【姫路市】類なきアップサイクル! チョコレート製造時に通常は廃棄されるカカオの豆殻が価値あるチョコへ
「チョコレート」と簡単に言わないで。チョコレートを製造するときに取り除かれるカカオ豆の薄皮(ハスク)で仕上げる「チョコレート」だから。姫路市書写の「capRe chocolate」では、苦味と渋味が強くて食べるのに適さないとされるハスクを配合バランスや加工方法に工夫を凝らし、製品にしています。
「ハスクオーレ」で未知の領域を突破
工房で作業をしているのは松本泰世さん。姫路で育ち、北海道の酪農学園大学へ。大学時代、近くのビーントゥバーチョコレートショップでアルバイトをしていた経験と研究室でチーズ造りの際に出る副産物ホエイを石鹸として生まれ変わらせた体験が結びつき、ハスクチョコレートが誕生しました。
店名「capRe(カプリ)」は、やぎ座capricornと再生のReから。「3等星以下の星座だけれど少しの幸せをもたらせればという思い。ゆくゆくはヤギの酪農も目指していまして」とやぎ座の松本さん。
再生でいえばハスクのほか、近隣農家で目にした排除するしかない折れた葉や発育不良のホウレンソウをチョコレートにリボーン。手間暇かけ、新しい命を吹き込んだ。
色はもちろん、味も抹茶に似ている!
ハスク入門としては特徴が分かりやすい「ハスクオーレ」がいいのでは。
ハスクを濃いめに煮出してミルクで割った飲み物。
しっかりとした香り。苦味と渋味。すっきりとした口あたり。豆殻が原料とは想像できない。
未知の領域に踏み込めた!
板チョコ5種。ギフト用の粒チョコも
ハスク。これを細かく砕いて使用。
ハスク、砂糖(商品によってグラニュー糖や素焚糖を両方入れたり、使い分けたり)、カカオバターがチョコの原料です。
5種類の板チョコ。それぞれ試食ができます。
●ウガンダ
自然。ココア感があり、一般的なチョコのよう。渋味が少ない。
●インド
「おおっ」。重めの味わい。苦味と渋味が後からもじわじわ。
「ウガンダ」と「インド」のハスクはバイト先だった北海道のチョコレートショップから届きます。
「フィリピン」はビーントゥバーチョコレートのオリジン70とハスク72を食べ比べられるよう、カカオ豆を仕入れて工房で火入れ、殻むきを。
●フィリピン・オリジン70
バナナのような甘い香り。カカオ分は70%だが、思ったより苦味が少ない。
●フィリピン・ハスク72
「オリジン」よりは、さらりとしている。甘い香りが印象的。
●ブレンド(ハスク)
スパイシーさとフルーティーさを併せ持つ。オリエンタル!
チョコを包む紙、何か気づきませんでした? ハスクを漉き込んだ和紙です。京都府宮津市の和紙工房での手作り。触るとざらざら、安心感。食品にも包装紙にもハスクの活用とは、粋な商品でしょ。
シーズンに入るとチョコレートと相性のよいドライフルーツ、ナッツなどをペアにした「粒チョコギフト」も用意されます。※現在は要予約
本来は出合うはずのなかったカカオ豆の殻。無駄なく、滋味深く、愛おしく。
千姫、ハスクに、夢中。
capRe chocolate
兵庫県姫路市書写231-1
営業時間:11:00~18:00
定休日:火曜 ※10月5日(土)はイベント出店のため臨時休業
駐車場:あり
※問い合わせ、予約はインスタグラムのDMから