中国人口はピーク時に14億2493万人…国連予想による中印の人口推移をさぐる(2022年公開版)
人口はその国の国力を示す指標の一つで、その現状や今後の推移を見極めるには欠かせない値。そこで今回は国連の公開データから、アジア地域の人口面で注目すべき国として中国とインドにスポットライトを当て、西暦2100年までの人口推定値に関して、日本でよく行われている3世代区分と同様の区分を行い、その値をグラフ化し、状況の精査を行う。
取得するデータは国連による公開値の一つ「World Population Prospects 2022 Revision(世界人口の見通し、2022年改訂版)」(国連事務局経済社会局の人口部局による、人口統計学的な推計によるデータ)。中国とインドに関して、2020年から2100年までの(推定)人口値を3年齢階層区分(14歳以下、15~64歳、65歳以上)に区分して確認する。
まずは中国。
どこまでも人口が増え続けるイメージがある中国だが、今件の限りでは2020年がピーク。以後は高齢者数を大幅に上乗せ、若年者数を減らしながら、人口全体も減っていく。高齢者数の増加も2060年で止まるが、若年層の減り方は一層大きく、高齢者「比率」はさらに増加し、2085年の42.2%をピークとする状況に。高齢化への歩みは日本より加速度が大きい感はあり、最終的に落ち着く高齢者の比率(40%超)そのものも日本(約39%)より上回っている。
続いてインド。
資料発表時点での世界最大人口の国は中国。しかしその中国は上記にある通り2020年で増加は頭打ち。一方、インドは2065年まで増加を継続しており、2025年に逆転する形でインドが人口のトップに立つことになる。インドにおけるピーク時の推定人口は16億9663万人。
インドでは2020年時点で14歳以下が26.1%もいるのが特徴的。高齢化も一様に進んでいくが、スタート地点での余裕が大きく、高齢者人口比率が2割を超えるのは2065年に入ってからとなる。
おおよそ今回紹介した両国も、そしてその他の新興国、さらには先進国も2060年前後が人口動向におけるターニングポイントとなっている(中国は早めだが)。
その時点で各国の枠組みに変わりがなければ、との前提だが、各国の国際場面における立ち位置も、随分と変化しているに違いない。人口数そのものや構成比率は、その国の国力の源となり、それは同時に国際的な発言力の大きな要因になるからである。
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