【京都市上京区】ジャパニーズジン蒸留家が新たなスタート「Motoki蒸研」のジントニックに感動!
こんにちは。まーちです。ぐっと秋めいてきました。来週にかけて京都市内の紅葉も見頃を迎えそうですね。
さて、皆さんはお酒の「ジン」を飲んだことはありますか?ここ数年はジンの人気が高まっていて、ジンソーダをスーパーや飲食店でもよく見かけるようになりました。
今回は、ジャパニーズジンの第一人者が手掛けるジンの蒸留所「Motoki蒸研」をご紹介します。
私が「Motoki蒸研」を知ったのは10月上旬。焼き菓子専門店wakkaを訪問した際に(wakkaさんの記事はこちら)、wakkaのお隣にある「Motoki蒸研」さんにご挨拶し取材を依頼。快く取材許可をいただき、11月上旬に「Motoki蒸研」代表である元木ヨイチさんにお話を伺いました。
ジャパニーズジンの第一人者である元木ヨイチさん
「Motoki蒸研」代表の元木ヨイチさんは東京豊洲のご出身。銀座のバーテンダーを経て、スコットランドへ。現地のウィスキー蒸留所で技師として経験を積み、帰国後はウイスキー等を扱う商社へ。その後、ジンを生産する「京都蒸溜所」の立ち上げに関わり、京都へ移住。ジャパニーズジンの元祖といわれる『季の美』の開発に携わりました。
『季の美』開発後は、世界的なコンテストで金賞を獲得した長野県「野沢温泉蒸留所」など日本各地のジン蒸留所の立ち上げに関わってきた元木さん。そんなジャパニーズジンの第一人者である元木さん自ら始めたのがこの「Motoki蒸研」です。
Motoki蒸研の蒸留所を見学
かつて平安京の聚楽第があった上京区の路地裏にある長屋をリノベーションした蒸留所で試作から蒸留、瓶詰めなどを行っています。
蒸留に使用する銅製のポットスチルは、蒸留所開設にあたり40年前のものを譲り受けたそう。ガスの直火で温度調整することができるタイプです。
また、この蒸留所設立にあたり裏庭には地下30mまでボーリングして新たな井戸を設置。蒸留の冷却には大量の水が必要だそうで、井戸があることで温度が一定の井戸水を豊富に使うことができているとのこと。京都の豊富な地下水が「Motoki蒸研」のジン造りに使われています。
インダストリアルジンへのこだわり
なお「Motoki蒸研」では「精密機器のように緻密で正確なジンを造る」という想いからクラフトジンではなく"インダストリアルジン"と定義。その製法を伺うと、本当に緻密で繊細です。
最初にコンセプトを決定し、風味をつける「ボタニカル」の候補を選定。小さなグラスの中でそのレシピ比率を考えます。
レシピ作りを何十回とトライした後に、小さな蒸留器を使用して実際に蒸留。その後も試作を何度も何度も繰り返し、ジンを完成させます。
そして、やっと完成したジンの量を測る際も温度や湿度で誤差が出やすいリットル計算ではなく、液体の密度を測る方法を採用して毎回正確な数値を取り、データ化しています。
ここまで細かく計画し蒸留するからこそ、毎回ブレのない、まさに”インダストリアルジン”が出来上がります。
元木さんと一緒にジン造りを担うのは、元木さんの息子であるコタロウさん。
コタロウさんは長野県「野沢温泉蒸留所」の蒸留技師として活躍後に「Motoki蒸研」へ合流。ご本人いわく「効率重視タイプ」だそうで、これまでの経験と共に、緻密な開発や生産データを基に「Motoki蒸研」のジン造りを担っています。
蒸留所3軒隣にあるショップへ
蒸留所を見せていただいた後は「Motoki蒸研」のショップへ。
「yumarrest」は造語!「旨すぎてタイホ」の気持ちをこめて
そんな元木さん親子によって造られたインダストリアルジンには「yumarrest(ヤマレスト)」という名前がついています。
この「yumarrest(ヤマレスト)」とは、「Yummy(美味しい)」と「Arrest(逮捕)」を組み合わせた元木さんの造語だそう。「旨すぎてタイホ」とユニークなネーミングでインパクトがありますね!
