全国から国家戦略特区が集結。ニッポンの景色はどう変わるのか。
国家戦略特区キーパンソンが全国から集まりシンポジウムを行う
アベノミクス第三の矢の最大の目玉である「国家戦略特区」がいよいよ実働に向けて動きつつある。6か所の区域が正式に決まり、この1~2か月の間に、それぞれの特区で、具体的に何をやるのか、プランと体制づくりが急ピッチで進められることになる。こうした中、万年野党で、この国家戦略特区で主要な関係自治体の知事・市長、国の特区政策のキーパーソンを全国からお招きし、今後の展開と課題を議論する。
現段階での登壇予定は、ジャーナリストの田原総一朗氏、オリックスの宮内義彦氏、竹中平蔵氏、八田達夫氏、チャールズ・レイク氏。自治体からも、黒岩祐治 神奈川県知事、松井一郎 大阪府知事、篠田昭 新潟市長、高島宗一郎 福岡市長などの参加が決まっている。
こうした錚々たるメンバーで、第一部 「国家戦略特区 全般の現状と課題」、第二部 「農業、地方と国家戦略特区」、第三部 「グローバル都市拠点と国家戦略特区」と3部構成で、徹底的に議論する。
国家戦略特区シンポジウム徹底議論! ニッポンの景色はどう変わるのか ~知事・市長、国の特区政策の関係者が集結~
参加者:田原総一朗 ジャーナリスト
宮内義彦 オリックス会長/グループCEO
黒岩祐治 神奈川県知事
松井一郎 大阪府知事
篠田 昭 新潟市長
高島宗一郎 福岡市長
秋池玲子 ボストンコンサルティンググループパートナー&マネージングディレクター(特区諮問会議民間議員)
秋山咲恵 サキコーポレーション代表取締役社長(国家戦略特区WG委員など)
竹中平蔵 慶応義塾大学総合政策学部教授/特区諮問会議民間議員など
八田達夫 大阪大学社会経済研究所招聘教授/特区諮問会議民間議員など
チャールズ・レイク アフラック日本における代表者・会長
ほか
内容: 第一部 「国家戦略特区 全般の現状と課題」
第二部 「農業、地方と国家戦略特区」
第三部 「グローバル都市拠点と国家戦略特区」
日時: 5月31日(土)16時―19時
場所: アカデミーヒルズ(六本木ヒルズ内)
言語: 日本語(英語通訳あり)
主催: NPO法人万年野党 協力: アカデミーヒルズ
参加費:3千円(ただし、万年野党会員は無料)
70人も立ち見になった農業国家戦略特区シンポジウム
NPO法人 万年野党では、今回の国家戦略特区シンポジウム『徹底議論!ニッポンの景色はどう変わるのか ~知事・市長、国の特区政策の関係者が集結~』に先立ち、区域指定が決まった直後の4月19日に、シンポジウム『養父市の挑戦 ~国家戦略特区で日本農業はどう変わるか?』を御茶ノ水駅前のワテラスで行った。竹中平蔵(慶應義塾大学総合政策学部教授、産業競争力会議民間議員、国家戦略特区諮問会議民間議員)、新浪剛史(株式会社ローソン代表取締役社長CEO、産業競争力会議民間議員)、広瀬栄(養父市長)、岡本重明(農業生産法人新鮮組代表取締役)、磯山友幸(経済ジャーナリスト)といったメンバーで行ったこのシンポジウム。当日会場には、経済界、経営者、自治体関係者、マスコミはじめ、200数十名の方々が集まり、立ち見になってしまう方が70名以上になり、さらにお断りする程の応募者が出た。
会場とのやり取りの中で、専門家から外国人投資家の現状として、日本の改革が本当に進むか分からない中で、「結果を見せろ」と、日本の今後の経済成長戦略の中でも国家戦略特区に注目している人達がいるとの意見が出たが、養父市という人口約2万6千人のまちに大きな関心が集まった。
今回は、その当日の様子について、報告する事にしよう。
唯一の成長戦略は、民間部門の規制緩和
冒頭の基調講演で、竹中平蔵氏のから経済成長について、打ち出の小槌みたいなものはない。成長戦略があるとすれば、民間部門の規制を緩和する事位しかなく、公共料金などその負担を軽減してやる事、規制緩和と法人税減税が肝だ。これを外した経済成長はない。しかし、日本には岩盤規制と言われる規制があり、永年、この規制と政治勢力がビクともしない。その突破を何とかしなければ成長戦略は出来ない。世界銀行が出している規制に関する世界ランキングでは、日本は現在47位で、これを20位、さらに10位と上げて行かなければならない。そんな思いから提案したのが、新しいタイプの特区、国家戦略特区だ。農業についても、日本の国土面積の1/9しかないオランダは、世界第2位の農産物輸出国であり、日本はそういう国になれるかだ。と始まった。
