Yahoo!ニュース

【川崎市中原区】地域住民に愛された行列のできる町中華と洋食店が10月末で閉店!ご夫婦からの手紙に涙

なかじまひろこライター兼地域クリエイターズ(川崎市)

今日のランチは、昼時には行列ができる町中華の「天下一」に行こうと決めていました。先々週、店の前に行列ができているのを見つけ、並んでいる方におすすめメニューを聞いていたからです。焼肉チャーハンを食べようと、朝からワクワク。12時と同時に店へむかいました。

すると、おでん・牛スジの「桐乃家」さんを通り過ぎて、手前の「M247」さんまで行列しているはずの店は、シャッターが閉まっていました。

手前が洋食「M247」さん。真ん中がおでん・牛スジ「桐乃家」さん。奥の黄色の看板が中華「天下一」さん
手前が洋食「M247」さん。真ん中がおでん・牛スジ「桐乃家」さん。奥の黄色の看板が中華「天下一」さん

掲示が貼ってあったので、今日定休日だっけ?と近づいたところ、

シャッターに、42年の歴史を感じます
シャッターに、42年の歴史を感じます

なんと閉店のお知らせが!

天下一のおばちゃんからの手紙
天下一のおばちゃんからの手紙

えー!!!めちゃめちゃ楽しみにしてたのに!!!大ショックです。

仕方ないので、掲示を読みました。それは天下一のおばちゃんからの手紙。読んでいるうちに、創業42年の歴史の中、お客様みんなに愛されていたおばちゃんと、常連のお客さまたちとの賑やかであたたかなやりとりが、なぜか脳裏に浮かび、思わず涙がでました。

以下、天下一のおばちゃんからの手紙です。常連のお客様へ届きますように。

「みなさまへ

この度、天下一を閉店する事となりました。42年の長きにわたり、皆様には「天下一」を愛して頂き感謝の気持ちでいっぱいです。『おばちゃん!』『おばちゃん!』と声をかけていただく事、体の心配してくださる声や長生きなんかも願っていただいたり。

私の全てはここにありました。たくさんの思い出、たくさんの笑顔、お心遣い・・・42年と言う時の中、思えば思うほど皆様のおかげで本当に幸せな人生を歩ませていただきました。時々『あんな店もあったよね』なんて思い出していただけたら、また幸せです。

おばちゃんはこれからの人生、皆様との思い出を胸に少しゆっくり生きてみようと思います。さようならは言いません。「マタドコカデ アイマショウ」本当に本当にありがとうございました。天下一のおばちゃんより。」

私と同様に、天下一でお昼ご飯を食べようとやって来た人たちが、おばちゃんからの手紙の前でしばらく立ち止まっては通り過ぎていきました。そんな人たちが、何人も何人もいました。

お昼を買いに行かなくちゃと、急いで洋食「M247」の前を通り過ぎようとすると、

洋食「M247」。こちらも歴史を感じさせる店構え。
洋食「M247」。こちらも歴史を感じさせる店構え。

何やら掲示が。

並びのお店も10月31日で閉店ですか!

すると、シャッターにもう一つ、なんだか見覚えのある掲示が。

店主からの手紙
店主からの手紙

店主からのお手紙が貼ってありました。読み進めていると、そういえば、グリチーネ時代にまだ保育園児だった息子を連れて、家族で何回か休日ランチを食べに行っていたことを思い出しました。家族経営だったんだーとか、天下一のおばちゃんとご夫婦なのね!とか、店主の人生を一緒に手紙で振り返りました。お客様に美味しい料理を提供しようと長年真摯に追及してきた、シャイな店主のお人柄と料理人人生を思い、温かい気持ちになりました。

ということは、天下一も当時からやっていたはず。なぜ利用しなかったのだろうと考えたら、先代の丸仙に通っていたからだと思い出しました。小さな子どもには、無料で小さなお椀にコーンを入れてくれるサービスがあったので、息子は2歳のときから丸仙一筋だったのです。

店主からのお手紙です。ファンの皆様に届きますように。

「お客様各位 

この度、2022年10月31日にM247を閉店する事となりました。グリチーネのオープンからM247 へと名を変えましたが、24年の長きに渡り、皆様にはM247を愛して頂き感謝の気持ちでいっぱいです。

18歳で洋食屋のコックとなり、33歳の年に武蔵小杉で自分の城となる「天下一」をオープンさせ、50歳の年で料理人として最後の夢、洋食屋のグリチーネを開店させました。随分と長い間、美味しいものを追いかけた人生でした。

あまり接客などは得意ではなく、妻や従業員、娘やアルバイトに助けて貰いながら、料理場の奥で皆様の『美味しい』というお声、『マスターまた来るね』というお声がけに励まされ、日々、私にできる最大限の丁寧な仕事と向き合ってきました。

「我が料理人 人生に悔いなし」と胸を張れるほど強い心臓は持ち合わせてはいませんが、皆様と分かち合えた時間はこれから残された人生の宝物として大切にし、少しのんびりと歩んでいこうと思います。私の店、そして私どもファミリーを愛して下さり心から感謝申し上げます。「マタ イツカドコカデ」店主より」

長年、地域住民のおなかと心を満たしてくれてありがとうございました!

そういえば、真ん中の桐乃家さんにも張り紙が貼ってありました。

おでん・牛スジ「桐乃家」さん
おでん・牛スジ「桐乃家」さん

もしやと思い、見てみると、

お休みしていたようですね
お休みしていたようですね

良かった!営業再開していました!

店先のお花は生き生きとして元気でした。大事に育てられているのでしょう。
店先のお花は生き生きとして元気でした。大事に育てられているのでしょう。

「店先でお花を育てているお店はおいしい店」という噂を聞いたことがあります。和洋中揃っていた最後の砦、和の「桐乃家」さん。ぜひ食べに行かねばと思います。

info : おでん・牛スジ「桐乃家」
住所 : 神奈川県川崎市中原区今井南町483
電話 : 044-722-0711
お店のホームページなどは無いようです。参照:食べログ

ライター兼地域クリエイターズ(川崎市)

おいしいものとお得な情報が大好きな主婦です。結婚してから川崎に住んで18年になります。コロナ禍で頑張っている地元のお店や地元民に人気のスポットなどをご紹介します。

なかじまひろこの最近の記事