【岡崎市】春休みはカクキュー八丁味噌(八丁味噌の郷)で五感を使って楽しく学ぼう!
岡崎市担当の岡子です。
今回はカクキュー八丁味噌(八丁味噌の郷)をご紹介します。
カクキュー八丁味噌(八丁味噌の郷)は、名鉄「岡崎公園前」駅より徒歩で5分の場所
こちらが工場見学の受付です。売店の中にあります。
工場見学は無料です。先着順での受付で定員になり次第締め切りとなります。土日祝日は混雑するので、なるべく早めに受付をすませましょう。
工場見学の順路はこのようになっています。
①受付→②史料館→③熟成蔵→④試飲コーナー
所要時間は約30分です。
それでは、見学ツアーに出発します。
それぞれ建物が別になっているため、雨が降っていると傘が必要になるかもしれません。
まず最初に袋詰めをしている様子を見ることができます。(写真はパンフレットから)
八丁味噌は水分の少ない固い味噌のため機械で袋詰めすることができません。一つ一つ手作業で詰めていきます。
立派なこちらの蔵が史料館です。平成8年に、本社屋とともに愛知県初の国の登録有形文化財となったそうです。
ですが、史料館に入る前に…
絵になる風景があちらこちらに。
まるでタイムスリップしたような気分になります。
かっこいい鬼瓦。
史料館に入ってすぐ目に飛びこんでくるのは、この看板です。
幼少期の豊臣秀吉と蜂須賀小六が矢作橋で出会った場面が描かれています。
秀吉のお尻の下のむしろにはカクキューのマークが。秀吉がカクキューから盗んだという設定がおもしろいですね。
ちなみに、2022年12月26日に住所が八帖町から八丁町に変わったのだとか。もともと八丁村だったのが隣町と合併して八帖町になり、そしてつい最近八丁町に戻ったのだそうです。
味噌の仕込みの様子が再現されています。
大豆を蒸して潰して握り固めたこぶし大の味噌玉を発酵させ豆麹へと変えていきます。そして40キログラムにもなる豆麴の入った大きなたらいを二人がかりでかついで何度も運ぶそうです。
気の遠くなるような作業です。
蒸して潰して握り固めて~、コロッケを作るのが面倒くさくて惣菜を買ってしまうことが多々ありますが、豆麹を作る労力と時間に比べれば容易いものですね。
当時の従業員に似せて作ったお人形に好感が持てます。
高さ約1.8メートルの大きな木桶。桶の中に入ることは許されませんが、触ることはできました。たくさん働いて引退された杉の桶。堂々とした佇まいでした。
工場内の全てのフォークリフトに名前がついているそうです。この子は日吉丸。お昼休憩中です。
そして、お待ちかねの味噌蔵です。
大きな木桶と高く積み上げられた石。その迫力に圧倒されます。
カクキューのマークが目立つ木桶は新しく令和元年と書かれてありました。
でも、年々大きな木桶を作る桶屋さんは減っているのだそうです。
それでも木桶にこだわる理由は、木桶に宿る微生物が作り出す味噌の味。この微生物が八丁味噌の奥深い味を醸すのです。
1つの桶には6トン(!)の味噌が入っています。そしてその上には3トンの石。この山のような石は10年以上修行した職人さんによって積み上げられています。地震が起きても今まで一度も崩れたことがないのだとか。野面積みと呼ばれる自然の石の形を利用した古い積み方で岡崎城の石垣に似ているのだそうです。
小さな石でいいので野面積み体験をしてみたい。そして揺れを起こして誰のが一番崩れなかったかを子どもと大人げなく競いたい、などと思ってみました。
温度調整は一切されず自然の温度変化にまかせて2年以上(二夏二冬)も寝かされる味噌たち。ステンレス製の桶にして暖房で熟成を促せばもっと楽に短時間でできるのに、はっきり言って効率の悪い作り方です。それでも木桶の微生物と自然の温度にまかせて作るのは、この方法でしか出せない味があるから。利益ではなく伝統の味を受け継ぐことを大切にした味噌蔵が岡崎市内にある、そのことが心を熱くさせるのです。
味噌蔵内は薄暗く、味噌の独特なツンという匂いが漂っています。
なんだか神聖な気持ちになります。
生命が育まれている感じが伝わってくるのです。
これは、写真ではお伝え出来ない。ぜひ体感していただきたい。
見学ツアーの最後は、お味噌汁の試飲です。だしは濃い目のかつお節。
八丁味噌は熱に強いため熱々です。火傷にご注意を。
は~、おいしい。良い香り。ほっとします。
「味噌の医者殺し」という言葉があるようです。味噌を食べていれば健康で医者にかかるようなことはないので医者は儲からず商売あがったり、という意味。
試飲コーナーの横には、醸造文化を紹介する展示室・玄佺館(げんせんかん)があります。味噌のあれこれが、分かりやすく説明されています。ご丁寧に漢字にふりがなまでふってあります。小学生の自由研究にぴったりではないですか。
また、八丁味噌のブランド問題についても触れてあります。地域の中で育まれたものを守るために作られた農林水産省の地理的表示(GI)保護制度。これにより今、岡崎の八丁味噌が窮地に立たされています。名前の由来である八丁町(旧・八丁村)で今でも伝統を守り木桶で2年以上の年月をかけて作っているこの本物の八丁味噌が、今後八丁味噌と名乗れなくなるかもしれないのです。それは、地理的表示保護制度において、他の組合が製造する味噌が八丁味噌として登録されてしまったから。伝統ある岡崎の八丁味噌、そのままの名前で続いてもらいたいと願うばかりです。
小学生の高学年以上には、ぜひこちらの問題も深堀してもらいたいです。
春休みはぜひ、カクキュー八丁味噌(八丁味噌の郷)で五感を使って楽しく学んでみませんか。
次回は、売店、おやつコーナー、食事処をご紹介します→世界にただ一つ?!八丁味噌の木桶ビューレストラン
【カクキュー八丁味噌(八丁味噌の郷)】
住所/〒444-0925愛知県岡崎市八丁町69番地
TEL/0564-21-1355
売店営業時間/9:00〜17:00
見学時間/10:00~16:00
食事処休右衛門/11:00~15:00(LO14:30)
休業日/12月31日、1月1日、1月2日
駐車場/有40台
名鉄「岡崎公園前」駅より徒歩で5分
愛知環状鉄道「中岡崎」駅より徒歩で5分
カクキュー
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