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【川崎市幸区】ホテルメトロポリタン川崎がサマーミューザコラボブッフェ クラシック音楽を味覚で楽しむ

Ash俳優・吟遊詩人(川崎市)

さて、夏です!!

川崎の夏といえば…。なんでしょうか? 南部だと風鈴市? 北部だとかつては生田緑地のサマーミュージアムだったような気がしますが、この2年はコロナ禍のためにスタンプラリーのみ?になっているようですね。

私は、夏といえば楽しみなのがミューザ川崎シンフォニーホールで行われる「フェスタサマーミューザ」です。こちらは、世界各地で活躍する交響楽団・音楽家が川崎に集うとっても意欲的なクラシックのフェスで、今年で17回目になります。川崎が「音楽のまち」を名乗る上でもっとも大切にしているイベントと言ってもいいでしょう。

こちらのフェスと、ホールのすぐ隣に昨年オープンしたホテルメトロポリタン川崎さんがコラボして、作曲家にちなんだブッフェを実施しているということで、8月中旬にミューザでコンサートを予定しているピアニストの下條恵理子さんと一緒に味わってきました。

下條恵理子さん

本日ご一緒していただいた下條恵理子(しもじょう・えりこ)さんは、愛知県生まれのピアニストで現在関東にお住まいです。再起不能と言われた指の怪我を乗り越えてプロとしてデビューし、自身が逆境に打ち勝った経験から「諦めなければ夢は叶う」ということを広く伝えたいと、クラシックのみならず、様々なジャンルの曲を弾き、ストーリー性のあるコンサートを行っています。

「コロナ禍でも今できることを」と工夫して音楽活動を行う下條さん
「コロナ禍でも今できることを」と工夫して音楽活動を行う下條さん

「曲を演奏する時に作曲家のことを考えないピアニストはいません。今日は、作曲家自身が食べていたと思われるメニューなどもいただけるということで、新しい視点で作曲家のことを知ることができそうで、とても楽しみです」と下條さん。

オールデイダイニングのTerrace & Tableへ

川崎経済新聞でも、Yahoo!クリエイターズの記事でも過去に何度かご紹介してきた、ホテルメトロポリタン川崎のオールデイダイニング「Terrace & Table(テラスアンドテーブル)」

明るい光が差し込む、とても美しいダイニングです。

ボヤージュブッフェ=世界を航海するような気分になれるブッフェをテーマにしており、季節ごと入れ替わるブッフェでさまざまな地域を旅させてくれます。

レストラン内は、外気を取り入れた空気循環システムを設置し、1時間に3.8回空気全体が入れ替わる。検温・手指の消毒・マスク飲食を徹底している
レストラン内は、外気を取り入れた空気循環システムを設置し、1時間に3.8回空気全体が入れ替わる。検温・手指の消毒・マスク飲食を徹底している

「サマーミューザコラボレーションブッフェ」

今回は「サマーミューザコラボレーションブッフェ」ということで、「フェスタサマーミューザKAWASAKI 2021」で演奏される作曲家にゆかりのある料理とデザートを合計13品用意。さらに通常の料理も含めて、約50種類の料理が並んでいます。

「コラボメニュー以外のお料理もたくさんあって、取りすぎちゃいそう」と下條さん。

「トマト大好きなんです」とカラフルなトマトに目を輝かせていました
「トマト大好きなんです」とカラフルなトマトに目を輝かせていました

「音楽家たちのコラボメニューを中心に盛ってきました」

手の込んだお料理の数々に、心が躍りますね。

どんなふうに音楽家とコラボしたお料理が並んでいるのでしょうか?

音楽家とコラボした料理の説明がカードに

お料理を取り終わったこちらのコーナーに、お料理の説明が書いてあるカードが置いてありました。

「サックスが飾られてる!かわいい!」と下條さんも大喜び
「サックスが飾られてる!かわいい!」と下條さんも大喜び

カードの裏には、作曲家の名前とお料理の説明が書かれていました。

作曲家の年代は書いていなかったのですが、下條さんが時代順に並べてくれました。(お料理とデザートは分けてあります)

「年代順に食べていこうと思ったのですが、こうしてみると、料理もどんどん豪華に、カラフルになっていく感じですね。音楽と一緒ですね」と笑顔を見せます。

音楽の父・バッハとゆかりのお料理 

最初はバッハゆかりのお料理「ライプツィヒの茹で野菜」から。

(全部紹介していると、長すぎてたいへんなことになってしまうので、かいつまんでご紹介します)

