アメリカのホームレス事情:2024年に過去最高数を記録、トランプ政権下でホームレス排除の動き強まる
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■ホームレスの潜在予備軍は約850万世帯/■政府調査で過去最高のホームレスが存在している/■ホームレス増加の実態と要因/■誰がホームレスになっているのか/■最高裁はホームレス排除する「キャンプ禁止条例」を支持/■ホームレスは不法侵入罪で懲役刑と罰金が課せられる/■トランプ政権のホームレス政策
■ホームレスの潜在予備軍は約850万世帯
2024年12月22日の早朝、ニューヨークの地下鉄に乗っていた一人の女性が殺害された。彼女は椅子に座って居眠りをしていたところを、犯人から洋服に火を付けられ、炎に包まれて死亡した。多くの人は目の前で焼死する女性を傍観し、スマホで写していた。ニューヨーク市警本部長は「ある人物が他の人間に対して犯し得る最も卑劣な犯罪を実行し、善良な人の生命を奪った」と語ったほど凄惨な犯罪であった。
被害者は57歳のホームレスの女性であった。ニューヨーク・タイムズのホームレス担当記者が、彼女がなぜホームレスになったか調査した。彼女はニュージャージー州の小さな町に生まれ、人々に愛された少女時代を送った。家族や友人と海外旅行を楽しんでいた。典型的な中産階級の少女であった。
理由は不明だが、2000年代初に彼女の人生は変わった。家族との関係は切れ、2023年の秋に彼女はホームレスになった。市のホームレス支援団体は彼女に支援を申し出たが、彼女は拒んだ。殺害された時、彼女は約9万ドルの借金を抱え、800ドル相当の中古車と300ドル相当の布団を持っているだけだった。彼女は中古自動車の中で寝起きしていたのであろう。
どんな人でもある日、突然にホームレスになる可能性がある。様々な理由で住む家を失ったとき、人はホームレスになる。カリフォルニア大学サンフランシスコ校が行った調査『Towards a New Understanding: The California Statewide Study of People Experiencing Homeless』(2023年6月)では、ホームレスになる最大の理由は「家賃を払えない」からであると指摘している。現在、アメリカでは住宅価格は高騰し、家賃も上昇している。だが賃金は思ったほど上昇しない。
ホームレスになる6か月間の中位所得は1400ドル(1ドル=155円換算で21万7000円)で、家賃は700 ドル(10万8500円)あった。所得の半分が家賃で消える。約850万所帯が年収の半分以上を家賃に費やし、食糧費を切り詰めている。この世帯は潜在的なホームレスである。何等かの理由で所得が減るか、失業すれば、間違いなくホームレスになる。
カリフォルニア州ロングビーチ市のモーテルで4人の子供を連れて生活をする45歳の女性は、ホームレスになった状況を次のように説明している。ドメスチック・バイオレンスで恋人を別れ、家を出た。そして仕事の労働時間が短縮され、収入が減り、経済的に追い詰められた。しばらくの間、自動車の中で寝泊まりしていた。しかし自動車が壊れ、車で生活することができなくなった。通勤で使う車がなくなり、バスの便もなく、朝5時から始まる仕事に行けなくなった。そのため仕事を失い、ホームレスになった。
市の担当者は彼女をホームレスを受け入れる施設に移るように説得したが、彼女は「見知らぬ人と一緒に暮らすのは苦痛であり、危険を感じる」と、申し出を拒否した。そして市のダウンタウンにある公園で2年間、ホームレスで過ごした。その間、持ち物が盗まれ、「目が覚めると持っているものがすべてなくなっていた。誰かが瓶で私を殴ったので、13針も縫ったことがある。ひどい状況だった」と語る。
彼女は、多くの人がホームレスの生活を続けると理由は理解できると言う。長い間、ホームレスの生活をしていると、絶望的になる。そして、救済の手を差し伸べられても、「本当に信じていいのかと懐疑的になる」と語る。社会の底辺で長く暮らすと、経済的問題だけでなく、様々な精神的問題も抱え、社会に対する不信感を抱くようになる。
