旧統一教会問題の動きは今、どうなっているのか?教団が弁護士らを訴えた棄却判決続く #専門家のまとめ
昨年12月、被害者救済特例法(特定不法行為等に係る被害者の迅速かつ円滑な救済に資するための日本司法支援センターの業務の特例並びに宗教法人による財産の処分及び管理の特例に関する法律)が成立して、旧統一教会問題における被害者救済にむけて、本格的に動き出しています。
一方で、教団は22年にテレビ局や弁護士らを名誉棄損で損害賠償を求めた裁判を起こしました。
1月25日、読売テレビと本村健太郎弁護士を訴えた裁判の判決が、東京地裁であり、「原告(旧統一教会)の請求をいずれも棄却する」との判決がでました。昨年、TBSテレビと八代英輝弁護士への訴えも棄却されており、教団側の敗訴が続いています。私も傍聴にもいき、今回の判決における大事なポイントもお聞きしてきましたので、後ほどお伝えします。
今、旧統一教会問題をめぐる動きはどのようになっているのでしょうか。
▼文科省から、旧統一教会への解散命令請求が出されています。2月に双方から直接に意見を聞く「審問」が開かれます。
▼文化庁は被害救済特例法における「指定宗教法人」の対象となる基準案を公表し、パブリック・コメントも実施しています。
▼被害者支援の初の関係閣僚会議が開催。被害者は若年層から高齢者まで幅広い世代にわたっており、早急な対応が求められます。
▼旧統一教会の損害賠償請求の訴えが棄却されました。「重要な部分は真実であると認められる」として違法性がないとの判決です。
地裁判決をうけて本村健太郎弁護士は「これからも、ひるむことなく、事実に基づく発言を続けてまいります」と話します。
旧統一教会側は「裁判所が布教活動自体を違法と認定し、司法の場では完全に違法な団体、違法な活動をしている違法な組織であると認定済みである」との本村弁護士の発言について「事実が真実であるとはいえない」として訴えてきました。
しかし判決では「『裁判所の判断として原告の布教活動が違法であると認定されている』という本件発言ないし、論評の前提事実の重要な部分は真実であると認められる」としており、違法性はないとの判断です。
3月には、教団が日本テレビと有田芳生氏、読売テレビと紀藤正樹弁護士を訴えた裁判も判決予定です。この流れのまま、教団側の敗訴となるのでしょうか。
文科省の解散命令請求の裁判とともに、これらの判決の行方が注目されています。