シンプルな温野菜の盛り合わせは、バッハが長く生活していたライプツィヒの伝統料理なのだそう。内陸部の街なので本来は川海老を使っていたそうなのですが、このお料理は海の小海老で作られていました。

次の「ドイツソーセージリンゴ添え」はバッハが幼少期を過ごしたテューリンゲンの名物であるソーセージのお料理。3種類のソーセージに炒めたりんごが添えられています。

バッハの時代にはケチャップもマスタードもまだなく、りんごを炒めたものとソーセージをあえて食べたのだそう。りんごの酸味がソーセージの味を引き立てていました
バッハの時代にはケチャップもマスタードもまだなく、りんごを炒めたものとソーセージをあえて食べたのだそう。りんごの酸味がソーセージの味を引き立てていました

交響曲の父・ハイドンゆかりのお料理

「ハイドンっていくつ交響曲を作ったかご存知ですか? なんと生涯で106曲も作ったんですよ」と、下條さんから作曲家の豆知識を披露していただきながら食べると、ダブルでおいしい
「ハイドンっていくつ交響曲を作ったかご存知ですか? なんと生涯で106曲も作ったんですよ」と、下條さんから作曲家の豆知識を披露していただきながら食べると、ダブルでおいしい

こちらが、ハイドンゆかりの「牛肉のアスピック」

オーストリアを代表する作曲家ハイドンゆかりの料理は、皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の好物であった牛肉の煮込みをアスピック(煮凝り)にししたもの、夏らしく見た目に涼しく、喉越しのいい一品
オーストリアを代表する作曲家ハイドンゆかりの料理は、皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の好物であった牛肉の煮込みをアスピック(煮凝り)にししたもの、夏らしく見た目に涼しく、喉越しのいい一品

モーツァルト、ベートーヴェン

モーツァルトは、ハイドンと同じオーストリアの出身、才能に溢れた華やかな生涯を思わせるような派手な料理を想像していましたが好物だったという「豚肉の薄切りソテー、きのこソース」と病気の時にお父さんに作ってもらったという「大麦入りブイヨンスープ」…どちらも体に良さそうな優しいお味でした。

放蕩児のイメージでしたが、食べ物にはけっこう気を遣っていたのかな? と想像が膨らみますね。

ベートーヴェンは、「白身魚のオムレツ」と「牛肉のサラダ ライン川風」♪

こちらは、ベートーヴェンが魚が好きだったという話や、卵6個を使ったオムレツや目玉焼きを食べていたという逸話から、料理長の鈴木明さんがその二つを組み合わせて料理したのですね。とっても美味しかったです。牛肉のサラダのほうは、ライン川中流地方のパーティ料理で、ピアノを教えていた家で出されていたのでは?という想像だそうです。

ピアノの魔術師・リスト

ハンガリー出身のリスト。「超絶技巧」で知られるピアニストですね。

上の写真の右下にあるロールキャベツ、リストゆかりのお料理にしては素朴かな?と思いましたが、ハンガリーではクリスマスなどに家庭で作って食されるメニューだそうで、リストも母親の手作りのロールキャベツが好きだったということです。

それにしても、ロールキャベツひとつとっても、ホテルの食事ってどうしてこんなに美味しいんでしょう。そのあたりに、隠れた超絶技巧があるのかもしれません。

デザートにみる音楽家の三角関係!?

いよいよ、デザートにいきましょう。

こちらも凝っていましたよ。

三角関係、というとこの三人が三角関係だったみたいですが、バッハは関係なくて、右側の二人(シューマン、ブラームス)のことです
三角関係、というとこの三人が三角関係だったみたいですが、バッハは関係なくて、右側の二人(シューマン、ブラームス)のことです

こちらの三人(バッハ、シューマン、ブラームス)は全員ドイツ人ですね。多数の音楽家を輩出したドイツ、焼き菓子が美味しい国でもあります。

これは、バッハにちなんで作られた「アプリコーゼンクーヘン(アプリコットのケーキ)」、ドイツの家庭でお母さんが作る代表的なケーキなんだとか。

甘酸っぱいあんずのケーキ、あしらってあるピスタチオの緑も鮮やか
甘酸っぱいあんずのケーキ、あしらってあるピスタチオの緑も鮮やか

下條さんが「シューマンとブラームスをデザートで並べるところがすごい」とおっしゃるので、その理由を聞いてみると…。

「シューマンの妻・クララはピアニストで、とても才能のある女性でした。二人の間には8人子どもがいて、仲も良かったのですが、シューマンが精神を病んでから、クララを支えたのがシューマンが音楽の才能を認めた14歳年下のブラームスでした」

