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“ワイドナティーン”になった白本彩奈が目指すところ!

長谷川まさ子フリーアナウンサー/芸能リポーター
“ワイドナ高校生”から“ワイドナティーン”へ!(撮影:すべて長谷川まさ子)

 フジテレビ系「ワイドナショー」の“ワイドナ高校生”でおなじみだった白本彩奈さんは、この春に高校を卒業し、“ワイドナティーン”になりました。本業は子役からキャリアのある女優さん。等身大で演じた「ヤマダに新生活家電を買いに来た私」(ヤマダデンキ)のCMも好評でした。そんな白本さんがベラルーシ出身の母親のこと、高校卒業後のこと、大先輩の中井貴一さんとのエピソードなど、今の気持ちを素直に語ってくれました。

“ワイドな高校生”として「ワイドナショー」に初出演したのは2018年でしたね

 “ワイドナ高校生”は、オーディションを受けて決まったのですが、最初は高校生の代表として、みんなが思っていることを代弁しないといけないんだというプレッシャーがありました。

 私は普通の高校ではなく、芸能コースのある学校に行っていたので、一般の高校生の方とはやはり環境がちょっと違うと途中で気がついて。それから一般の子に意見を聞いてみたり、めちゃめちゃ下調べをして、言いたいことを全部まとめて収録に臨んでいたのですが、5回目くらいからは、その時に思ったことを話すようになりました。

何かきっかけがあったのでしょうか?

 きっかけは、MCの松本人志さんが、“高校生がどう思っているか”ではなくて、「白本さんはどう思っているの?」と私の意見を求めてくださったこと。「あっ、私自身として参加していいんだ」と思えたことでした。

 さらに、東野幸治さんに収録前にあいさつした時、「あっ、きょう、白本さんね。じゃあ大丈夫だね!」みたいなことを言ってくれて。人に興味がなさそうで、私のことなんか絶対に覚えてないなって思っていたんですけど(笑)。東野さんはそんなこと忘れていると思うんですけど、私は番組の一員として認めていただけたんだって思えて、すごくうれしかったです。

 高校を卒業した今は“ワイドナティーン”になりました。18~19歳って、未来を考えなければいけない世代だと思っていて、責任を持って発言しなければいけないなと。“等身大の白本”として、ニュースの捉(とら)え方だったり、考えを話せるので、高校生の時より話しやすいです。

この春高校を卒業されましたが、コロナ禍でいろいろ大変だったのでは?

 高校生活はもちろんいいこともありましたが、コロナ禍ということで予期せぬこともありました。楽しみだった文化祭や体育祭は中止。思い描いていた青春の思い出がないのですが、「できないながらにどうやったら楽しめるのか」を考えられたのは、いい経験になりました。

 卒業式もみんなで集まることはできず、YouTubeライブであっさりしていたので、卒業した実感はありませんし、母に立ち会ってもらえなかったのも残念でした。うちはシングルマザーで、進学の時、母から大学進学を見据えた高校を選んでほしいと言われたんです。ただ、私は芸能活動もしたかったので、結果、芸能コースのある高校を選びました。金銭面でも負担をかけてしまったのに、イヤな顔を見せずに「頑張ってね」と背中を押してくれていたので、本当に感謝しています。

 母はベラルーシ出身で、子供の頃は毎年訪れていたのですが、最近はコロナ禍もあり、おじいちゃんやおばあちゃんに会いに行けず寂しいです。でも、おばあちゃんとは、Skypeでやり取りをしています。私もロシア語は話せるのですが、読み書きはできないので、この機会におばあちゃんとSNSでもやりとりをして、できるように頑張っているところです。

卒業後の進路は?

 高校卒業後は進学を考えていたのですが、受験の流れも含め、ここにもコロナの影響が出ていました。高校3年間、勉強と芸能活動を両立させていれば、その頑張りが認められて、大学の推薦が取れると思っていたのですが、今年は特にコンクールや大会での成績など、目に見える結果の評価が大きかったようで、私は合格できずに浪人となりました。芸能という仕事は、数字で表すのが難しいですね。そう考えると、自分の特徴だったり、私にしかないものってなんだろうってすごく考えさせられました。

 ただ、大学に落ちてしまったことに負の気持ちはありません。今は大学の授業もリモートなので、この1年間頑張って勉強して、来年、しっかり対面で授業を受けたり、友達を作ったりしたいので、猶予をもらえたと考えています。私はリモートより、やっぱりちゃんと対面したいです。大学を落ちてしまったという事実は変えられないけど、向き合い方次第では全然違ったように捉えられるなって思います。

そもそも、どうして芸能界に入ることに?

