ローマ教皇、AIの発展に警鐘「新たな野蛮な世界につながらないように」
ローマ教皇は2019年9月に開催されていた会議「The Common Good in the Digital Age」に参加。AI(人工知能)の発展に伴う倫理について言及した。同会議には世界中の学術研究者やFacebookなど米国のIT企業の担当者も参加し、科学技術の発展に伴う倫理問題、新たな戦争、平和構築などについて議論。
ローマ教皇は「科学技術の発展は著しく、特にAIの発展は目覚ましく、人間の活動のあらゆる面に影響を与えている。AIの発展に伴う人間生活や人間の行動の変化については、これまで以上にオープンで建設的な議論をしていくべきだ」と語り、「新たな科学技術の登場と発展によって、人間の潜在的なモラルや倫理観、道徳観の問題と、その変化について真剣に考えていかないといけない」と呼びかけた。
AIの発展によってキラーロボットが登場し、人間の判断を介さないで蓄積されたデータに基づいてキラーロボット自身が判断して人間を攻撃してくることが国際社会で懸念されている。SF映画のような話で、現時点では実用化されていないが、AIの発展は民間での経済発展に寄与するだけでなく、軍事分野にも拡大しており、キラーロボットの実用化も現実味を帯びてきている。
ローマ教皇は「いわゆる技術の進化や発展は、人類にとって敵になるかもしれない。このことは史上最悪の野蛮で不幸な結果を招いてしまうかもしれない。AIなどの科学技術の発展が、人類にとって新たな野蛮な世界につながることを回避しないといけない」と警鐘を鳴らした。