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【京都市中京区】1日1組限定 錦市場の隠れた魅力をたっぷり堪能できる商店街ガイドツアーが面白い! 

HOTSUU地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

 約1300年前、平安時代に冷たく清らかな地下水に恵まれた錦小路に、京都御所への新鮮な魚を納める店が集まり始めたことが始まりとも言われる「錦市場」は、1615年(元和元年)に江戸幕府より「魚問屋」の称号を与えられてより、「京の台所にしき」として親しまれてきました。現在は、京都の一般家庭や和洋問わず一流料理人などの食材の宝庫としても重宝されている「にしき」ですが、インバウンドを始め、多くの観光客で賑わいをみせています。

 そんな「にしき」の隠れた魅力を知って、たっぷりと買い物や飲食を堪能してもらおうと始まっている京都錦市場商店街振興組合の公式ガイドツアーに2023年11月14日に同行させていただきました。この日行われたのは「錦の水を学ぶ」コースで、湯葉を扱う老舗「湯波吉」の見学も行われました。他に錦市場の食材で日本料理を提供する「斗米庵」でのランチコースもあります。

 ガイドは京都観光ガイド「山科旅感」の代表を務める東泰範さん(37)です。東さんは有名な「らくたび」の主催する「京都観光ガイド育成講座第6期」を卒業し、観光ガイドスタッフとして活躍した後に、現在は独立して山科地域を中心に京都に特化したガイドとして活動されています。

 東京でスポーツジムのトレーナーをしていたという東さんですが、京都へ帰還する際、「大好きな京都の魅力を広めるような仕事がしたい」と「らくたび」の門をたたいたといいます。独立当初、困難な船出を支えたのはやはり奥様だったそうです。今では、山科のみならず、旅行社や観光協会などを通して、京都全域からのガイド依頼がある人気ガイドとなりました。

 この日のツアーでは、390メートル約130店舗の中に京の食材がなんでも揃う市場で、だし巻きや新鮮魚介など江戸時代から続く特化した食材の専門店が軒を連ねる錦市場の魅力や京の信仰と食についてなど15分の間に「にしき」の知られていない魅力がぎゅっと詰まった圧巻の講座が行われました。筆者も知らない話がいっぱい。これはすごい! そしていよいよ市場内へ。

 「にしき」は、かの伊藤若冲の生誕地としても知られます。各店舗のシャッターなどにも若冲の絵が複写されています。東さんの解説で市場の天井に目をやると、アーケードにも見事なアートが描かれていました。

 江戸時代の寛政2年より錦市場のこの地で唯一「京ゆば」を造り続けている「京ゆば製造株式会社 湯波吉」では、越智元三代表取締役が自ら、伝統の京ゆばの歴史や製造方法について解説してくださいます。「消泡剤を使わず、豆乳から発生する泡を丁寧に取り除き、薄い膜を一枚一枚丁寧に竹の串を使って引き上げ自然乾燥させる創業以来の製法を頑なに続けている」のだそう。

 そして、このツアーの目玉は、公開されていない「降り井戸」が見学できること。東さんによると「錦市場の地下水は『錦の水』と呼ばれ、1年を通して15〜18度という水温を保っていました。降り井戸の中ほどには室(むろ)があり、錦市場の各店では、この水を利用し冷蔵庫のように生鮮食材を保存していたんですよ」といいます。

 最後に錦市場の鎮守の「錦天満宮」にお参りをしてツアーは終了です。福岡から参加したという女性は、「ワクワクする話がいっぱいでこれまでより楽しく市場散策ができます」と解散後、再び「にしき」に笑顔で戻っていきました。

 1日1組限定ですので予約必須です!

京都錦市場商店街振興組合(外部リンク)京都市中京区富小路通四条上る西大文字町609番地 075-211-3882

「山科旅感」(外部リンク)

地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

 「YAHOO!ニュース ベストエキスパート2024 地域クリエーター部門 特別賞」を受賞 京都をこよなく愛する地域ニュースサイト号外NETの京都市担当タウンクライヤ―です。四国から大阪の元地方紙記者。観光ガイドをしながら京都時空観光案内2024(観光ガイドのための京都案内マニュアル)全19巻や「やさぐれ坊主京を創る 前田玄以の生涯」(京都文学賞一次審査通過)はじめ、京都を題材にした小説なども執筆しています。

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