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運動会で自信を持って走れる「かけっこの極意10か条」

朝原宣治五輪陸上メダリスト
セイコーゴールデングランプリ陸上2018大阪 4×100mR(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

東京五輪で金メダルを見据えて

 先日、セイコーゴールデングランプリ陸上2018大阪でリオ五輪銀メンバーが再びバトンをつなぎ、この時期には驚異的な好タイムで優勝した。リオ五輪以降、このメンバーと走順ではバトンパス練習や試合を行っておらず、本大会に向けて言わばぶっつけ本番で臨んだレースであった。それにも関わらず、まるでブランクなどなかったかのようなスムーズなバトンパスが実現した。

 選手たちも口にする「信頼関係」や「あうんの呼吸」というのは日本リレーの強みだ。それらが醸成される要因として、日本の文化である運動会でのリレー経験が挙げられるのではないかと思う。ジャマイカにスプリンター文化が根付いているように、日本も子供の頃から親しめるリレーやかけっこ文化をもっと広めていきたい。

 今大会でのリレーは東京五輪に今一番近いチームや将来的に日本代表になりそうなチーム、大学チームなどが海外チームと争う素晴らしい企画であった。この様に選手に良い機会を与え、トップ選手への憧れや未来へのビジョンを見せることが、東京五輪さらにはその後のレベルアップや競技繁栄を生んでいく。

速く走るために

 日本人の走りが速くなっていることや国際大会リレーでメダルが続いているが、先述したようにその原点は運動会にあると思う。そこで、運動会で今の自分より速く走るための「かけっこの極意10か条」をここに提唱したいと思う。

その1   日頃から早寝早起きを心がける

(運動会当日に疲れが溜まっていたり、体調が悪いと良い走りはできません。)

その2   日頃から運動を継続して行う  

(走りは運動会当日に突然速くなることはありません。当日にしっかり走れる体力をつけましょう。)

その3   日頃から3食しっかり食べましょう

(理想は炭水化物・脂質、タンパク質、ビタミン・ミネラルなどをバランスよく摂取しましょう。)

その4   前日、緊張してあまり眠れなくても、目をつむってジッと横になっておきましょう

(1日くらい寝られなくても十分に走る体力がついていたら大丈夫です!)

その5   当日、朝起きて緊張していたら、日光を浴び新鮮な空気を吸って散歩をしましょう

(深呼吸してリラックスしながら体をほぐして気持ちを落ちつけよう。)

その6   スタートするまでと走ってからのイメージを描いてみましょう

(急に順番が来て心の準備が整わないと落ち着いて走れません。)

その7   緊張したら喜びましょう

(緊張するのはやる気のある証拠。「しめしめ」と思いましょう。)

その8   走る順番が来るまで、体を動かしてリラックスしましょう

(緊張などで体がこわばったままスタートラインにつかないようにしましょう。)

その9   靴の紐をしっかりと結びましょう

(自分に合った靴を履く。しかし、走るのは靴ではなく自分の足です。)

その10 自信を持って無心で走るだけです

(もう隣の人や自分の調子を気にしても仕方がありません。)

五輪陸上メダリスト

2008年北京五輪陸上リレーで男子史上初の銅メダルを獲得。100mの日本記録を3度塗りかえ、4度の五輪と6度の世界選手権に出場した。引退後は陸上クラブNOBY T&F CLUBを設立し、子どもの健全育成から高齢者の健康づくりに尽力。陸上競技指導や解説、講演活動のみならず、スポーツによる健康力の高い活力あるまちの創造を目標に活動の幅を広げている。

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