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与野党7党で「18歳選挙権法案」を衆議院に提出。若者はその先のワカモノマニフェストを総選挙にぶつけろ

高橋亮平日本政治教育センター代表理事・メルカリ経営戦略室政策企画参事

11/19、与野党7党で「18歳選挙権法案」が提出された

昨日11月19日10時、衆議院に自民、公明、民主、維新、次世代、みんな、生活の与野党7党によって「18歳選挙権」実現のための公職選挙法等一部改正案が提出された。

この「18歳選挙権」の実現に関しては、筆者自身、衆議院の参考人として国会に呼ばれ、意見陳述や国会議員の質問への答弁も行ったほか、2000年、大学時代に友人たちとNPO法人Rightsを立ち上げて以来、14年間訴え続けてきて、ようやく与野党による法案提出になったと思うと、非常に感慨深いものがある。

「18歳選挙権」の実現は、単にこれまで選挙権のなかった18歳、19歳の240万人が有権者になるというだけでなく、この国の民主主義の仕組みが進歩していくための、大きな一歩であるように思う。

実際には、この後21日は、解散になるため、今臨時議会に提案されたすべての議案が廃案になってしまうわけだが、今回、こうして臨時国会に提出された意味は、非常に大きい。

先日、『いよいよ今月国会に「18歳選挙権実現法案」が与野党8党で提出。 抵抗勢力への最後の一押しを若者自身で』でも書いたが、「18歳選挙権」実現に向けて結ばれた「8党合意」で明記されている「2年以内」つまり2016年6月までに「18歳選挙権」を実現するためには、実質、来年の通常国会で公職選挙法の改正を行わなければならないからだ。

しかし一方で政治状況を見ると、来年の通常は重要法案が山積、政局にすらなりかねないような状況がある。

さらに追い討ちをかける様な解散、総選挙である。

こうした中、先日、国会内で開かれた高校生や大学生など若者と国会議員によるシンポジウムが行われた際、「解散の際には、今臨時国会中に改めて、来年通常国会で成立させる旨明記した8党の再合意を文章で結ぶことと、特別国会で法案提出、通常国会の冒頭で成立を目指して欲しい」と求めていた。

なぜなら、選挙を挟むと、これまでの積み上げが台無しになってしまう可能性があったからだ。

こうした中での、今回の臨時国会内での法案提出は、これまでこの問題に積極的に取り組んでくれた与野党国会議員の若者に対する最大限の誠意と、この後、来年の通常国会において、本気で「18歳選挙権」実現するという政治家としての意思だと感じた。

今回の提案において、重要だったことは、大きく2つあったと思う。

一つは、憲法改正に関する国民投票法の流れの中で、すでに決定事項であるという流れの中で「8党合意」のすべての政党(※新党改革は衆議院に議席がないため7党での提出になっている)で、こうして衆議院に提出できたということ。

もう一つは、おそらく自民党内には、本心では反対という議員も一定数内在するであろう中で、自民公明という与党で一体となり進め、参議院も含めた自民党全体での合意を取った上で、議員立法による法案提出という既成事実を作れたことだ。

一方で、ここまで来てもなお、「18歳選挙権」の実現が確実になったわけではない。

この後、廃案になったこの「18歳選挙権法案」は、来年1月から始まる通常国会のできるだけ早い段階で再提出してもらい、成立まで導いてもらう必要がある。

通常国会には、予算のほか、重要法案が山積する中で、どの様に政局にならないように8党が足並みを揃えて、すでに規定路線としてスムーズにいけるかがポイントになってくる。

とくに18歳や19歳などこの法案によって今後の政治参加が左右するような若者たちには、是非、当事者として声を上げ、成立が決まるまで働きかけを続けてもらいたいと思う。

「18歳選挙権」実現が見えてきたからこそ、この総選挙では「ワカモノ・マニフェスト」をぶつけろ

2008年、解散が噂される中で、各界で活躍する同世代に集まってもらい、世代間格差の是正や、持続可能な社会システムへの転換などを柱に、「ワカモノ・マニフェスト」を掲げて、政界や行政、各界に問題提起を行った。

とくに若者に影響の強い、「労働・雇用」「財政・社会保障」「若者参画」「家族・教育・子育て」と4分野をピックアップし、今回の「18歳選挙権」に関わる「若者参画」については、「01 若者の意見反映を義務付ける若者参画基本法の制定と若者政策担当大臣の設置」、「02 世代別選挙区制度とドメイン投票の導入、選挙権を16歳・被選挙権を成人年齢へ年齢引き下げ」、「03 SNS等ICTを活用したオープンガバメントや直接参画の仕組みの構築と、インターネット選挙の解禁」、「04 政治教育の義務化」、「05 官邸フェローや政治任用の促進による政策人材の流動化」を掲げた。

いみじくもこのタイミングでの解散、総選挙である。

英国などの「Youth Parliament」「Youth Council」、スウェーデンの「LSU」など、欧米には、若者の利益団体や若者の声を政治や政策に反映されるための様々な仕組みが作られている。

当時、行ったワカモノ・マニフェストにこだわるつもりはないが、若い世代には、「18歳選挙権」だけでなく、是非、自分たち世代にとってのあるべき政策を掲げるとともに、その要求を行ってもらいたいと思う。

日本政治教育センター代表理事・メルカリ経営戦略室政策企画参事

元 中央大学特任准教授。一般社団法人生徒会活動支援協会理事長、神奈川県DX推進アドバイザー、事業創造大学院大学国際公共政策研究所研究員。26歳で市川市議、全国若手市議会議員の会会長、34歳で松戸市部長職、東京財団研究員、千葉市アドバイザー、内閣府事業の有識者委員、NPO法人万年野党事務局長、株式会社政策工房研究員、明治大学世代間政策研究所客員研究員等を歴任。AERA「日本を立て直す100人」に選ばれた他、テレビ朝日「朝まで生テレビ!」等多数メディアに出演。著書に『世代間格差ってなんだ』(PHP新書)、『20歳からの社会科』(日経プレミアシリーズ)、『18歳が政治を変える!』(現代人文社)ほか。

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