米国のバイデン次期大統領は1.9兆ドル規模もの新型コロナウイルス対策案を発表、その財源は?
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米国のバイデン次期大統領は14日、1.9兆ドル(約200兆円)規模の新たな新型コロナウイルス対策案を発表した。現金給付を1人当たりさらに1400ドル支給するほか、失業給付の特例加算も9月まで延長する(15日付日経新聞)。
これも加えると、トランプ政権からの臨時の財政出動は合計で6兆ドル弱に近づくことになる。それだけではない。
バイデン次期大統領は今回の1.9兆ドルの対策は「失業者などへの第1弾の経済救済案にすぎない」と述べ、2月に予定する両院合同議会での演説で「インフラ投資などの経済再建策を改めて表明する」と主張した。
昨年3月以降、米国政府は4回のコロナ対策を発動している。12月末には9000億ドルの追加財政出動を決めたばかりで、既に対策規模は4兆ドルに達しており、今回の1.9兆ドルも合わせると約6兆ドルとなり、米国のGDP比で3割近い景気刺激策となる。
ただし、政府の経済対策の最終的な決定権は議会にある。バイデン氏が提示した今回の経済対策の実現は上下両院の審議次第となるため、特に与野党が拮抗する上院で賛同が得られるのかは現状は不透明である。
これほどの大盤振る舞いはどこまで許されるのか。今回の経済対策の財源は当然ながら、国の借金、つまり米国債の増発によって賄われることになろう。
新型コロナウイルスの感染拡大による、いわゆるリスク回避の動きや、FRBによる金融緩和策もあり、米長期金利は1%割れとなっていた。しかし、ここにきて1%の大台を抜けてきている。これは大型の経済対策による景気回復への期待、インフレ期待の高まりなどもあるのかもしれないが、国債需給の行方が懸念されての動きとみることも出来る。
非常時、緊急時だから致し方がないといえばそれまでであるが、米国でも政府債務の拡大がいずれ大きな重荷となる可能性がある。そのリスクを米長期金利がどのような形で示すのかも注目したい。