2014年以降の日米欧の中央銀行の金融政策の変遷
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FRBは2014年にテーパリングを開始し、その終了後、時間を掛けて利上げを行ってきた。しかし、世界的な景気減速への懸念から利上げは停止され、利下げ局面となり、コロナ禍によって非常時対応の金融緩和策を決定することになった。
FRBは2014年1月からテーパリングを開始し、10月に終了させた。2015年12月に政策金利を0.25%から0.5%の幅に引き上げることを決定(正常化)。2016年12月に政策金利を年0.50~0.75%への引き上げを決定。2017年3月に政策金利を0.75~1.00%への引き上げを決定。12月にFOMCで政策金利を1.25%~1.50%への引き上げを決定した。
2017年11月にはイングランド銀行は10年ぶりに利上げを決定した。
2018年3月にFRBは政策金利を年1.50%~1.75%への引き上げを決定。6月には政策金利を年1.75~2.00%への引き上げを決定。12月に政策金利を2.25~2.50%に0.25%引き上げることを決定した。
同年12月にECBは量的緩和(QE)を終了させることを正式に決定した。
2019年1月にFRBは利上げ停止とバランスシート縮小の停止を示唆。中国経済を中心に世界景気の減速感が強まり、英国のEU離脱による影響を懸念したものとみられる。
3月のECB理事会で貸出条件付き長期資金供給オペの第3弾を発表。利上げ時期を来年以降に先延ばしした。FOMCでは金融政策を現状維持、米国債など保有資産の縮小は9月末で終了することを表明した。
7月のFOMCで政策金利を年2.00~2.25%への引き下げを決定し利下げに舵を切った。9月に1.75~2.00%に引き下げ、11月には1.50~1.75%に0.25%に引き下げた。そして12月のFOMCでは金融政策の現状維持を決定し、ここでいったん利下げ停止も示唆した格好に。
2020年1月に中国で新型のコロナウイルスによる肺炎が発生し世界に拡大してきた。
FRBは3月3日に緊急のFOMCを開き政策金利を0.5%引き下げた。イングランド銀行はMPCを開き政策金利を0.50%引き下げ。ECB理事会では量的緩和政策の拡大を決めた。その後、臨時のECB理事会で新たに7500億ユーロの枠を設け国債や社債などの購入を決定。15日にFRBは臨時のFOMCを再度開いて政策金利を0.00~0.25%に引き下げ、量的緩和も復活させた。
4月に日銀は追加緩和策を決定、CP・社債等の追加買入枠を大幅に拡大することを決定した。
9月のFOMCでは金融政策は据え置いたが、物価上昇率は当面は2%超を目指すとし、2%に到達するまで利上げを見送ると宣言した。
12月のFOMCではガイダンスを変更し、長期にわたり金融緩和の効果を与えることを表明。 2021年3月に日銀は金融政策決定会合で、点検を行った結果として、金融政策の修正を行った。
ECBは7月6、7日の特別会合で物価目標を、これまでの「2%未満でその近辺」から「2%」に修正、物価上昇率の一時的な2%超えを容認した。