メールが一番通話が二番、でも若年層は…デジタルコミュニケーションの世代間格差
総務省が2013年7月16日に発表した「情報通信白書」の2013年版から、携帯電話(一般携帯電話(フィーチャーフォン)だけでなくスマートフォンを含む)、そしてパソコンなどによるインターネットなど、デジタル機器を用いたコミュニケーションの仕方や利用時間について見ていくことにする。ネットコミュニケーションの世代による違いが見える結果が出ている。なお今件はデジタル機器を用いた意志疎通で、直接対面による会話や、手紙などによるやりとりは別途行われていることに注意してほしい。
まず最初は行為者率。要はその行為をしているか否か。例えば全体で「携帯通話」は25.8%なので、「携帯通話」で他人とやり取りをしている人は1/4ということになる。
若年層に限ればメールだけでなく「ソーシャルメディア」の利用も盛ん。20代までは「携帯通話」以上に使われている。30代を超えると急速に「ソーシャルメディア」によるコミュニケーションは減り、通話がやや増加し順位が逆転する。さらに40代以降になると「携帯通話」の利用率は横ばいのまま、その他のデジタル系が減り、50代以降はほぼ「携帯通話」と「メール・SMS」のみとなる。歳を重ね、特に中堅層以上で回答率そのものが減るのは、デジタル機器とは疎遠になるのと共に、直接対話などによるコミュニケーションが増えているからだと考えられる。
これを利用時間別にみると、世代間のデジタルコミュニケーションスタイルの違いが一層強く浮かび上がってくる。
10代では行為者率は「携帯通話」の方が上だが、利用時間では圧倒的に「ネット通話」が上になる。同世代では「LINE」をはじめとする無料通話アプリが深く浸透し、通話料金を気にせず話せることから、多分に、長時間活用されているようだ。「メール・SMS」も長時間利用され、ソーシャルメディアも30分近く使われるなど、多方面で活発にコミュニケーションをしている。
20代以降になると「ネット通話」の利用は減り、30代以降は「ソーシャルメディア」の利用時間も大きく縮小。一方で「メール・SMS」はほとんど減らず、相対的に「メール・SMS」がデジタルコミュニケーションの中心となっていく。
個々の世代の特性をまとめると「10代…ネット通話とソーシャルメディア」「20代…ソーシャルメディア」「30代以降…メール・SMS」が目立つ形となっている。これはそのまま、各世代がデジタル機器にはじめて触れた時期に主流だった、コミュニケーション手段でもある。多くのツール・道具の中から、最初に使ったものを継続使用し続けるのは、デジタル機器に限らずよくある話。デジタル系コミュニケーション手段でも、似たような傾向が確認できる次第である。