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コメダ珈琲店と高級チョコブランド、ゴディバがコラボ 驚きの新メニューの中身とは?

大竹敏之名古屋ネタライター
ショコラノワールは全国のコメダ珈琲店で2月7日より発売。650~670円

ゴディバ監修の8メニューをバレンタインシーズン限定で販売

名古屋発祥の喫茶店チェーン、コメダ珈琲店(以下「コメダ」)。現在、全国に850店舗以上と、店舗数ではスターバックス、ドトールに続く国内3位。セルフではないフルサービスの喫茶店としてはダントツのナンバーワンチェーンです。

誰もがくつろげる庶民的な雰囲気を最大の魅力とするコメダが、この度何と高級チョコレートブランド「ゴディバ」とコラボすることに。名物スイーツのシロノワールをはじめ、8種類のメニューをゴディバ監修のチョコレートソフトクリームを使用したメニューとして数量限定で販売することになりました。

「他社とのコラボによる商品開発は、2018年10月に発売した森永製菓様とのシロノワール小枝以来、二度目。複数のメニューをコラボで開発するのは今回が初めてです」とコメダ広報部。

一方のゴディバは「コメダ珈琲店の『くつろぐ、いちばんいいところ』というコンセプトに共鳴し、より多くのお客様にゴディバの監修する商品をお楽しみいただきたいと考えました」とコメント。他社とのコラボ商品は、これまでにローソンのスイーツやドリンクなどがありますが、ブランドイメージを大切にする同社が喫茶店とタッグを組むのは、過去にないチャレンジといっていいでしょう。

高級ブランド×大衆喫茶チェーンのブランドイメージは両立するか?

「味わいのリッチさ、豊潤さから見た目の美しさまで、ゴディバの求める水準の高さは、当社の商品開発力の向上にもつながりました」と開発担当のコメダ・斎藤善生さん
「味わいのリッチさ、豊潤さから見た目の美しさまで、ゴディバの求める水準の高さは、当社の商品開発力の向上にもつながりました」と開発担当のコメダ・斎藤善生さん

子どもから年配者までに親しまれている大衆チェーンであるコメダと、高級ブランドであるゴディバ。ブランドイメージが異なる両者のコラボだけに、それぞれの長所をいかに両立させるかに苦心したといいます。

リッチで豊潤なゴディバの特徴を活かしつつ、幅広い世代が親しめる昔懐かしいチョコレートの味わいを融合させることをテーマに開発に取り組みました」とコメダ商品開発担当者。

筆者は発売に先がけ、ショコラノワールを試食。通常はバニラ味のソフトクリームがチョコレートソフトクリームになり、さらにアーモンドの粒のトッピングで香りと食感のアクセントに。チョコレートソフトクリームは深いコクのある贅沢な味わいで、それでいてカカオの香りが強すぎず風味に角がないのでどんな世代でも食べやすそう。明らかに高級感が加わり、それでいてシロノワール本来の親しみやすさは健在です。

プレミアム感がアップしていながら価格は据え置きなのも特筆すべきポイント。コメダは近年1~2カ月に1度のペースで季節限定シロノワールを販売していますが、それらは基本的にレギュラーのシロノワールよりも100円ほど高い価格設定。ところが、今回のゴディバ・コラボメニューはショコラノワールをはじめすべて従来と同じ価格での販売なのです。付加価値の高いコラボメニューで、名古屋喫茶ならではの“お値打ち感”(=コスパの高さ)を打ち出したことからも、この企画に対するコメダの並々ならぬ熱意が感じられます。

今回のゴディバ監修メニューの数々。上段左からクリーム珈琲、コーヒーシェーク、クリームオーレ、下段左から珈琲ジェリー、ソフトクリーム、アイスココア。
今回のゴディバ監修メニューの数々。上段左からクリーム珈琲、コーヒーシェーク、クリームオーレ、下段左から珈琲ジェリー、ソフトクリーム、アイスココア。

限定メニューの開発・投入でコアなファンを獲得

ゴディバとのコラボメニューは2月7日(金)、全国のコメダで発売。従来のシロノワールのおよそ2・5倍の数量を用意しているといいますが、数量限定で無くなり次第終了となります。バレンタインデーの2月14日まで食べられるかも、SNSなどで関心を集めることになりそうです。

コメダの近年の積極的な限定メニューの投入は、誰もが・どんな時でも利用しやすい従来の大衆性に加え、“今しかない”という飢餓感をあおり、マニアックなファンづくりにもつながっています。新しいメニューが売り出されるたびに足を運びSNSで発信するコメダフリークも少なくないことでしょう。そんな熱心なリピーターにとって、プレミアム感もレア感もある今回のコラボメニューは、いつも以上に“絶対に体験したい”ものになることは間違いありません。

店舗網を拡大して地域にとって当たり前の存在になると同時に、攻めの商品開発でコアなファンを獲得する。ゴディバとのコラボメニューは、そんなコメダの企業戦略の両輪を象徴する取り組みといえそうです。

(写真撮影/メニュー集合写真はコメダ提供。他は筆者撮影)

名古屋ネタライター

名古屋在住のフリーライター。名古屋メシと中日ドラゴンズをこよなく愛する。最新刊は『間違いだらけの名古屋めし』。2017年発行の『なごやじまん』は、当サイトに寄稿した「なぜ週刊ポスト『名古屋ぎらい』特集は組まれたのか?」をきっかけに書籍化したもの。著書は他に『サンデージャーナルのデータで解析!名古屋・愛知』『名古屋の酒場』『名古屋の喫茶店 完全版』『名古屋めし』『名古屋メン』『名古屋の商店街』『東海の和菓子名店』等がある。コンクリート造型師、浅野祥雲の研究をライフワークとし、“日本唯一の浅野祥雲研究家”を自称。作品の修復活動も主宰する。『コンクリート魂 浅野祥雲大全』はその研究の集大成的1冊。

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