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カワサキとビモータの混合種が鮮烈デビュー スーパーチャージド「TESI H2」だ!

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト
写真出典:Webikeバイクニュース 撮影/筆者(以下同)

ビモータの芸術とカワサキのパワーが融合

世界最大級のモーターサイクルの国際見本市「EICMA2019」に来ています。連日各ブースを回って取材していますが、今回最大のビッグニュースはカワサキとビモータの業務提携による新型マシンの発表でしょう。

その名も「TESI H2」。カワサキが誇るH2シリーズの水冷並列4気筒998ccのスーパーチャージドエンジンをビモータが新たに設計したオリジナルの車体に搭載した混合種です。カワサキブースの隣に設けられた特設コーナーはもう物凄い人だかりで取材陣の関心の高さが窺えましたが、そんな中アンベールされた「TESI H2」はカワサキの逞しいパワー感と美しくも前衛的なビモータ流の哲学が凝縮された夢のようなマシンでした。

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独自のステアリング機構など創意工夫が満載

記者会見では3年前から密かに進んでいたプロジェクトであったことが明らかにされ、欧州カワサキを通じてイタリアに新たな合弁会社を設立してビモータの商標を取得。今後はカワサキがエンジン等の主要コンポーネンツを提供する形でビモータと共同開発を行うとのことです。

その第一弾である「TESI H2」はH2シリーズのパワーユニットと電子制御システム、メーターなどの電装系をカワサキが提供し、ビモータが車体とデザインを担当したそうです。スペック等は未公開ですが、聞くところによるとエンジンはH2そのものだとか。フレーム構造も不明ですが、いかにも剛性が高そうなエンジンハンガーを見るとエンジンを剛性メンバーとした構造のようですが、従来のTESIで特徴的だったオメガフレームではなさそうです。

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そして、このマシンをTESIたらしめているのが伝統の「センターハブステアリング」でしょう。これは両持ち式のスイングアームで前輪を支持し、その中心にあるハブにステアリング機能を備えたビモータ独自の構造です。

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巨大なウイングレットが性能をアピール

また、オーリンズ製リヤショックをスイングアーム内側に2本並列で配置するなど、ビモータらしい創意工夫が随所に見られます。もしかしたら、TESI-3Dのようにフロントサスをプッシュロッドを介して作動させているのかもしれませんね。目を見張るインパクトのある外装はフルカーボン製で、ビモータらしいカラーリングとH2の“origami”(海外でそう呼ばれる)ライクなエッジの効いたデザインが融合しています。

そして、H2のパフォーマンスを象徴するような巨大なウイングレットが目に飛び込んできます。すでにPV動画もアップされていて、走りの性能も相当期待できそうです。発売時期や価格も明ららかにされていませんが、すでに世界で予約注文を開始しているとのこと。おそらく2020年には発売されることでしよう。

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ということは今後もコラボ作品が続々と…

実はカワサキとビモータのコラボは今回が初めてではありません。元々ビモータは他メーカーからエンジンの供給を得て製品化するコンストラクターで、かつては空冷Z1000系エンジンを搭載したKBシリーズ(両社のイニシャルを表した)などをリリースしています。

ということで想像を膨らませると、今後はカワサキのパワーユニットを搭載したビモータ製マシンが続々と出てくる可能性もあるわけです。そのフラッグシップとして「TESI H2」を最初にドーンとお披露目したと考えれば、単なる話題創出だけではないビジネスとしての連続性も納得できるわけです。今後ますます凄いことになりそうな予感のカワサキ&ビモータの世紀のカップリング。ぜひ期待しましょう!

※下記スタジオ画像は、EICMA2019オフィシャルサイトより出典

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出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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