【インコ】頭が良いセキセイインコは、世話をすればするほど言葉を覚える F家さん一家の物語
私の家族はみんな、小鳥が好きである。そもそも、親である私が、子どものころから手乗り文鳥、ジュウシマツ、スズメのひな(今は飼育できないが)、さらには「ひよこ」(その後ニワトリになった)まで育てていた。
遺伝なのか、私の子どもたちも小鳥が好きである。小学校になった頃には、それぞれにねだられ、ペットショップで各自が好きな鳥を選んで飼っていた。
そのなかで、もっとも飼育を続けたのが「セキセイインコ」である。子供たちが小学校の頃、長男は黄緑色の、次男は青色の、三男は白い色のインコを飼育していた。全員がとてもかわいがっており、毎日学校が終わると飛んで帰ってきていた。
インコのほうも、飼い主が帰ってきた時がわかるようで、それぞれのケージの端に寄って「ジュジュジュジュ~」と子どもたちを呼んでいた。
毎日、それぞれにつけた名前を呼んでいた。「ぴよちゃん」と呼び続けると、インコは「ぴよちゃん~」と自分の名前を憶えて声に出していた。また、私が子どもの名前を普段読んでいるところをおぼえて、「〇〇~」とインコが私の口調で子どもの名前を呼んだ時には家族で爆笑していた。
その後も家族それぞれが、インコに話しかけ、簡単なあいさつ、「おはよ」などをするようになった。3羽とも元気な時は、まるでインコ同士が井戸端会議でもしているように勝手にしゃべっていたこともあった。あの、小さな身体に、どれだけ優秀な頭脳があるのかと、感心していた。
インコたちは、かごから出してあげると部屋中飛び回り、飼い主の頭に乗って、頭をつついたり髪の毛をかじったり、時には肩や手にとまってフンをしたりなどしたが、それも楽しく、ご愛嬌であった。
子どもたちはたびたびいろいろな言葉を覚えさせようと、熱心に話しかけていた。その分、「むかしむかし~」など、驚くようなことまでしゃべってくれた。もちろん、すべて話せるわけでなく、単語のみであったが。
こどもたちは、鳥かごの掃除やフンの始末も積極的にやっており、飼い主として子供たちの責任感を育てることにも、インコたちは役立ってくれていた。
やがて、インコも数年たつと覚える言葉も少なくなり、身体も明らかに弱ってきて、最後は動きも少なくなり、1羽ずつ順に天国に飛び立っていった。子どもたちが小さいころの数年間、インコたちは楽しい思い出をくれたことを今でも懐かしく、また、感謝している。