他人の家ではどうだろう、「もらったお年玉」のその後の処理
子供にとって数少ない大金を手に入れる機会、お正月のお年玉。そのお金をどのように扱うか、誰が管理するかは世帯の方針に寄りけり。その実態を金融広報中央委員会「知るぽると」が発表した「子どものくらしとお金に関する調査」(2015年12月から2016年3月にかけて、小中高生に対して学校を通して調査票による無記名自記式の記述方式で実施。有効回答数は小学生1万6329件、中学生1万3131件、高校生2万0689件。地域分散済み)から探る。
次に示すのはお年玉をもらった人に限定し、そのお年玉をどのように取り扱ったかについて複数回答で尋ねた結果。小学校低学年は設問自身が無いためグラフ上には反映されていない。また小学校中学年と高学年では「おこづかいとして自己管理」の項目が「おこづかいで足りないものを買う」と「自分で持っている」に二分されているため、後者のみを適用して同項目内にカウントしている。
小学生のうちは「家の人に渡す」「銀行や郵便局に貯蓄する」が多く、何か特別なものを買ったり支払いに充てる、おこづかいとして自己管理する割合は少数派。なお「家の人に渡す」は設問原文でもそのままで、好きな時に引き出しの形で受け取れるのか、家の人に丸投げして自分の管理下から離れるか(保護者から見れば、お年玉の「回収」となる)までは特定されていない。他の選択肢と比較すると、多分に家の人のものになると認識して良いだろう。
中学生から高校生になると、自分の手元に残しておいておこづかいとして自己管理する割合が増加する。「銀行や郵便局に貯蓄する」も、自分が把握できる口座か否かまでは明記されていないこともあり、漸減していく。
大雑把に表現すると、お年玉の取扱いは「小さい時は保護者に渡したり預貯金がメイン」「大きくなるに連れて自分のこづかいとしてプールしたり、特別な買い物に充当する」となる。
これを男女別に仕切り分けしたのが次のグラフ。男女別でお金の取り扱いの違いがよくわかる結果が出ている。
小学生では男女の差はさほどないが、それでも「家の人に渡す」「銀行や郵便局に貯蓄する」の割合は女子の方がいくぶん大きめとなる。中高生となると「家の人に渡す」の値で男女差が無くなる一方、「銀行や郵便局に貯蓄する」、さらには「おこづかいとして自己管理」の割合で男女の差が大きくなる。特別な買い物や支払いに充てる項目の差異もあまり無いことから、男子よりも女子の方がお金には堅実で、年上になるほどその傾向が顕著になるように見える。
特に「家の人に渡す」の実情については、具体的に保護者にその正否について尋ねたいところ。しかし今件調査は子供自身に対して行われたため、その実態までは分からないのが残念ではある。
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