【名古屋市緑区】名古屋を再発見!教科書には出てこないディープな歴史スポット3選
戦国時代の三英傑を輩出し、有松などに代表されるように東海道の要所として繁栄した愛知県。しかし、歴史の教科書に登場するのはその一部で、隠れた歴史スポットが名古屋市内に点在しているのはご存知でしょうか。
名古屋の歴史や文化を紐解ける、意外と知られていないディープなスポットでは、壮大なドラマに思いを馳せたり、独特の世界観に感銘を受けるなど、ロマンで溢れています。今回はそんな名古屋の中から、緑区の歴史名所を厳選してご紹介していきましょう。
千鳥塚
緑区星崎にある千句塚公園。この名称の由来には、文化的な背景があります。実は、松尾芭蕉が当地で開いた千句会にちなんで"千句塚"となっているのです。
公園の一角には碑文が安置されていますが、これは、貞享4年(1687)冬11月、寺島安信宅での歌仙「星崎の闇をみよとや啼く千鳥」の巻が、満尾(終わりになること)した記念に建てたもの。
文字は芭蕉の筆、裏面には連衆の名、側面に興行の年月が刻んである。芭蕉が生きている間に建てられた唯一の翁塚(芭蕉句碑)であり、俳文学史上稀有の史跡と言えるでしょう。高台の地形から、俳句に読まれた世界観を連想されてくれます。
<千句塚公園>
住所:愛知県名古屋市緑区鳴海町三王山
アクセス:地下鉄桜通線「野並駅」から徒歩約20分
有松の町並み
かつて日本の大動脈として発達した東海道。「有松の町並み」は、池鯉鮒宿(ちりゅうのしゅく)と鳴海宿(なるみしゅく)の間に設けられ、尾張藩の庇護下された伝統工芸「有松絞」で繁栄した間の町(宿場町の間にある町のこと)です。
「有松絞」とは、独自の絞り染め技法で織られる伝統工芸。かつて東海道有数のお土産として一世を風靡したことで知られ、歌川広重の東海道五十三次にもその様子が描かれています。
有松の魅力は、江戸時代の町並み景観が今なお受け継がれているということ。豪壮な絞り染め問屋の邸宅から、有松絞りの繁栄ぶりが伺えます。彩り豊かな有松絞の工芸品を購入するのも楽しいですよ。
<有松の町並み>
住所:愛知県名古屋市緑区有松809
アクセス:名鉄・有松駅からすぐ
細根山緑地
有松の町並みにも近い小さな「細根山緑地」。今は竹林が生い茂る住宅街の裏山となっていますが、実はかつて、地元の豪商下里(しもさと)家の別荘であり、かの有名な松尾芭蕉も訪れた名園が存在しました。
千句塚公園もそうですが、緑区周辺には松尾芭蕉の足跡を感じられる場所が多いですね。
そんな「細根山緑地」。江戸時代中期には、特に景観の優れた場所が細根十四景として命名されました。緑地の中心部にある妙音池もその一つで、名古屋市内でヒメボタルが生息する貴重な場所です。日陰が作る景色変化を楽しみつつ、爽やかに散策できます。
<細根山緑地>
住所:愛知県名古屋市緑区鳴海町細根84-4-31
時間:24時間
備考:杭があって駐車できないことがあります。自転車か徒歩で訪れるのがオススメです
いかがでしたでしょうか。少しディープですが、地元を再発見できる歴史名所が名古屋には多くあります。ぜひアンテナを張って町中を探検してみてくださいね。