コロナ禍で冷凍食品を使う機会は増えたのか、それとも減ったのか
多様な種類が販売され、多くの人には食生活の上で欠かせない存在となりつつある冷凍食品。他人との飲食、さらに外出も自粛することが望ましいとされるコロナ禍で、冷凍食品の需要にはいかなる変化が生じたのか。マルハニチロが2021年10月に発表した「冷凍食品に関する調査2021」(※)から、その実情を確認する。
コロナ禍においては感染リスクの観点から外食がひかえられるようになり、これまであまり自炊をしていなかった人や自炊する機会が増えた人にとっての助け舟的存在として、また買い物のための外出頻度を減らすために長持ちする食材という点で、冷凍食品の需要はこれまで以上に高まりを見せている。
コロナ禍以降に冷凍食品を利用する機会が増えたかと明確に尋ねてみると、全体では46.0%の人が増えたと答えている。以前から変わらずなのか、減ったのかは別として、増えてはいないという人は54.0%。
全体では46.0%が「非常にあてはまる」「ややあてはまる」からなるあてはまる派。半数近くの人が、コロナ禍で冷凍食品の利用機会が増えたとしている。
属性別動向を見ると、男女ともに若年層の方が当てはまる派の割合は大きい。これまで外食を利用していた人が、コロナ禍で自粛が求められたことで内食にシフトし、その際に冷凍食品を利用するようになったのだろう。特に30代女性は6割近くの人があてはまる派で、そのうち18.4%が「非常にあてはまる」。
それでは具体的に、コロナ禍で購入する機会が増えたのはどのような冷凍食品なのだろうか。もっとも多くの人が対象に挙げたのは焼き餃子で、調査対象母集団全体比としては19.7%にも達した。なおグラフの項目は全体における上位陣の順番を優先する形で並んでおり、空白部分は値が非公開となっている。
トップは男女ともに焼き餃子。おかずとしても、おつまみとしても用いることができ、量の調整もしやすく、何より美味しい。自分で材料を包んで美味しく焼くのには結構な手間と技術が必要だが、冷凍食品ならばフライパンで焼く、あるいは電子レンジで加熱するだけ。コロナ禍での内食化にあわせて、焼き餃子を選択するのも分かる気がする。
次いで多いのはチャーハン、そしてから揚げ。冷凍食品では焼き餃子と並び定番アイテムではあるが、回答者自身だけでなく家族の分も併せて料理する必要があることを考えると、子供が好きそうなものなのも人気の理由の一つなのだろう。
男女別ではトップの焼き餃子、それに続くチャーハン、から揚げの並びは男女で変わりはないものの、第4位以降では違いが生じている。女性はブロッコリーが第6位に入っているのをはじめ、枝豆・茶豆やほうれん草など緑系の食材が複数上位に入っているのが特徴的。普段の食生活が反映されているのだろうか。
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※冷凍食品に関する調査2021
2021年9月14日から15日にかけて20~59歳の男女に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は予備調査(全体)が1466人・本調査(月1日以上冷凍食品を利用する人)が1000人。男女比、10歳区切りの年齢階層別でそれぞれ均等割り当て。過去の調査もほぼ同じ条件で実施されている。
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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。
(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。
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