取材時には「yumarrest(ヤマレスト)」のシグニチャーである"オーディナリー”のシリーズの3種類をいただきました。
世界のジン造りでは小麦や大麦、トウモロコシなど穀物類をベーススピリッツとして、ジュニパーベリーや様々なボタニカルを加えて造られることが多いそうですが、「Motoki蒸研」のジンでは、お米を原料としたライススピリッツを使用しています。
オーディナリー
最初にいただいたジンは「Motoki蒸研」初のオリジナルジンであるオーディナリー。
オーディナリーは平凡や普通という意味で、ありふれた日常に溶け込むような繊細な優しさを表現したそう。ジュニパーベリーに加え、メインボタニカルには京都・京北産のヒノキ、桜の葉、八女の緑茶、瀬戸内レモン、そして山椒など、和の素材を中心に構成されています。
アルコール度数は45度ともちろん高いのですが、ジン初心者の私でも口あたりが優しくとても飲みやすかったです。
ベースとなるライススピリッツならではの「丸み」も感じ、口の中ではヒノキやレモンなどの香りがいくつも層になって広がりつつ、途中に桜の葉や山椒をふわりと感じます。ひと口飲むと豊かで満たされる気持ちになるジンですね。
オーディナリーKING
オーディナリーKINGは、先ほどのオーディナリーをベーススピリッツに使い、さらに同量のボタニカルを漬け込んで再蒸留したというプレミアムバージョン。
いただいてみると、オーディナリーよりさらに香りの奥行きが増しているように感じます。金箔入りで見た目も華やかなのでお酒好きな方へのギフトにもオススメです。
フレーバードスピリッツ ゲイシャコーヒー
そして、大徳寺北側にある「粉屋珈琲」焙煎のエチオピア産ゲイシャ種を使ったフレーバードスピリッツもいただきました。しっかりと珈琲の香りとフルーティーさを感じるスピリッツでトニックやソーダ割りはもちろんアイスクリームに合わせても美味しそうです。
オーディナリーのジントニックに感動!
3種類を試飲した後は「Motoki蒸研」イチオシのyumarrest オーディナリーを使用したジントニックをいただきました。
ひと口飲んだ瞬間に「美味しい!」と感動したオーディナリーのジントニック。ジンの持つ華やかな香りとトニックウォーターの爽やかさで飲み進めていってもずっと軽やか!お酒をいただいているのに、すっと身体に馴染んでいく感じが新感覚で、間違いなく私の人生で一番美味しいジントニックに出会いましたね。
今も、この記事を書きながら「あのジントニックがまた飲みたい」と思い出すほど。。。
皆さんにもこのジントニックをぜひ味わっていただきたい!と思うくらいオススメです。ぜひジン好きな方もそうでない方もテイスティングコーナーでお試しください。
寒い時期にはお湯割りもおすすめ
そして、最後に「ジンのお湯割り」もいただきました。
これまでジンをお湯割りするという発想はなかったのですが、こちらのジンはライススピリッツを使っているのでお湯割りでも美味しく、身体の芯まで温まってほっこり。
味わいは”焼酎のお湯割り”に近いと感じましたので、寒い冬にはジンのお湯割りもオススメです。
今回「Motoki蒸研」へ取材に伺い、元木さんご家族のジン造りへの情熱、そして新たなジンの楽しみ方をいくつも知ることができました。「Motoki蒸研」の皆様、取材対応いただき誠にありがとうございました。
Motoki蒸研の蒸留所併設ショップは13〜18時(火曜・水曜は定休日)の営業です。この秋は京都の紅葉めぐりと合わせて、Motoki蒸研のジントニックやジンお湯割りをぜひ味わってみてくださいね。
Motoki蒸研
住所:京都市上京区下立売通七本松東入長門町414
電話:075-366-0779
ショップの営業時間:13:00-18:00
定休日:火曜日・水曜日
公式ウェブサイト
公式Instagram
※ショップにてテイスティングされる場合は、20歳以上の方のみ。自動車やバイク、自転車等の運転は控え、各種公共交通機関をご利用ください。
取材協力&画像提供:Motoki蒸研
※本取材ではMotoki蒸研さまのご協力により、蒸留所見学並びにジン試飲をさせていただきました。本記事制作にあたってはガイドラインに基づき公平中立に制作しています。