アメリカ社会は過酷である。家賃の支払いが滞れば、容赦なく退去を命じられる。上記のカリフォルニア大学の調査では、正式な賃貸契約を結んでいる場合でも、家賃の支払いが滞ると、通常10日の事前通告で退室を迫られる。賃貸契約を結んでいない場合は、わずか1日前の通告でしなければならない。転居先のあてもなく、転居費用の支援もない。いきなり路上に放り出される。ホームレス支援センターが提供する施設に一時的に宿泊するか、路上生活を強いられる。運が良ければ、家族か友人の家に住むことができる。ホームレスになると抜け出すのに22か月かかる。だがホームレスの33%は長期間路上生活から抜け出すことはできない。
■政府調査で過去最高のホームレスが存在している
12月27日にアメリカの住宅都市開発省が『ホームレスに関する年次報告書』(The 2024 Annual Homeless Assessment Report)を発表した。この年次報告書を受けて、リベラル派を代表する雑誌『The New Republic』は「アメリカの2024年のホームレスの数は驚くほど増加を示した」と題する記事を掲載した。この記事は、筆者に「バッグ・レディース」という言葉を思い起させた。
筆者がアメリカでホームレスを最初に見たのは、1970年代末にニューヨークを訪れた時である。彼女たちは「バッグ・レディース」と呼ばれ、衣類などわずかな日常品を入れた茶色のバックを抱え、街を歩いていた。夜はアパートの階段の隙間を見つけて寒さを凌ぎながら眠るホームレスである。現在では「バッグ・レディース」という言葉は死語である。むしろ洒落たバッグを持った女性という意味で使われている。
1981年9月29日の『ニューヨーク・タイムズ』は「バッグ・レディース(Bag Ladies)」と題する記事を掲載している。その中でホームレスの女性を「バッグを背負い、9番街の食品市場の近くでゴミを拾い、家の戸口で眠り、港湾局の退屈な解放された部屋で身を寄せている孤独で貧しい女性」と表現している。
住宅都市開発省の報告書は、2024年1月22日から31日の10日間に全国で一斉に調査した結果を発表したものである。1日だけのスナップショット調査であり、ホームレスの実数は過小評価されているとの指摘もある。
同調査では、全米に77万1480人のホームレスが存在している。これは全人口の0.23%(1万人につき23人)に相当する。2023年のホームレスの数は65万3104名であり、1年間に18.1%増加している。『The New Republic』は「これは地球上で最も偉大であることを誇る国にとって恐ろしい事態である」と書く。
1990年代に入りアメリカ経済が繁栄を取り戻す中で、ニューヨークのマンハッタンからホームレスの姿は消えた。だが、ホームレスが存在しなくなったわけではない。多くの場合、都心から追い出され、郊外へ移り、近郊の公園や森の中にテントを張って生活していた。アメリカ社会にとってホームレスは常に深刻な社会問題であった。
■ホームレス増加の実態と要因
住宅都市開発省の報告は、今回の調査でのホームレス増加の要因を8つ指摘している。①住宅価格の急騰と家賃の上昇、②インフレの高進、③中産階級と低所得者階級の賃金上昇の低迷、④根強い人種差別の存在、⑤公共医療の危機、⑥自然災害の発生(ハワイのマウイ島の山火事など)、⑦移民の増加、⑧コロナ感染中に行われていたホームレス支援プログラムと子供手当支給の打ち切りである。
全国低所得者住宅連合の責任者は「こうしたホームレスの増加は十分に予測できたことだ。ホームレスの増加は低所得層が入居できる低家賃の住宅へ十分な投資をしてこなかったからだ。法外な家賃を払うのに苦労する人が増えるにつれ、ホームレスも増えている」と、連邦政府や地方政府の住宅政策の欠如を指摘している。
