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2023年用の当初発行枚数は16億4000万枚…年賀葉書の発行枚数などの実情

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
気持ちを込めて手書きの年賀状(写真:アフロ)

初年は1949年の約1.8億枚、ピークは2003年の約44.6億枚

日本郵便は2022年8月31日、2022年用年賀葉書(はがき)などの当初発行枚数を発表した。その値などを基に、日本郵便(かつては郵政公社)が発行している、年賀郵便用の年賀葉書の発行部数の実情を確認する。

日本の郵便行政における年賀葉書の発行は戦後、1949年発行・1950年用のものが初めて(年賀郵便用の年賀切手は戦前から発行されていた)。その当時の発行部数は1億8000万枚。以後日本の経済復興、人口の増加に伴い枚数を漸増させながら、1964年には10億枚、1973年には20億枚を超える。その動向をまとめたのが次のグラフ。直近の動きを分かりやすくするため、今世紀に限ったグラフも併記した。

2022年発行・2023年用の年賀葉書に関しては、2022年8月31日付で発表された【2023(令和5)年用年賀葉書などの発行および販売】にある通り、16億4000万枚となる。ちなみに2022年用の当初発行枚数は18億2536万枚だった。

↑ 年賀葉書発行枚数(万枚)
↑ 年賀葉書発行枚数(万枚)

↑ 年賀葉書発行枚数(万枚)(2001年以降)
↑ 年賀葉書発行枚数(万枚)(2001年以降)

ピークは2003年の44億5936万枚。それ以降は多少の起伏を見せながらも漸次枚数は減少。直近14年間は連続で前年比マイナスを記録しており、2022年発行・2023年用は前年比でマイナス約10.2%(当初発行枚数で比較)。

前年比でプラスを示した最後の年となった2008年は、年賀状印刷に愛用された個人向けの小型印刷機シリーズ「プリントゴッコ」のメーカー販売が終了した年であり、年賀葉書の今後の動向を象徴する出来事の一つであったかのように思えてくる。

人口あたりの枚数を算出

「人口は漸減状態にあるのだから、年賀葉書の需要が減るのも当然では」との意見もある。そこで各年の総人口を総務省統計局の人口推計から抽出し、その人数で年賀葉書発行部数を割った値、つまり「日本にいる人全員が年賀葉書を購入した場合、一人あたり何枚になるのか」を算出したのが次のグラフ。

↑ 年賀葉書一人あたり平均枚数(枚)
↑ 年賀葉書一人あたり平均枚数(枚)

もう少し起伏に富んだグラフを期待していたのだが、実際には年賀葉書の発行部数推移とほとんど変わらない形のものが形成されてしまった。これは人口推移そのものが短期間では急激な変化を示しているわけではないことに起因する。そしてピーク時も発行枚数と同じく2003年で平均枚数は34.9枚。直近2022年発行・2023年用分は13.1枚(当初発行枚数で計算)となる。

この「人口」には年賀状を出せない乳児など、そして年賀状を出さない人も含まれている。年賀状を出す人に限れば、一人あたりの平均購入枚数はもう少し上乗せされるはずである。ただし企業などでまとめて出す場合も多々あるため、一般個人としての平均値は、やはり上記算出値程度になるのかもしれない。

インターネットの普及率が今後も上昇を続け、デジタルネイティブ世代が次々と成人化するに連れ、年賀葉書の需要は今後も減少し、発行枚数も減らさざるを得ない事態が続くものと考えられる。時代の成り行きとはいえ、寂しさを覚える人もいるだろう。

一方、昨今ではインターネット経由で直接住所や名前を知らない、ネット上の知り合いにも紙の年賀葉書を出せるサービスが複数提供されている。切り口次第では、年賀葉書の需要の底上げになるかもしれない。

2022年発行・2023年用の年賀葉書に関するお年玉賞品の具体的ラインアップは次の通り。

●1等(下6けた)…100万本に1本

 現金30万円、または電子マネーギフト31万円分、または2022年発行特殊切手集と現金20万円

●2等(下4けた)…1万本に1本

 ふるさと小包など

●3等(下2けた)…100本に3本

 お年玉切手シート

2023年用年賀葉書の販売は2022年11月1日から2023年1月10日まで(インターネット通販での予約・販売受付は2022年10月24日から12月23日)。

なお年賀郵便の受付開始は2022年12月15日。日本郵便では12月25日までに投函することを勧めている。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

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グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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