【秋田県由利本荘市】望む仕事と働き方を秋田で叶えている「グレーディングラボ」工藤昌子さん
こんにちは!地域情報発信ライターの佐藤らなこです。
こどもの頃になりたい職業は何でしたか?夢は叶いましたか?私は...こんなはずじゃなかった人生を歩んでいます(笑)
大人になってから知った職業や仕事もたくさんあって、もっと前に知っていたら人生少し違っていたのかなと思うこともあります。
というわけで本日は、私、初の取り組みである「人」×「仕事」をお届けいたします。
今回は、由利本荘市内でアパレルの専門職"グレーダー"として独立し、お仕事をしている「グレーディングラボ」の工藤昌子(くどうしょうこ)さんをご紹介いたします。
「グレーディングラボ」工藤昌子さん
工藤昌子(くどうしょうこ)さんは、秋田県内の専門学校を卒業後、由利本荘市内の縫製会社にパタンナーとして就職。
会社員時代はパタンナーとして経験を積み、多くの技術を習得。2019年にアパレルの専門職 "グレーダー"として独立し、「グレーディングラボ」を立ち上げました。ご自宅の一室を仕事場としています。
独立したきっかけとしては、以下のようなことがあげられるそうです。
- 会社勤めのままでは、専門スキルや強みを十分にいかすことができなかったこと
- まわりの方々が独立に向けて背中を押してくれたこと
- ちょうどテレワークの普及が推進されていた時期だったこと
- 家族も自宅での仕事を望んだこと
"グレーダ"ーってどういう職業?
さて、"グレーダー"ってどういう職業かご存じですか?私はこのたび初めて知りました。
服作りでは、まずデザイナーのデザイン画をもとにパタンナーが型紙を作成します。その時点では1サイズしか作られず、量産に入る時に異なるサイズが必要となります。
そこで、各サイズの型紙を作るのが”グレーダー”の仕事です。そのように服のサイズ展開をすることを ”グレーディング” といいます。
展開は2~5サイズ(S,M,L,LLなど)から、多いと10サイズになることもあるそうです。
作業にはアパレル用CAD(製図ソフト)使用します。
”グレーディング” では、単純に拡大や縮小すればいいわけではなく、デザインのバランスが崩れないように細かい箇所を調整する必要があります。
こんな経験はありませんか。いつもLサイズだからと試着しないで服を買って帰って、実際に着てみたら「あれ?ちょっときつかったかも」なんていうこと。同じサイズでも、メーカーやブランドによってシルエットや着心地もちがいますよね。
ですから ”グレーダー”には、そのブランドの特徴を的確につかむことやその服のデザインを把握することも求められます。
工藤さんは会社員時代に様々なブランドや服に触れてきたため、今仕事をするうえで強みとなっているそうです。
仕事の依頼主は、首都圏や関西のアパレルメーカーなどの企業がほとんどで、オンラインでやり取りをしています。稀に個人からの依頼もあるとのこと。
独立していちばん最初のお客様は、ホームページを見てのご依頼だったそう。その後は、同じ方から継続してお仕事をいただいたり、業界内のクチコミで新規のお客様を得たりしています。
大人服、子供服、そして制服などユニフォームの他、わんちゃんの服の ”グレーディング” を手掛けたこともあるそうです。
なお工藤さんがパタンナーではなく、なぜグレーダーとして起業したかというと「グレーディングが好きだから」に尽きるとのこと。
製図(図面を書くこと)が好きで、ご自宅をリフォームする際にはご自身で図面を引いたとか。また、クロスステッチや数独などパズルの要素があるものがお好き。
※クロスステッチの作品を投稿している工藤さんのInstagramはこちら(外部リンク)
仕事で楽しさを感じるのは、ひとつひとつのパーツのサイズ展開をしていき、すべてを完成させた時。作業を進めていくことに「攻略」という言葉を使われていたことも印象的でした。
また納期のある仕事ですが、スケジューリングは自分次第。平日に友達と会ったり、外食したりと会社勤めの時にはできなかったことができているとのこと。
プライベートも充実しているし、仕事も楽しくて仕方がないと話す工藤さん。「早く仕事したーい」と目覚めるそうです!二度寝大好きな私とは大違い(笑)
好きな仕事と自由な働き方で人様のお役に立ち、収入も得られている現状に満足しているそうです。
起業して今思うこと。伝えたいこと。
2020年にはコロナ禍に入り、ステイホームの影響でアパレル業界が苦戦していたニュースを耳にした記憶があります。
工藤さんによると、独立してすぐのその頃は確かに厳しい状況ではあったけれど、通販カタログの発行部数が増え、売上が伸びていたところもあったそう。
「悲観することなく、そのような変化をチャンスとして前向きに捉えて動けるかどうかが大事。何かしら行動していると、何かに繋がる」というお話が心に響きました。
また「今は都市にオフィスをかまえる必要のない仕事はたくさんあると思います。望む仕事や働き方が秋田で叶うならば、人口減少対策にもつながるのでは」とも、おっしゃっていました。
工藤さんの仕事観は、秋田で暮らしたい、秋田に帰りたい、好きなことで起業したい、どういう仕事だったらそれが叶うのかを模索している方々のヒントになるのではないかなと思います。
今後の展望としては、秋田県内のアパレル業界の方々へも貢献できたらと考えているそうです。工藤さんのお仕事が気になった方は、下記のホームページ等もぜひご覧ください。
【グレーディングラボ】
公式ホームページ(外部リンク)
公式Instagram(外部リンク)
公式X(外部リンク)
※本記事に記載の情報は、取材時のものです。