ホームレス急増の最大の要因は家賃の高騰にある。Pew Charitable Trustは、住宅価格とホームレスの数の変動に関する調査をおこなっている(2023年8月22日、「How Housing Costs Drive Levels of Homelessness」)。その中で「家賃が高い都市部ではホームレス率が高く、家賃が上昇するとホームレス率も上昇する」と指摘している。そして「近年、大都市圏では家賃の急速な上昇に伴い、ホームレスが急増している。低所得世帯が払えない額にまで家賃が上昇すると、ホームレス率が上昇する」と分析している。「家賃を補助することはホームレス削減に効果がある」と指摘している。ホームレスが急増した地域では家賃が全国平均を上回る上昇を示している。そうした地域では住宅供給がほとんど増えていないという。
もちろん経済的な要因だけではない。福祉団体のArlington Life Shelterはホームレスになる10の要因を挙げている。①アルコールなどの依存症、②ドメスチック・バイオレンス、③精神疾患、④失業、⑤住宅ローン返済停滞による差し押さえ、⑥心的外傷後ストレス、⑦家族から見捨てられた10代の少年、⑧夫婦・家族関係の破綻、⑨愛する者を失った悲しみ、⑩絶望である。ホームレス対策は、単に経済的な支援に留まるものではない。複雑な社会、人間関係が絡んでおり、それだけ対策は難しくなる。
■誰がホームレスになっているのか
ホームレスの内訳を見てみると、その深刻さがさらに明確になる。住宅都市開発省の報告は「子供を抱えたホームレス(家族ホームレス)」の数は39%も増加していると指摘している。「子供のホームレス」は約15万人で、前年比33%(3万2618人)の増加を示している。同報告は「18歳未満の子供のホームレスの増加は過去最高である」と指摘している。デンバーやシカゴ、ニューヨークなど13の都市では家族ホームレスの数は2倍以上増えている。シカゴのホームレス1万8800人のうち3分の1が子供である。ただ、こうした大都市の家族ホームレスの増加は、移民家族が流入してきたことも要因のひとつである。18歳以下のホームレスは全体の19.2%で、35歳から44歳の19.9%に次ぐ水準である。
ホームレスの年齢別の人数と比率
18歳以下が19.2%
19歳から24歳が7.5%
25歳から34歳が19.9%、
45歳から54歳が15.4%、
55歳から64歳が13.5%、
64歳以上が5.5%
55歳から64歳では10万4000人、65歳以上の高齢者は4万2150人のホームレスが存在している。
ジェンダー別にみると、男性が45万9568人で、全体の約60%を占める。そのうち40% が路上生活をしている。女性は30万2660人(約40%)で、路上生活者は約28%である、トランスジェンダーが2561人で、そのうちの41%が路上生活をしている。
人種別では、最も多いのが白人のホームレスで、24万4280人(約32%)。次が黒人で24万3736人(約32%)である。ヒスパニック・ラテン系は23万5965人(約30%)である。この3つの人種グループのホームレスの数はほぼ同数であるが、人口比でみると、黒人ホームレスが圧倒的に多い(黒人の人口比率は12%)。
地域差も大きい。最もホームレスが多い州はニューヨーク州で、1万人に対して81人の割合である。次がカリフォルニア州の1万人につき48名である。路上生活をしているホームレスが多い州は、カリフォルニア州、アラバマ州、ジョージア州である。50州のうち2024年にホームレスが増加したのは43州である。ワシントンDCでもホームレスの数は増加している。
■最高裁はホームレス排除する「キャンプ禁止条例」を支持
連邦控訴裁は2018年の「Martin v. Boise(マーチン対ボイジー)裁判」で、憲法修正第8条の「過大な額の保釈金を要求し、過大な罰金を科し、また残酷で異常な刑罰を科してはならない」という規定に基づき、「ホームレスが利用できるシェルターのベッドが十分に提供されていない場合、市はホームレスに対して『キャンプ禁止条例(anti-camping ordinance)』を適用することはできない」との判決を下していた。
