真っすぐで「左ピッチャーから右に代わって打てるかなと思った」そうです。嬉しかった?「それより(1回の)内野安打の方が。ああいうのがあれば打率も上がってくる。左ピッチャーが苦手なので、ああいうとこで率を残せれば」
掛布DCのコメントを聞き「まだまだできます!」と張り切っていました。「自分の納得いくヒット、盗塁をしていきたい」。間の取り方については「まだ遅い。差し込まれている感じがする」と言います。三塁打も「差し込まれて詰まった感じでした。風があったんで」と。ええ~あれが詰まった感じ?原口選手があとで「横田、エグい当たり打ってましたねえ」と驚いていたのに。しかも風って右から左に吹いていたような。
そして、初戦に3安打して次につながるねと言われ、横田選手は声を大にして答えました。「つながりますっ!」……そのままですね(笑)
スピードとパワーがアップ!田上
最後は3安打3打点に1盗塁、再三の好守備も見せた田上選手の話をご紹介しましょう。「最初の実戦だったので、良い結果が出てよかった。タイムリーはどちらもスライダーですね。狙っていたというよりは体が反応して、いい粘りがあった中で打てました。練習でやっていたことができたと思います」
このオフはウエートトレーニングで鍛えたとか。「今までは本格的にやっていなかったんですけどね。実際それで体重も増えました。73、4キロだったのが、今は80キロくらいありますよ」。80キロはこれまでで最高だそうです。でも増やしたのは筋肉。「体脂肪は11パーセントくらい」。それでもオフには9パーセントまで絞っていたらしく「少なすぎるかなと思って」少し戻したと話していました。見た目は少しガッチリしたなという感じですが、きっと「脱いだらすごい」のでしょうね。