熱中症での救急搬送人数は1週間で511人(2019年9月30日~10月6日)
・直近週における熱中症による救急搬送人数は511人(2019年9月30日~10月6日)。
・年齢階層別では乳幼児が2.0%、少年が17.2%、成人が36.4%、高齢者が44.4%。
・地域別では大阪府の55人がもっとも多く、次いで埼玉県の38人。
総務省消防庁は2019年10月8日、同年9月30日~10月6日の1週間における熱中症による救急搬送人数が511人(速報値)であることを発表した。消防庁が確認している今年の累計人数は7万1452人(速報値)となっている。初診時に熱中症を起因とする死亡者は今回週では幸いにもゼロ人だったが、3週間以上の入院加療が必要な重症判定を受けた人は5人が確認されている。なお前年2018年の同時期における熱中症による救急搬送人数は6人(確定値)で、今回週の人数はそれと比べると505人多い。
昨年に続き今年の夏も法的拘束力のある電力使用制限令、または数字目標のある節電要請、さらに数字目標無しの節電要請ですら必要は無い。しかし震災から8年が過ぎた今なお、電力需給の観点で不安な状況が継続していることに違いは無い。
また2019年4月時点で気象庁が発表していた夏季予報では、平均気温はほぼ平年並みとなる可能性が高いとの話だった。降水量は全国的に多めとの予想とも併せ、熱中症リスクの観点ではいくぶんの安心感を覚えさせるものの、油断は禁物。他方、ここ数年は気温の上昇が早めに生じ、5月から、特にゴールデンウィーク前後において、熱中症で救急搬送される人が多分に確認されている。
消防庁では昨年と同じように今年においても、熱中症に係わる搬送者の調査とその結果報告について、5月初日が含まれる週の月曜となる4月29日から開始する形で、逐次報告を行うことになった(終了日は9月末日が含まれる週の週末)。
今回発表された各種値は今年の分としては第23週目のものとなる。現時点では速報値であり、今後逐次確定値に切り替えられることになる(確定値は速報値よりもいくぶんの増加が生じることが多い)。
地域別では大阪府の55人をはじめ、埼玉県の38人、東京都の33人、神奈川県・愛知県の27人などが上位についている。台風18号がもたらした温かい空気により各地で真夏日が観測されるなど季節外れの気温が観測されており、それが影響したようだ。
消防庁では今件熱中症の救急搬送者の統計ページにおいて、熱中症対策のリーフレットを配布している。また、関連省庁の熱中症に係わるページへのリンクも配し、さまざまな官公庁の対策状況や情報を確認できる。各自治体でも情報提供を展開中(一例:熱中症に注意しましょう(横浜市 健康福祉局))。
すでに暦の上では10月に入り、本格的な秋模様を覚える日々が続いている。消防庁の熱中症による救急搬送人数の発表も今年分は今回が最後となる。熱中症のことなど過去のものだとの認識もされつつあるが、自分自身だけでなく周囲の人も含め、油断は禁物。特に子供の集団行事では大人たちによる、子供に無理をさせない姿勢と十分な注意が欠かせない。引き続き知識、ノウハウを再確認し、自身の体力を過信せずに、さらには周囲への配慮も怠らず、熱中症への備えを心掛けてほしいものだ。
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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。
(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。
(注)地域別天候と気温のグラフにおける気温の文字の色で、赤文字は真夏日(日中最高気温が30度以上)、赤文字・枠囲みは猛暑日(日中最高気温が35度以上)を意味します。
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