今回の農業特区の舞台となる養父市の広瀬栄市長からは、養父市は中山間地域で広大な地域があり、担い手も高齢化も進み、厳しい経営状況にある。増えている耕作放棄地など新たに生まれた農地の活用や、高付加価値化して都市や海外に販売する事で、地域の農業を産業として維持する仕組みを作る事が、特区提案の大きなもの。農地移転を行政に移管する事で、農地の流動化を早くし、経営規模の拡大、企業や農業生産法人の参入も容易になる。と現場の想いが語られた。
もう1人の当事者である岡本重明氏からは、現場で農業やっていると、全然儲けがない。例えば60kg11,500円で買われるお米を、おにぎりにして売れば1個100円でも14万円になる。農民が商品まで作っていったらもの凄い利益率に変わる。農作物にばかり目がいきがちだが、イミテーションや調理をする事自体が日本人特有の微妙なもの。お婆ちゃんの微妙な味加減などもの凄い。それを地方で農家の人達が中心になり伝統料理をまたパンやピザにもして売ればいい。日本には最先端の冷凍技術もある。オンリーワンの日本弁当を作ればと思う。と、高付加価値化の必要性を訴えた。
産業競争力会議民間議員として農業分野に関わってきたローソンの新浪剛史氏も、「農業を守ろう」から、「どうやって発展させよう」への転換が重要であり、今回の農業国家戦略特区の可能性は、農業をやりたい、農業に付加価値付けたいというやりたい人がやれる様になる事。国内のマーケットもまだまだある。農業の中にもっと競争を起こしていく事が重要であり、競争を起す環境を作る必要がある。また、日本の農地の4割がある中山間地域対策は、今の政府にも綺麗な環境を守るというものしかなくアイデアがない。養父市は何かしら使ってこういう事が出来るのではないかという提案だったので、何か面白い事がと応援したい。
また、成長戦略についても、中央の支配が問題。地方経済を活発化させるのが非常に重要になってきている。これまでは、すぐ補助金となった。北海道から沖縄まで中央官庁が決めた事をやってもダメ。今回の事例で、「やってみたい」「経済成長したい」という様な事は、上からではできない。と話した。
農業に関しては養父が改革拠点になって、バーチャル特区、地理的な特区でなくバーチャルな特区として、養父市も別なところと競争してもらいたい。今回の国家戦略特区指定では養父市に2つの事に期待している。1つは養父市の中でどのようなイノベーションが起きるか。民間とのダイナミックなものや、農業の分野で成果。もう1つ、養父で行われた事で、この規制を直さなければというものをどんどん出してもらい、諮問会議で総理に言って、政策を進化させていくという面でも新たなモデルケースになってもらいたい。という話になった。
このシンポジウム『養父市の挑戦 ~国家戦略特区で日本農業はどう変わるか?』の当日の動画や資料については、NPO法人「万年野党」の公式ホームページの中で会員専用ページに公開しているので、是非、合わせてご覧いただければと思う。
日本初!野党やマスコミに変わる「政策NPO」“結党”の歴史的瞬間に参加を
NPO万年野党では、今回紹介した国家戦略特区に関わる問題の他、様々な政策提言や政策に関する多角的な指摘を行うと同時に、国会議員の評価など、この国の「政策」を取り巻く様々な環境や仕組みを変えていこうと取り組んでいるところだ。
先日も、ご紹介したが、5月26日に、いよいよこのNPO法人「万年野党」“結党”大会、「国会リストラ会議」を行う。
田原総一朗氏、宮内義彦氏、竹中平蔵氏、高橋洋一氏、磯山友幸氏、原英史氏に加え、新たに、作家の堺屋太一氏、野村修也 中央大学法科大学院教授・弁護士、ロバート・フェルドマン モルガン・スタンレーMUFG証券(株)・チーフエコノミスト、八代尚宏 国際基督教大学客員教授、橘川幸夫 デジタルメディア研究所所長などの参加も決まった。
『国会議員三ツ星評価』などの『三ツ星国会議員』の表彰も行う予定であり、塩崎恭久 元官房長官・衆議院議員・自民党、柿沢未途 衆議院議員・結いの党、中西健治 衆議院議員・みんなの党らに参加していただく事になった他、さらに三ツ星議員などにお声掛け中だ。
NPO法人「万年野党」役員でもある竹中平蔵氏、岸博幸氏からのメッセージ動画も紹介しておこうと思う。
是非、一人でも多くの方に、この瞬間に立ち会って貰えればと思っている。
岸博幸氏メッセージ動画【野党やマスメディアの変わりに新たな組織を結党。歴史的イベントに是非参加を】
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事務局長 高橋亮平
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