え、それって三角関係!? (音楽学部を出ているのに西洋音楽史を勉強していない私は別の意味でもドキドキw)そのあと少し調べてみると、クララとブラームスが恋愛関係にあったことは疑問視されているようですが、友人以上に信頼しあえる関係であったようです。

ブラームスにちなんで作られた「ザルツブガーノッケル(ザルツブルグ風スフレ)」は、もちっとした弾力のある歯応えに驚き!この話を聞いた後だと、ブラームス、このケーキのようにしなやかで、男らしい人だったんじゃないかな、なんて思っちゃいますね。

ちあみにシューマンにちなんだデザートは「アプフェルクーヘン ミット ザーネグース(りんごとサワークリームのケーキ)」で、多種多様な音楽を作ったシューマンの波乱の人生を彩ったクララとの関係のように、サワークリームとりんごがお互いを引き立て合っていました。

音楽家コラボ以外のデザートも盛り合わせて。下條さんはタルトが「全ての食べ物の中で一番好き」なんだそうです
音楽家コラボ以外のデザートも盛り合わせて。下條さんはタルトが「全ての食べ物の中で一番好き」なんだそうです

音楽の話を聴きながら食べるブッフェは楽しさ2倍

普段、クラシック音楽を聴く習慣がない人にも、クラシック音楽を楽しんでほしい、と幅広くコンサート活動をしている下條さんは、今回のブッフェを「とってもいい企画」と何度もおっしゃっていました。

「一人でも多くの人が、味覚を通じて音楽の楽しさや奥深さを知って、じゃあ聴いてみようか、とホールに足を運んでくれたらいいですよね」

「子どもと一緒にたまたま食べにきて、何気なくこの企画で音楽家の名前やその育った背景を知って、話題にしてくれるだけでも、子どもたちの音楽への興味は高まりますよね」

と、考えを巡らせていらっしゃいました。

7月末に『人生で聴いておきたい名曲』と題した新しいアルバムが出るのですが、そちらでもベートーヴェン、ブラームス、リストを弾いています」とおっしゃっていたので、ご紹介しておきますね。下條さんはショパンを得意としており、有名な曲を独自の感性で弾いていて素敵なので、興味をもたれた方は、ぜひお買い求めくださいね。

下條さんの新しいアルバム「人生で聴いておきたい名曲」は7月28日全国発売
下條さんの新しいアルバム「人生で聴いておきたい名曲」は7月28日全国発売

また、来月13日にミューザの中にある市民交流室で、コンサートも予定しているとのことです。このコンサートはチケットにこちらのCDもついているということで、2度美味しい!ぜひ、直接下條さんの演奏が聴けるこの機会に手に入れてください。

下條さんのコンサートの情報、チケットの購入はこちらから。

音楽がある夏を楽しみましょう!

世界的なスポーツの祭典もついに幕をあけたところですが、スポーツも音楽も、人生を豊かにするためにとても必要なものだと思っています。

サマーミューザの内容については、また追ってご案内いたしますね!

たくさんの音楽的知見をくださった下條さん、ありがとうございました。来月のミューザでのコンサートも頑張ってくださいね!
たくさんの音楽的知見をくださった下條さん、ありがとうございました。来月のミューザでのコンサートも頑張ってくださいね!

ホテルメトロポリタン川崎の「フェスタサマーミューザ2021 コラボブッフェ」、みなさまもどうぞ身近な方とお楽しみください!!

※ とても人気のあるプランなので、事前にご予約くださいね。

サマーミューザコラボブッフェ
住所:神奈川県川崎市幸区大宮町1-5  ホテルメトロポリタン川崎2F Terrace and Table(テラス&テーブル)
電話番号:044-533-1129
期間:2021年07月01日(木) 〜 08月09日(月)
時間:ランチ 平日 11時30分~15時(最終入店14:30)※時間制限なし
       土日祝 11:00~/11:30~、13:00~/13:30~の二部制 ※100 分の時間制限あり
   ディナー 平日 17:30~(最終入店20:30) ※時間制限なし
   土日祝 17:00~(最終入店19:30)※120分の時間制限あり
予約:https://kawasaki.metropolitan.jp/restaurant/list/terraceandtable/menu/summermuza-co.html
アクセス:JR「川崎」駅西口より徒歩2分

俳優・吟遊詩人(川崎市)

琵琶を弾き歌う俳優です。世界80都市を旅した結果、日本文化を愛しています。旅と出会いと美味しいお酒がインスピレーションの源。MCアマビエちゃんはアマエビちゃんにメタモルフォーゼ。フラットで差別のない目線で記事をお届けしたいと思っています。Stay tuned!

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