健康は我慢からおいしいの時代へ!食の新しい扉をあけるウェルネスフードとは?料理家が注目した商品・技術
突然ですが、「ウェルネスフード」という言葉をご存じですか?「ウェルネス=健康」「フード=食品」を組み合わせた言葉で、おいしく健康増進ができる食品のことを指します。
先日、東京ビックサイトで、『ウェルネスフードジャパン2024』という展示会が開かれていて、お邪魔してきました。今注目の分野だけに、出展企業さんや来場客も多く、大盛況で活気がありました。新しい技術や商品の紹介に、ちょっと大袈裟ですが、「新しい食の扉が開いた」「健康食は我慢から楽しむ時代に変わった」なんて感じたんです。
そこで今回は、料理家の立場から気になった商品や企業ブースを紹介します。一般の方にも配布しているサンプル品は頂きましたが、それ以上の提供はなく、公平な立場から興味を持った情報をお届けします。
アプリと連携のオリジナル薬膳茶
薬膳料理家として有名な阪口珠未(さかぐちすみ)先生の漢方キッチンのブースでは、企業または店舗さん向けに、オリジナルの薬膳茶が紹介されていました。
体質診断をする無料アプリも紹介されていて、このアプリの診断にそって提供できるよう、オリジナルのブレンドをして販売するという新しい試みです。
アプリとの連携で、例えばカフェではお客さんは自分のスマホで診断をして、オリジナルブレンドの薬膳茶が注文できるようになります。お客さんは楽しめて健康を、カフェにとっても他店舗との差別化を図り、集客アップができますよね。楽しみながら健康を手に入れることができる新しい試みだと感じました。
記憶力アップのヨーグルトはお手頃価格
岐阜県郡上八幡の乳酸製品メーカーのノーベルさんのブースでは、DHA入りのヨーグルトなどが紹介されていました。なんと1カップに、鯖缶1缶分の1000mgのDHAが入っていて、認知症の改善や子供の記憶力アップに良いそうです。
「DHAが入るとにおいがきついのでは?」との疑問もわいたのですが、実際に食べてみると普通のおいしいヨーグルトでした。担当の方曰く、「ヨーグルトにDHAを混ぜこむ技術が特別ですごい」のだそうです。
価格は1カップ160円とお手頃価格でした。販売は地元のスーパーが主で、全国展開はしていないそうですが、通販でまとめて買えるそうです。私事ですが、我が家には受験生がいるので、取り寄せて続けてみようと思っています。
また高麗人参や青汁と乳酸飲料を合わせた商品も紹介されていました。「青汁と乳酸菌」を試飲させてもらったところ、まったく青臭さがなく、普段飲んでいるヤクルトやピルクルのようにおいしかったです。担当の方曰く、「匂いや味がしないように隠しながら混ぜる技術がすごい」のだそうです。
これもお手頃価格で1本170円です。私事ですが、美容と疲労感が気になるので、「高麗人参と乳酸菌」を取り寄せて続けてみたいと思っています。
カカオ不使用のごぼうのチョコレート
株式会社あじかんのブースでは、カカオを一切使用していない焙煎ごぼうで風味を付けたチョコレート『GOVOCE(ゴボーチェ)』が紹介されていました。ごぼうを焙煎することで、ほろ苦さが加わり、チョコレートのような味わいになるのだそうです。
実際に食べてみると、口に入れた瞬間はごぼうの風味がして、そのあとチョコレートの濃厚さがあり、次に焙煎ごぼうの苦みになるというような味の変化を楽しめます。カカオが入っていないとは思えないほど、チョコレートのような食感と味わいでした。私は個人的に、チョコレートとごぼうの組み合わせが好きで、ブラウニーを作ったりするので、違和感なくおいしく食べられました。
焙煎ごぼうを使うことで、2かけでレタス100g分の食物繊維がとれるそうです。おいしさだけでなく、健康面でも優れた商品です。2024年のウェルネスフードのOYATSU部門で金賞を受賞した注目の商品なので、気になる方は手に取ってみてくださいね。
脱グルテンはもう古い!時代はブロックへ
最近ではグルテンフリーの食品が注目されていますが、マクビーさんのブースではその先で、グルテンは入っていても吸収しない技術・商品が紹介されていました。平戸つる草というゴーヤに近い植物の濃縮エキスを小麦粉に加えることで、食べた時にグルテンが腸で吸収されないようになるそうです。
グルテンブロックによって、小麦製品をおいしく食べつつも健康被害を防ぐことができる技術です。小麦製品の可能性を広げるので、今後はさらに注目度がアップして需要が高まる技術だと思いました。
生で食べられる!サラダ小松菜
静岡県浜松市の森島農園さんのブースでは、機能性表示食品でもある生で食べられるサラダ小松菜が紹介されていました。ルテインが豊富で、かすみ目やぼやけなどの改善効果があるとのことで、くっきり見る力を改善してくれるのだそうです。まさに目を酷使する現代人にありがたい小松菜です。
また、品種改良により、生食ができるモロヘイヤも紹介されていました。これまではアクが強くて下茹でが必須だったモロヘイヤが生でそのまま食べられます。実際に食べてみると、苦みもなく、ねばねば感を楽しめて美味しかったです。サラダのトッピングなどに便利そうです。
まとめ
・アプリ連携で体質にあう薬膳茶が飲める
・記憶力増進のヨーグルトはお手頃価格
・焙煎ごぼうでカカオ不使用のチョコレートがおいしい
・脱グルテンからグルテンブロックで小麦製品を楽しめる
・品種改良でモロヘイヤが生で食べられる
今回の展示会を通して感じたことは、「技術の進歩で健康増進は我慢⇒楽しみながらできる」時代になったということです。一般消費者の立場でも、楽しみながら健康増進の食事ができるので、楽しみながら取り入れていこうと思いました。ぜひ気になった商品を手に取ってみてくださいね。
■取材にご居力頂きました会社様