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あばれる君、ホントは家族思いの「まじめ君」だった!?

中西正男芸能記者
ブレイク中のあばれる君

どこまでがキャラクターで、どこからが素(す)なのか。この上なく境界線が見つけにくいギリギリの芸風でブレイク中なのがタレント・あばれる君(28)。テレビ東京系「ポケモンゲット☆TV」、日本テレビ系「有吉ゼミ」などメディアでも引っ張りだこ状態となっていますが、本業でも単独ライブ「うまれる君」(東京・エコー劇場、9月25、26日)を開催します。仕事も増え、知名度も上がりましたが、“悩みのタネ”は意外なところにあるそうです。

「スタミナさん」って間違われて…

ありがたい話、今年に入って、ほとんど休みがない状態です。

テレビにも出してもらうようになって、お子さん、若い人、お年寄りと幅広く街で声をかけていただくようになりました。もちろん、ありがたいことなんですけど、残念ながら、まだまだだ頑張らないといけないなと思うこともたくさんありまして。

これは、特におばあちゃんに多いんですけど、僕のことは知ってくださっているようなんですけど、ちょっと違うんですよね…。この前は街でおばあちゃんから「スタミナさん」と言われました…。何をどう覚えてくださったのか判然としないんですけど、イメージなんですかね…。あとは「力野郎」ってのもありましたね。年代的に映画の「トラック野郎」みたいなところから来たんですかね…。そこに、あばれる君⇒暴れる⇒パワフル⇒力という変換が乗っかっていったのか。

これは、ホントに今さらながらなんですけど、名前を知ってもらったら知ってもらったで、困ることもあるんだなと。

なんてったって、名前が「あばれる君」ですから。出てきた時点で、僕のことを知らずに見てくださってる方も「あ、今から、暴れる人が出てくるんだな」と思いますからね。そりゃね、ハードルは上がります(笑)。少々、暴れたところで「あ、ハイ、ハイ、そりゃ、暴れるよね」となりますから…。

バイト先でのニックネーム

そもそも、この名前は大学時代にたこ焼き屋さんのアルバイトをしてた時に、慌ててテンパってしまって、お皿を大量に割ってしまったところから店長につけてもらったニックネームなんです。それを養成所時代からそのまま芸名として使っていたんですけど、その時点から講師の方に「ハードルが上がるぞ」と言われてたんですけどね。

…ただ、この名前って漢字で書くと「暴れる君」になるんです。縮めると“暴君”じゃないですか。これが、なんでしょう、響きと字面が何ともカッコよくて…(笑)。そのまま使って、今に至るなんです。“暴君”の報いを、今、受けています。

あと、漢字のカッコよさだけじゃなく、僕の中で、マンガやアニメのキャラクターみたいな存在になりたかったというのもありまして。いわば、アイスの“ガリガリ君”みたいに。でも、この前BSの番組を見てたら、全国をロケして回っている犬が映っていて、その名前が“まさはる君”でして。瞬時に反応してしまいました。「あ、こっちだ」と。結局、キャラクターより、犬に近づいているのかもしれません(笑)。

確かに、一緒にロケをしたスタッフさんから「なんだか、動物とロケしてるみたい」と言われたこともありますし。

でも、ま、ホントの話、僕の中で非常に感動しているのは、飛行機に乗って仕事に行くことも出てきたということです。忙しい日だったら、飛行機に乗って地方の仕事をして、またその日のうちに飛行機で戻ってくるということもある。いかにも、売れっ子さんということでうれしさを感じる部分もありますけど(笑)、何より、そんな飛行機で行くようなところでも、僕のことを知ってくださっていて、呼んでいただける。そのこと自体がホントにありがたいなと。

飛行機といえば、今年はテレビ番組の企画でフィジーにも行かせてもらいましたしね。3日間のサバイバル企画で、サバイバル技術を持ったアメリカ人女性とわらで作った家で寝泊まりするという流れだったんですけど、3日間、そのアメリカ人女性はずっとナタを持ってました。ずっとこちらに英語で何かまくしてたてたんですけど、後から聞いたら「指一本でも触れたら、このナタで斬り殺す」と言われていたみたいで。間違ってでも、寝返りを打たなくてよかったなと。“誤爆”でも、ヤラれていたでしょうから…(笑)。

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“素”の自分は…「○○君」

エッ、素(す)の自分ですか?「あばれる君」的な言い方をすると、ん~、そうですねぇ…、ま、どう考えても「こんらん君」じゃないですかね。

この前も、坂上忍さんがMCの番組があったんですけど、スタジオでVTRを見終わってコメントする時に、つい「坂上君」って言っちゃったんです。「あばれる君も頑張りますけど、坂上君も」みたいな流れで。ホントに、ついつい。その時、坂上さんから「あれ?オレ、この世界だいぶやってるんだけど、そのオレに“君”づけなんだ…」と。もちろん、ある種のシャレで仕掛けてきてくださったんだと思うんですけど、こちらは完全にそこで「こんらん君」になってしまいまして…。とっさに出た言葉が「…聞き間違えだと思います!!」。あのね、これは、ウケたんです(笑)。

ま、これはいい方に出たパターンでしたけど、ほぼ、ほぼ、悪い混乱のまま終わりますからね…。いい方に出る確率は、引退した時の元巨人・清水隆行選手の打率くらいです(笑)。

仕事で悪い混乱してしまった時は、3日くらいアタマに残るんです。混乱した自分を恥じるというか。そんな時は本当に気分が重たくて、朝起きて、テレビのリモコンを持つ手も重いんですよ。ただ、ほぼ悪い混乱ですから、ほぼ毎日リモコンは重たいです(笑)。

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「ベストファーザー君」目指したい!

あと、将来的に目指しているのは「ベストファーザー君」ですね。まずは妻を、そして、将来生まれてくる子供を幸せにする。それが基本。だからこそ、周りも幸せにできるのかなと。芸人さんの場合、遊んでナンボみたいなところもあるのかもしれませんけど、僕の場合は、幸せな家庭を作りたいですね。

子どもができたら、野球でも何でもいいんですけど、とにかく部活をやってほしいですね。何かに打ち込んでいたら、真っすぐ育つと思いますし。あとは、思いやりのある子になってほしいですね…。

ホントは「まじめ君」じゃないかって!?いやいや、そんなことないです!!たまたまです!!「あばれる君」なんですから、これからも、ドンドン暴れますよぉ!!

◆あばれる君(あばれるくん)

1986年9月25日生まれ。福島県出身。2008年、駒澤大学在学中にワタナベコメディスクールに入学。魂を振り絞るような全力コントで注目を集める。「R-1ぐらんぷり2015」で決勝進出を果たす。テレビ東京系「ポケモンゲット☆TV」、日本テレビ「有吉ゼミ」「ヒルナンデス!」などに出演中。13年には1歳上の看護師と結婚。9月25日、26日には第3回単独ライブ「うまれる君」(東京・恵比寿のエコー劇場)で開催される。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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