「キャンプ禁止条例」とは、ホームレスが公園や歩道で寝泊まりするのを禁止し、違反した場合、罰金を科し、逮捕・投獄することを認める条例である。
だが2024年6月、最高裁は「グランツパス市対ジョンソン(City of Grants Pass v. Johnson)判決」で「マーチン対ボイジー判決」を覆し、オレゴン州南西部のグランツパス市が定めているホームレスが歩道や公園などの市の所有地で風雨から身を守るために毛布、枕、または段ボール箱を使用することを禁止する条例(キャンプ禁止条例)を支持する判決を出した。最高裁は「公共の財産である公園などでホームレスが野営するのを禁止することは残酷で異常な罰を禁じる憲法修正第8条に違反していない」とし、グランツパス市の条例を認めた。さらにホームレスの避難場所がない場合でも、野営を禁止し、違反した場合、罰則を科し、投獄することを容認したのである。
判決文を書いた保守派のゴーサッチ判事は「修正第8条の残酷で異常な刑罰の禁止は一般的に刑罰にのみ適用される」とし、この訴訟で問題となっているホームレスに対する罰金や懲役刑は限定的なもので、「恐怖、苦痛、屈辱」を科すものではなく、「残酷で異常であるとは見なされない」という判断をくだした。
さらに「ホームレス問題は複雑であり、憲法が連邦判事に問題の原因を評価し、対策を立てる責任を与えているとは思わない」と、ホームレス問題への対応は各自治体が判断すべきことであると責任を回避した。
この判決に対してNational Homeless Law Centerの責任者は「ホームレスを刑務所に放り込み、数千ドルの罰金を払わせると、彼らは仕事や住居を見つけるのがさらに難しくなり、ホームレス状況から抜け出せなくなる」と、同判決がホームレス問題に与える影響を懸念している。だが「キャンプ禁止条例」を支持する自治体や警察、企業は「この判決で危険で不潔なキャンプ地を撤去できるようになる」と歓迎している。カリフォルニア州のニューサム知事は「マーチン対ボイジー判決で行政の対応が縛られて、ホームレスのキャンプが野放しになってきた。だが今回の判決で自治体に対する制約がなくなった」と歓迎する声明を出している。
■ホームレスは不法侵入罪で懲役刑と罰金が課せられる
グランツパス市は人口4万人弱の都市で、約600人のホームレスいる。2013年、同市は市の歩道、駐車場、公園で睡眠のための毛布、枕、段ボール箱の使用を禁止する「キャンプ禁止条例」を成立させた。違反者は295ドルの罰金を科せられ、期日内に支払われない場合は537ドルに増額される。グランツパス市警察は、市の所有物からホームレスを排除する命令を出すことができた。違反者は不法侵入罪で有罪判決を受け、最高30日間の懲役と1,250ドルの罰金が科せられる。
アメリカは浮浪者やホームレスを厳しく取り締まってきた歴史がある。今回の最高裁判決は、最も貧しい国民を支援するのではなく、犯罪者にする可能性がある。ある法律の専門家は「この判決はホームレスの権利に関する歴史上、最も重要な判決である」と指摘している。保守派は、誰でもホームレスになる可能性があり、支援が必要だと考えるのではなく、ホームレスになったのは“自己責任”であり、ホームレスは治安を乱す存在だと考えている。ホームレスを保護することは、逆にホームレスを増やすと主張している。要するに「ホームレスであること自体を犯罪である」と考えているのである。
最高裁判決の影響は既に出ている。最高裁判決から2か月後の8月からカリフォルニア州ロングビーチ市は「反キャンプ条例」を強化し、警察は公共の場で寝ている人を不法侵入罪で逮捕できるようになった。また最高で6か月の懲役と1000ドルの罰金を科すことができるようになった。1月時の調査では、同市に3376人のホームレスが存在している。その3分の2が路上生活者である。市が準備しているホームレスのためのシェルターの数は1300床に過ぎない。ホームレスを保護する十分なシェルターを準備せず、一方的にホームレスを犯罪者扱いするものである。市の方針では、警察や消防は、路上生活者を強制的に“安全な場所”に移動することを命令する権限を与えられる。
