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NHKや大手新聞社など日本のメディアを海外の人達はどれほど知っているのだろうか(2019年公開版)

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 日本のメディア群は海外からはどの程度知られているのか。(ペイレスイメージズ/アフロ)

閉鎖的な業界スタイルの経年劣化のような現象や、新メディアの勢力拡大に伴う相対的な存在価値の低下で、大きな揺れ動きの中にある日本の従来型大手メディア。それらは海外からはどの程度認識されているのだろうか。今回は新聞通信調査会が2019年3月までに発表した、アメリカ合衆国やイギリス、フランス、中国、韓国、タイへのメディアに関する世論調査「諸外国における対日メディア世論調査」(※)の内容から、その実情を確認していく。

次に示すのは新聞を中心とした日本の大手メディアについて、諸国の人たちがどこまで認知しているかを示したもの。要は海外における知名度である。例えばNHK(ワールドTV、ラジオジャパンなど)はアメリカ合衆国では7.3%を示しているので、アメリカ合衆国ではNHKのことを知っている人は1割にも満たないことになる。

↑ 日本のメディアの認知度(複数回答)(2019年)
↑ 日本のメディアの認知度(複数回答)(2019年)

一見すると低い、知っているものは無いとの回答が高いように見える。しかし立ち位置を変えて、日本居住者からアメリカ合衆国やイギリス、フランスなどの各国の国内、あるいは海外にも展開しているかもしれない報道機関をどれだけ知っているかを考え直してみれば、この低い値は納得できるはず。日本でよく伝えられるCNNやBBCぐらいは認知しているかもしれないが(設問は「ご存知ですか」なので、内情を詳しく知らなくてもよい)。

一方、韓国は今回取り上げられている諸外国の中ではもっとも高い値を全部の具体的項目で示している。NHKが8割以上、共同通信社は6割強、時事通信社でも1/4強、読売や朝日のような大手新聞社なども3/4強が認識している。そしていずれも知らないとの回答は1割足らずでしかない。内容に関する評価はともあれ、多くの人が知っているのが分かる。あるいは電波系メディアなら場所によっては直接受信できるのも一因かもしれない(もっとも昨今ではインターネットを使えれば距離を感じること無く、各メディアの情報は取得できるのだが)。また中国も韓国に次ぐ高い値を全部の具体的項目で計上しており、日本のメディアを認知している人が多い実態が確認できる。

それではこれらの報道機関も含め、各メディアで日本のことが報道された際に、どの程度関心を抱くのだろうか。要は日本(の情報)に対してどれだけ興味があるかを確認した結果となる。

↑ 日本のことが報道されると関心を持つか(2019年)
↑ 日本のことが報道されると関心を持つか(2019年)

日本のメディアに対する認知度は今調査対象母集団では韓国が一番高いのだが、関心度は米英仏よりやや高い程度。ただし「とてもある」との強度の意見はもっとも大きな値を計上している。

日本のメディアに対する認知度は今調査対象母集団では韓国が一番高いのだが、関心度は米英仏よりやや高い程度。

その韓国を超える割合で強い関心を抱いているのがタイ。9割強が弱強度を問わずだが関心を評しており、否定派は1割足らずとの結果が出たのは注目に値する。他調査項目でもタイは日本への、特にエンタメ部門で強い関心を持っていることが明らかとなっており、興味深い話ではある。

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※諸外国における対日メディア世論調査

直近発表分はアメリカ合衆国、イギリス、フランス、中国、韓国、タイに対し、2018年11月から12月に行われたもので、アメリカ合衆国・フランス・韓国は電話調査、イギリス・中国・タイでは面接調査で実施されている。調査地域は中国・タイは都市圏、それ以外は全国。回収サンプル数は各国約1000件。グラフの年数表記は調査結果の発表年で統一している。過去の調査もほぼ同様の調査スタイル。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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