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ヤマハのアフリカ専用モデル「CRUX Rev」に注目! 第7回アフリカ開発会議イベントに出展

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト
ヤマハのアフリカ専用モデル「CRUX Rev」

8月28日から30日までパシフィコ横浜で行われる第7回アフリカ開発会議(TICAD7)に併せて開催される、日本貿易振興機構(JETRO)主催の「日本・アフリカビジネスフォーラム&EXPO」ジャパン・フェアへ、ヤマハ発動機が出展を発表。これに合わせて今週、ヤマハのアフリカでの事業についてのメディア説明会が行われた。

ヤマハのブースでは、事業活動と新しい取り組みをアフリカ各国の関係者へPRすることを目的に、ESG視点でのアフリカビジネスを「クリーンウォーター」「ブルーエコノミー」「防災」の3つのテーマに分けて展示。小型浄水装置「ヤマハクリーンウォーターサプライシステム」、船外機や現地で使用されているボート、産業用無人ヘリコプター、モーターサイクルなど、様々なフィールドにおけるヤマハ製品の有用性を紹介するとのこと。

アフリカでもすでに半世紀以上の実績

ヤマハは1960年代からアフリカ市場の開拓を進め、現在はアフリカ52カ国で事業を展開するなど、すでに長い歴史と実績を誇っているビジネススキームだ。アフリカの人口は2070年代にはアジアを超える予想で、1人当たりのGDPも2000年対比で現在も2.6倍に成長するなど著しい経済発展を見せている。

説明会ではヤマハ発動機の代表取締役社長、日高祥博氏も登壇。飛躍的な人口増加、中間層の台頭など市場として高いポテンシャルを秘めたアフリカに注力し、「世界の人々に新たな感動と豊かな生活を提供する」を企業目的のもと、ヤマハは今後も積極的な事業の拡大を目指すことが語られた。

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バイクのビジネス需要が爆発するアフリカ

説明会の中でも、特に筆者が注目したのがアフリカ向け二輪車の投入について。

今アフリカでは二輪市場が爆発的な勢いで伸びていて、2018年時点ですでに400万台市場に達しているという。中でも特徴的なのは市場の6割を占めるという業務需要。バイクタクシーやバイク宅配サービスなど、比較的少ない資金で開業でき確実な収入源となるため、非常に多くのスタートアップ企業などが参入している状態だ。

そこでバイクに求められる条件は、燃費の良さとリーズナブルな価格、優れた耐久性など。アフリカのバイク事業でもすでに40年近い実績があるヤマハだが、最近は中国やインドなどの新興勢力との競争も激化しているという。その中で差別化しユーザーの支持を得るにはやはり高い品質とアフターサービスの充実が欠かせない。

ヤマハ発動機社長、日高祥博氏による現地視察の様子(発表会映像より)
ヤマハ発動機社長、日高祥博氏による現地視察の様子(発表会映像より)

アフリカ向け専用開発の“働くバイク”

こうした背景のもと、徹底した現地調査を経てアフリカ向けに専用開発された業務用モデルが「CRUX Rev」(クラックス レブ)である。

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エンジンは空冷4スト単気筒SOHC2バルブ排気量110ccと最もシンプルかつ耐久性重視の設計で、車重も110kgと軽量。“BLUE CORE”エンジンによるクラストップの優れた燃費(従来比18%アップ)と、タンデム時でも快適なフラットシートやボード型タンデムフットレスト。積載性に優れたリアキャリアや高荷重に対応するサスペンションなど高い実用性が特徴だ。「CRUX Rev」は2017年から投入され、生産はインドで組立はアフリカで行っている。

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世界で需要が高まるバイタク

目についたのは段差のない長いフラットシート。家族4人は乗れそうだ。ちなみにボード型タンデムフットレストは、バイクタクシーで女性が横乗りしやすいための工夫だとか。「CRUX Rev」の現地価格は日本円で8万円程度で非常にリーズナブルだが、それでも他国製に比べると高級モデルになるという。今後は盗難防止システムを強化した新世代モデルも投入予定だとか。

実用一点張りの無骨なモデルではあるが、2輪車本来の機動力を生かした働くバイクと言えそうだ。慢性的な渋滞にあえぐアジアの都市でも需要が高まっているバイクタクシーだが、たとえば電動化などを含め、先進国における省エネ型のモビリティとしてもヒントになるかもしれない。

なお、今後ヤマハでは個人事業をサポートするファイナンススキームを開発するとともに、現地サービス網もさらに充実。IT技術と移動・物流などを融合した新たなアフリカ二輪試乗を開拓していくということだ。期待したい。

※原文より筆者自身が加筆修正しています。

出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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