ただ、同市は規制強化だけでなく、ホームレスがモーテルに泊まるためのチケットを給付し、公共住宅の建設を増やし、ホームレス対策の人員増を図る計画も明らかにしている。市の担当者は「私たちは、市民の皆さんに、この最も困難な社会問題の複雑さを理解してもらいたいと思っている。この新対策は市が直面する最も緊急を要し、最も困難な問題に対するバランスが取れた効果的な対応であると願っている」と、市の対応を説明している。
『National Public Radio』は、全米で100以上の市がホームレスの路上生活を禁止していると報道している(2024年12月26日、「100-plus cities in the US banned homeless camping this year. But will it work?」)。同記事は「最高裁の判決後、ホームレスの取り締まりが容易になり、全米で100以上の自治体で、行き場のない人々が戸外で寝ることを禁止している」と書いている。こうした禁止が急増している背景には、「住民がホームレスの増加に不満を募らせているからだ」と説明している。
カリフォルニア州サンホアキン郡には「路上生活者は1時間毎に少なくとも300フィ―ト(約91メートル)移動しなければならない」という奇妙な規則がある。違反者は最高1000ドルの罰金と6か月の懲役刑が科せられる。同記事は「積極的にキャンプ禁止条例を施行している自治体では罰金を科され、逮捕される人が増えている」と伝えている。
■トランプ政権のホームレス政策
進歩派のシンクタンク「Center on Budget and Policy」のベイリー副理事は「トランプ次期大統領と共和党はホームレスをさらに増加させ、不平等を深刻化させる資金削減や政策を追求する可能性がある」と警鐘を鳴らしている。
トランプ次期大統領は選挙演説の中でホームレス問題を取り上げている。2023年4月18日に行った演説の中で「かつては素晴らしかった私たちの都市はホームレス、麻薬中毒者、暴力的で危険なほど錯乱した人々に引き渡され、住むことができない不衛生な都市と化した」、「ホームレスに公園や歩道を不法占拠し、麻薬をやる場所に変える権限はない」、「私たちは社会を機能させる勤勉で法を守る市民の権利と安全を最初に考慮すべきだ」と語っている。
さらに「私がホワイトハウスに戻ったら、あらゆる道具と手段と権限を行使して、ホームレスを路上から排除するつもりだ」と自らのホームレス政策を語っている。さらに具体的な対策として「広大な土地を使って、医師、精神科医、ソーシャルワーカー、麻薬リハビリの専門家を呼び、ホームレスを移住させ、彼らの問題を解決する“テント都市”を建設する。ホームレスを排除することで、私たちは都市を再び住みやすく、美しくする」、「路上生活禁止を破った者は逮捕される。ただ進んでリハビリを受けるのであれば、治療サービスを受ける選択肢が与えられる」とも語っている。要するにホームレスに刑務所に行くか、テント都市に行くか迫っているのである。
ただトランプ次期大統領の政策の決定的な誤りは、ホームレスは麻薬中毒者であり、犯罪者であると決めつけていることだ。“テント都市”は一種の強制収容所でもある。ホームレス問題は極めて複雑な要因が重なって起こっている。トランプ流解決策では、ホームレス問題は解決しないだろう。
現実に路上からすべてのホームレスを強制的に排除すれば、逆に深刻な対立と社会問題が発生するだろう。強硬な政策がホームレス問題の根本的な解決策にならないのは明らかである。
不法移民の強制送還は人々の関心を集めているが、ホームレスを処罰する法案はあまり注目されていない。だが、この問題は不法移民以上に重要な問題である。アメリカでは、長い間、浮浪者やホームレスを厳しく取り締まってきた歴史がある。この問題に限らず、トランプ政権下で、アメリカ社会は“先祖帰り”始めたようだ。