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阪神ファームは紅白戦、久保田投手が今季初実戦登板

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター

21日に予定されていたJR北海道との交流試合は、残念ながら朝まで残った雨のために中止となりました。お昼前から晴れてきたので、未練がましく「試合できたかもなあ」なんて言っていたんですが、前夜の降りは相当でしたから仕方ないでしょうね。また初対戦の機会があるのを楽しみにしています。

さて22日は鳴尾浜で紅白戦が行われました。いつもはコーチが審判で、一塁と三塁はそれぞれのランナーコーチが兼任(?)し、筒井内野守備走塁コーチがほぼレギュラーで球審でした。でも22日は育成審判員の小石澤さんが球審を担当。休日に“自主練習”で来られたんでしょうか。大きな声でジャッジしてもらえるので、とても助かりました。いや筒井コーチも負けないくらい大きい声ですけどね。

《紅白戦》5月22日 (鳴尾浜)

紅組 000 100 = 1

白組 100 000 = 1

※6回まで ※特別ルール

◆バッテリー

【紅】歳内-西村-金田 / 小宮山-岡崎(4回~)

【白】久保田-藤原-島本 / 日高-小豆畑(4回~)

◆打撃(打-安-点/三振-四死球/盗塁/失策)

【紅組】 

1]二中:荒木  ( 2-0-0 / 0-1 / 1 / 0 )

2]遊二:北條  ( 3-0-0 / 0-0 / 0 / 0 )

3]中右:狩野  ( 1-1-0 / 0-2 / 0 / 0 )

4]三遊:陽川  ( 2-0-1 / 0-0 / 0 / 0 )

5]一三:森田  ( 3-1-0 / 1-0 / 0 / 0 )

6]右一:中谷  ( 2-0-0 / 1-0 / 0 / 0 )

7]指捕:岡崎  ( 2-1-0 / 0-0 / 0 / 0 )

8]左:一二三  ( 2-0-0 / 1-0 / 0 / 0 )

9]捕指:小宮山 ( 1-0-0 / 0-1 / 0 / 0 )

【白組】※打者10人

1]左:柴田   ( 2-0-0 / 0-1 / 0 / 0 )

2]遊三:阪口  ( 2-0-0 / 0-1 / 1 / 0 )

3]三遊:西田  ( 3-1-0 / 1-0 / 0 / 0 )

4]右中:伊藤隼 ( 3-2-1 / 1-0 / 0 / 0 )

5]指:高山   ( 3-2-0 / 0-0 / 0 / 0 )

6]捕指:日高  ( 3-0-0 / 2-0 / 0 / 0 )

7]二:黒瀬   ( 3-0-0 / 0-0 / 0 / 0 )

8]中右:横田  ( 1-0-0 / 0-1 / 0 / 0 )

9]一:原口   ( 2-1-0 / 0-0 / 0 / 0 )

10]指捕:小豆畑 ( 2-0-0 / 1-0 / 0 / 0 )

◆投手(安打-三振-四死球/失-自) 最速キロ

【紅組】

歳内  2回 37球 ( 1-2-2 / 1-1 ) 139

西村  2回 24球 ( 2-1-0 / 0-0 ) 136

金田  2回 43球 ( 3-2-1 / 0-0 ) 147

【白組】

久保田 2回 34球 ( 0-2-1 / 0-0 ) 145

藤原  2回 42球 ( 1-1-2 / 1-1 ) 138

島本  2回 28球 ( 2-0-1 / 0-0 ) 140

伊藤隼が先制二塁打、陽川は同点犠飛

まず先攻・紅組。今季初実戦の久保田に対し、2死から狩野が四球を選びますが盗塁失敗。2回は陽川の左直(いい当たり!)のあと森田と中谷が連続三振でした。3回も白組2人目の藤原に三者凡退と、ここまでノーヒット。3人ずつで片づけられます。しかし4回、荒木が四球で出て盗塁。北條の二ゴロで三塁へ進み、狩野の四球で1死一、三塁となって陽川がライナーの中犠飛。森田は中前打、さらに暴投で2死二、三塁と攻めるも、中谷が二直。1点で終了しました。

わずか1安打で同点に追いついた紅組は5回、島本から岡崎が左前打して小宮山の四球などで1死二塁としますが、荒木と北條は連続でフライアウト。6回も先頭の狩野が右中間に落ちるヒット(これについては後ほど)で出たものの、陽川は中飛。森田が遊ゴロ併殺打に倒れて勝ち越しはなりません。

一方、後攻の白組は歳内から1回に先取点を奪っています。阪口の四球と盗塁で1死二塁、西田は三振で2死となったあと伊藤隼が右翼線へタイムリー二塁打!2回は2死から横田が四球、暴投で二塁へ進むも、ここは得点なし。ついで西村に対して3回は三者凡退、4回は先頭の西田が中谷のナイスプレーに阻まれ一ゴロ。伊藤隼と高山が連続右前打で1死一、二塁としましたが、日高の三振と黒瀬の右飛で無得点。

白組3人目は金田。5回は1死から原口がこの日最速の147キロ、外角球を打って技ありの右前打!2死後に柴田が四球を選びますが追加点はありません。6回は西田の左前打、高山の中前打などで2死二、三塁となるも最後は黒瀬が二ゴロに打ち取られて試合終了です。