 このお仕事は3歳の時、母の友人が社長をしていたハーフモデルの事務所に入ったことから始まりました。私、人前に出るのが好きな性格だったんです。ただ、ハーフなのに“日本人顔”なので、仕事が全く決まらずに一度辞めました。小学校2年生の時に今の事務所に原宿でスカウトされたのですが、竹下通りで声をかけられたので、よくある“ザ・スカウト”って感じで、最初は怪しいんじゃないかと疑いました(笑)。

 そこからドラマなどいろいろお仕事させていただく中で、お芝居を、女優を一生続けていこうと思ったのは、小学校4年生の時にフジテレビの「最後から二番目の恋」に出演してからです。

 子供の出演者は私しかいなかったのに、プロデューサーも監督も大人と同じ扱いで、すごく厳しくダメ出しされたんですけど、そんな中で、お父さん役だった中井貴一さんが「今のリアクションいいじゃん」「何であれが浮かんだの?それナイスアイデアだよ」ってアドリブとか褒めてくれて。

 食事も「えりな(役名)、行くよ!」って毎回誘ってくれました。私はまだ子供だったので、中井さんの偉大さを知らず、本当のお父さんのように接していました。そして子供ながらに、「みんなで作り上げていく現場っていいな」って魅了されて、この仕事をずっとやっていこうと思いました。

とても恵まれた出会いでしたね

 中井さんとは、今でも親しくさせていただいていて、仕事でもプライベートでも壁にぶつかった時には「どうしたらいいと思いますか?」と電話します。それこそ、今回の受験についても相談したことで、やっぱり浪人してでも大学に行こうと思いました。私のターニングポイントとなるきっかけを全て後押ししてくださっているのが中井さんなので、大事なことを決める時は、必ず電話で相談しています。

 今はLINEとかが主流ですが、それだと伝わらないこともあるので、私は実際に会うか電話で声を聞いてやりとりします。先日は、私のラジオ番組のラストオンエアの時にサプライズでわざわざ来てくださって。もう号泣でした。

 中井さんからは「今度ご飯行こうね」って誘っていただくんですけど、子役のあの時の自分よりも、もっとステップアップした自分を見ていただきたいので、本当は行きたくてウズウズしていますが、また共演できるまで待っていただいている状態です。だからそれを実現するまでは、この世界にいたいと思っています。

 将来は「この人が出ているなら大丈夫」「この人が演じるなら大丈夫」って思ってもらえる説得力と奥行きのある女優になりたいと思っていますが、最終目標はやはり中井さんのような俳優さんです。

 人間味にあふれていて、とても優しくて。オーラがあるんですけど、オーラのある俳優さんって、有名だからオーラがあるわけではなくて、今までの経験の積み重ねが出ているんだと思うんです。だから、中井さんのようなオーラを出せる女優になりたいです。

 ただその一方で、未来の自分の姿を固定したくなくて。女優は一生続けていこうと決めていますが、いろんな新しいことにもチャレンジしたいです。たとえば、起業にも興味がありますし、自分に限界を作りたくはないです。

■インタビュー後記

白本さんとは「ワイドナショー」で共演していますが、ワイドナ高校生として、いつもしっかり自分の意見を話していた彼女が、私が夢中になって見ていたドラマ「最後から二番目の恋」の“えりなちゃん”だったことに気がついたのは、かなり経ってからのことでした。そういう意味では、「立派になって(涙)」と、勝手に感慨深いものを感じていました。そして彼女は、やはりすごくしっかりした考えを持つ18歳になっていました。“女版中井貴一”に、期待しかありません!いろんな経験を積んだ白本さんのオーラは、一体どんな輝きになるのか楽しみです。

■白本彩奈(しらもと・あやな)

2002年5月14日生まれ。東京都出身。ベラルーシ人の母親を持つハーフで、ロシア語も話すバイリンガル。フジテレビ系ドラマ「最後から二番目の恋」シリーズ(2012年、2014年)の長倉えりな役で注目を集める。また、Amazonプライムビデオ「仮面ライダーアマゾンズ2」、NHK-BSプレミアム「山本周五郎ドラマ/さぶ」、舞台「DECADANCE-太陽の子-」などでヒロインを務めた。フジテレビ系「ワイドナショー」でもおなじみ。公式Twitter(https://twitter.com/shiramotoayana)

フリーアナウンサー/芸能リポーター

群馬県生まれ。大学在学中にTBS緑山塾で学び、TBSラジオ「大沢悠里のゆうゆうワイド」で7年間アシスタントを務める。ワイドショーリポーター歴はTBS「3時にあいましょう」から30年以上、皇室から事件、芸能まで全てのジャンルをリポートしてきた。現在は芸能を専門とし、フジテレビ「ワイドナショー」、日本テレビ「情報ライブ ミヤネ屋」ほか、静岡・名古屋・大阪・福岡の番組で芸能情報を伝える。趣味は舞台鑑賞。

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