《まもなく営業終了》相鉄線・横浜駅構内「星のうどん」さん、38年の歴史に幕【横浜市西区】
横浜市地域情報クリエイターのみうけんです!
相鉄線の横浜駅は、1日に32万9228人(2022年の平均:相鉄グループハンドブック69ページより)もの乗降客が乗り降りする、神奈川県の一大ターミナル駅です。
筆者も高校生となって電車通学を始めた平成初期から、現在に至るまで利用させていただいている思い入れの深い駅です。
そんな相鉄線横浜駅構内で、雨の日も雪の日も、部活で疲れた空腹を温かいうどんで満たしてくれた思い出深いお店。
そう、相鉄線横浜駅を利用される方なら誰もが知っていることでしょう。
今回紹介させていただくのは、この相鉄線横浜駅で永らく営業されてきた、「星のうどん」さんです。
なんと、この「星のうどん」さんが2024年3月いっぱいで閉店されてしまうという・・・。
風の噂をキャッチして、居ても立ってもいられずに真偽を確かめにやってまいりました。
この「星のうどん」さんは、正面入り口が相鉄線改札内にあるので入場券を購入して入場。
(駅構内の撮影については駅員さんに一声かけさせていただいております)
さっそくお店の前にいくと、なるほど閉店の張り紙が。
確かに、2024年3月31日をもって閉店と書かれています。
なんと悲しいことでしょう。
この張り紙には、1986年開店とありますよね。
単純に差し引いても38年の長い間、多くの方々に愛されてきたという事ですからすごい事です。
この券売機ももうすぐ見納めとなろうかと思うと、淋しい限りです。
たくさんのメニューがある中で、いつも食べていたメニューを2回に分けて食べ納めにやって参りました。
◆ごぼう天うどん(530円)
◆かしわ飯(220円)
これは、若い頃から毎回のように食べていた定番のメニュー。
友人からは「シブい」と言われますが、いいんです、好きですから。
ちなみに、現在は薄切りのごぼうをかき揚げにした物が乗っています。
若い頃は、キンピラに入れるようなゴボウの細切りを使ったかき揚げで、ジャキジャキとした食感が好きでした。
この「星のうどん」さんは、まず「お出汁」にこだわりがあります。
北海道産の羅臼昆布と5種類の魚(煮干・鰹節・宗田節・鯖節・ムロアジ節)の出汁を合わせた秘伝の博多出汁は、麺がなかったら丼の底まで透けて見えるのではないか、と思うほどのクリアな「お出汁」。
飲んでみると、じんわりと優しく、そして力強い味わいで、「つゆ」ではなく正に「お出汁」。
全部飲み干しても罪悪感のない、あっさりとしながら旨味の活かされた「お出汁」です。
麺は、讃岐うどんを思わせる自家製麺。
店内をよく見ると大きな製麺機があり、トコロテンのように打ち出された麺が次々と大釜に入っていくところを見るのが好きでした。
コシもあり、もっちりとして、しっかりとした太さもあります。
ツルツルと食感の良いうどんは、打ち立て・茹でたてならではの美味しさです。
「かしわめし」は、鶏肉の炊き込みご飯のこと。
もともと仏教国であったうえに、生類憐れみの令が出された江戸時代の日本では、食肉は禁忌とされてきました。
しかし、美味しいお肉を食べたいのは世の常人の常。
そこで、まさに苦肉の策とも言えますが、
イノシシ肉=ぼたん
シカ肉=もみじ
ウマ肉=さくら
鶏肉=かしわ
と植物名で呼ばれるようになったという事です。
さて、その名残となる「かしわめし」ですが、こちらもしっかりとお出汁が効いた炊き込みご飯。
鶏肉、ごぼう、油揚げが入り、時折まざるオコゲが香ばしく、昔も今も変わらない美味しさです。
1日目はこの2品でお腹いっぱいになってしまいましたが、さらにもうひとつ。
食べおさめしておきたいメニューをもとめて、後日「星のうどん」さんへ。
1日目は相鉄線改札から入場券を買って、正面入り口から入りましたが、裏側の飲食店街がわの入り口は入場券がなくても利用できます。
2日目に食べたのは、こちらも青春時代の思い出のメニュー。
◆げそかきあげうどん(550円)
うどんとお出汁はいつもと一緒ですが、大きなかき揚げが乗っています。
サクサクなかき揚げには、ゲソのブツ切りがたっぷり。
優しくも力強いお出汁、もっちりとして食感のよいうどんは健在。
この美味しさがもうすぐ食べおさめと思うと、悲しいものです。
この「げそかきあげ」は、高校生の頃に週に3回は食べていました。
それだけ好きだったのですが、今思うと他のメニューも試しておけばよかったな、と思います。
ザクザクとしたかき揚げの中には、むっちりとしたゲソがたっぷり。
噛めば噛むほど弾力がはじけ、旨味があふれる、まさにこの「星のうどん」さんならではの美味しさです。
この日も多くの方々によって席が埋まっていた「星のうどん」さん。
このゲソの旨味と食感を存分に楽しめる、関東では珍しいゲソかき揚げは永遠の青春の味となるでしょう。
◆◇◆後記◆◇◆
今回は、いつも紹介するような「これから発展してほしいお店」ではありません。
お店に対する「今までありがとう」という、異例の記事となりました。
実際、この日も閉店の噂を聞きつけたお客様たちが、また日常の食事として活用されている方達が、たくさん詰めかけていてお店は満員に近い状態でした。
お店の方によると、閉店のお知らせをした時から多くのお客様で賑わうようになっているとの事でした。
みうけんも、血圧の事はさておいても、今生の別れとなるかも知れないこの味を一滴残さずに味わって飲み干させていただいました。
この、多くの相鉄線利用者の方の心と胃袋を満たしてきた「星のうどん」さん。
閉店の3月31日まで、まだ少しだけ時間があります。
ちなみに、気になる閉店の理由ですが、聞いたところ明確なお答えはありませんでした。
きっと、お店の方も断腸の思いなのでしょう。
また、二俣川にある「星のうどん 庵」さんは引き続き営業をされるとの事でしたから、「星のうどん 庵」さんも試してみねばなりませんね。
青春時代でも、今現在でも。
たった一回の人生のうちの、大切な一食一食の思い出がこの「星のうどん」さんにあるのであれば、最後の思い出に訪問されておくのも良いのではないかと思います。
ご訪問は、お早めに!
星のうどん (Rettyページ)
045-316-4569
横浜市西区南幸1-5-24 相鉄線横浜駅
※お店の情報・メニューなどは予告なく変更となる場合があります。
※最新情報は公式Instagramをチェックしてください。
※レビューはあくまでも筆者の嗜好によるもので、皆様のお好みとは異なる場合があります。
※この記事はお店の方の許諾を得て掲載させていただいております。