【ガジェット】シリコンパワーの「まんまUSBメモリ」なポータブルSSDレビュー
シリコンパワーの「まんまUSBメモリ」なポータブルSSDレビュー。
その名はMarvel Xtreme M80
最近パソコン周辺機器で少し話題になっているジャンルの機材があります。簡単に持ち運んで使える「ポータブルSSD」の1ジャンルですが、形とサイズがほぼUSBメモリそのものなものです。
今回レビューするシリコンパワーの「Marvel Xtreme M80」もそんな製品のひとつ。
このジャンルの製品の中でも、特にUSBメモリそのもののサイズを実現した製品です。Amazonでの商品画像を見たときには、手元で使っていた同社のUSBメモリとおんなじ筐体を使っているんじゃないのか?とまで思ったレベルですね。
そんなコンパクトサイズながら「USB3.2 Gen2接続(10Gbps転送)」に対応した高性能製品です。転送速度はカタログスペックではリード1,000MB/s、ライト800MB/sに達します。その辺りの実態も確認していきます。
ちなみに正式な製品名、モノが届いて初めて知りました。販売ページにもなぜか記載がなかったのですよね。覚えやすいいい名前だと思うのですが。ちょっと不思議です。
簡易性能測定
まずは簡単な性能測定から。
このジャンルの定番ソフト、「CrystalDiskMark」で転送速度を測ってみました。
すると次のようにカタログスペックを軽く超える素晴らしい数値を叩き出しました。
- シーケンシャルリード:1,013MB/s
- シーケンシャルライト:926MB/s
しっかりとUSB3.2 Gen2接続の意味があるといいますか、恐らくUSBの10Gbps転送モードでの限界値に達していると思われます。USBは規格上、転送速度の上限まで1つの機材で使い切ることが出来ない仕組みなのです。本当に素晴らしい結果と言えるでしょう。
ちなみにUSB3.2 Gen1接続(5Gbps)だと次の数値でした。
- シーケンシャルリード:447MB/s
- シーケンシャルライト:442MB/s
こちらの接続でもそんじょそこらの高速USBメモリをぶっちぎって高速です。
速いが「熱い」
シリコンパワーのMarvel Xtreme M80は単純な性能測定の結果だけ見ると文句の言い様がない素晴らしい製品に見えますが、実は割と切実な弱点も抱えていることが分りました。それは「発熱」問題です。
特にUSB3.2 Gen2接続の時が顕著で、室温が30度ある室内での運用とは言えほぼアイドル状態でもコントローラーの温度が65度を超えてしまうのです。これは実運用上も少々厳しいシーンが発生する上に、そもそも定常状態がこの高温というのは正直ちょっと怖いですね。
このポータブルSSDもコントローラーの温度が80度を超えると「サーマルスロットリング(高温による性能抑制)」が発生するため、夏は温度の余裕がなく割と簡単に性能が抑制されてしまいます。
まあ、サーマルスロットリングが発生している状態でも130MB/s程度の書き込み速度は出ますので、そこまで極端に実用性が損なわれるわけではありませんがちょっともったいない感じです。
USB3.2 Gen2接続で実用的に活用するには、なんらかの冷却の仕組みが必須です。
USB3.2 Gen1運用が無難?
さて、USB3.2 Gen2接続だと熱問題に頭を痛めることになるMarvel Xtreme M80ですが、Gen1接続ですとアイドル時の温度は最大でも60度以下(それでも高いですが)に納まり、大量データの書き込みを行ってもサーマルスロットリングは発生しませんでした。
結果としてこの時はコピーの経過時間の逆転現象が起こりました。
ファイルコピーはむしろGen1接続の方が速いケースがそれなりに出てくると言うことですね。アイドル時の温度も低い分、運用上メンタルにも優しいです。
通常、特に夏期はGen1接続での運用が無難かもしれません。