伊藤隼選手はタイムリー二塁打を含む2安打と結果が出ていますね。高山選手もマルチで調子は良さそうです。でも高山選手と同じ頃に故障から復帰した黒瀬選手は「まだダメですねえ」と、納得いく打席ではないみたいでした。

久保田の復帰登板

2月6日に右ヒジを手術してリハビリを続けてきた久保田投手の今季初登板に、まず平田監督は「順調にきている。久々の実戦でバッターに対して投げられたからね。1イニングの予定だったけれど19球ということで、もう1回いかせた。変化球もスライダー、フォーク、チェンジアップすべての球種を投げていたし。あとは明日の様子をみて」と話しています。仲野トレーナーも「投げた直後は問題ありません。あすの様子をみて。今後については久保コーチと話し合って決めます。今週中の復帰はないですね。来週どこで出るかは展開次第」とのこと。

次に久保投手コーチです。「第1段階、順調にこぎつけてきたかな」。第1段階ですか?「そうでしょう。1軍で活躍しなくちゃ」。なるほど、そこが最終段階ですね?「もちろん」。投球の内容は?「まあ球速はそんなに落ちていないしね。とはいえ一応、155キロや156キロが出るピッチャーだから、彼の中ではまだまだでしょうね」。次は公式戦で?「もう一度、打者に対してしっかり投げさせてと思っています」。もう一度シート打撃に登板してからゲームになるんでしょうか。

久保田投手本人は、久々の実戦の感想を聞かれ「ぼちぼちですね」という答え。急きょイニングが伸びたことは問題なし?「はい、大丈夫です」。球自体は?「真っすぐはまあまあ思ったより良かったです。変化球はまだですね」。次は試合で?「まだわからないですけど」。明日の様子もみて?「そうですね」。投げ終えた段階では?「今のところ、ヒジも問題ないです」というやり取りでした。

金田投手は無死点ながら3安打を許したことに「ボールが高いです」と反省。先日のシート打撃に登板した時と比べて「感覚はよかったです。やろうとしていることが半分くらいはできているかなと。(それは)トップを高めに、早めに作って上から叩くように。体の正面で」と言っていました。シート打撃の際に話していた、インステップしてしまうという点は意識していたそうですが「どうしても試合になると出てしまう」と、引き続きの課題みたいですね。

また先週後半に少し体調を崩し、戦列を離れていた西村投手は「もう大丈夫です。試合も、もちろんいけますよ。大丈夫です!」と明るい表情でした。

島本投手は「ぼちぼち」とひとこと。まあ紅白戦だからでしょうか、彼の力の源は相手選手に対する闘志ですからね。「久保コーチからは、スラーブとか緩い球を投げる時にフォームも緩くなっているから、そこを注意するように言われました」とのこと。確かに、先発をするなら二巡目で狙われる危険性はありますもんね。その先発については「次が大事です。相手がどこでも関係ないです」とキッパリ!

横田「僕のエラーにしてください!」

では次に、試合経過の中で“後ほど”と書いたところの話です。6回表、紅組の攻撃で先頭の狩野選手が放った打球は右中間へ。これをセンターの伊藤隼選手がライト方向へ猛然と走りながら、横田選手の前あたりでキャッチを試みたものの捕れず。スタンドから見ている限りでは、かろうじてグラブに当たったと思ったんですが…。もちろん紅白戦なので公式記録はなく、ヒットかエラーかは各自の主観に頼るしかありません。

横田選手はいつもセンターを守っていますが、この日は4回の守備から伊藤隼選手と代わってライトに。そういや6回が始まる時、張り切ってセンター位置へ走っていったので「また交代するのかな」と思ったら、伊藤隼選手が来て急いでライトへ移動したもんで笑いました。そんな横田選手いわく「まだ2回目ですよぉ~」というライトの守備は4月27日の育成試合・Honda鈴鹿戦以来。「前はボロボロでした」。ふむ。そういやファンブルして2点タイムリー二塁打とか、ありましたねえ。

狩野選手の打球について尋ねかけると「あれはヒットじゃなくてエラーです。エラーにしてください」と横田選手。いや、それだと伊藤隼選手のエラーになってしまうかも。「あ、そうか…」と本当にガッカリした様子でした。そして「あれは僕のボールです。僕のエラーにしてください」と繰り返します。すると一二三選手が「センター!センター!」と横田選手の口調を真似て、それに怒るどころか「わははは!」と大爆笑の横田選手。なるほど、声はかけていたようです。

中村外野守備走塁コーチに聞いてみると「うーん、あれはヒットでいいでしょう。打ったのが狩野なので」という回答です。そして、横田選手が「自分のエラーにしてほしい」と申告してきたと伝えたら「お~それはいいことですねえ」と笑顔の中村コーチ。「まだライトは2回目ですけど、声の連携の前にまずボールを捕りに行きなさいと言いました。捕りに行ってから声掛けをするようにと。まあ隼太も先輩だから、捕ってあげなきゃいけないでしょうけど」

横田選手はレフトも一度だけありますね。これからあちこち経験を積んでください。それにしても一二三選手の鹿児島風イントネーション、なかなか上手ですよ。

23日からは中日3連戦が予定されています。23日は鳴尾浜、24日と25日は淡路佐野運動公園“ボールパークあわじ”での開催。平田監督によれば吉見投手、白仁田投手、秋山投手という先発だそうです。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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