子供達がもらっているお年玉の総額をさぐる(2019年公開版)
毎年この時期になると子供達が皮算用を始め、大人達がそろばん勘定で頭をかかえるのがお年玉について。世間一般として子供達はどれぐらいの額のお年玉をもらっているのだろうか。学研教育総合研究所が発表している白書シリーズ(※)から、その実情を確認していくことにする
まずは幼児、今件では4~6歳に対するお年玉の実情。2019年のお正月にもらったお年玉が対象となる。
あくまでももらった額全体の平均額で、しかももらっていない人も合わせての計算となるので、具体的にこの属性の子供が一人の大人からどれぐらいの金額をもらっているかまでは分からないが、総額ではおおよそ1万5000円ほどが相場になる。男女別ではほとんど変わりは無く、年齢階層別では年が上になるに連れて金額は大きくなる。
他方、お年玉をもらっていない人の割合は1割足らず。属性別では男子が1割を超えているのが目に留まる。子供にお年玉を与える行為について、大人側にも色々と考えがあるということだろうか。お年玉代わりに玩具などを直接買い与えるパターンなのかもしれない。
続いて小学生。
小学生全体の平均額は2万1047円。男女別では女子の方が金額は大きい。学年別では当然のことながら、上の方が金額も大きなものとなる。小学1年生と小学6年生との間には6000円ほどの差が開いている。
お年玉が無しの割合は小学生全体では5.6%となり、幼児よりは少ないようだ。男女別では男子の方が高い値が出ているが、学年別では特段法則性のようなものは見られない。
続いて中学生。こちらは2017年のお年玉の実情データが最新のものとなっている。
中学生全体の平均額は2万6529円。小学生と比べると5000円強の上乗せ。2017年時点のデータなので、直近ではもう少し底上げされていることだろう。男女別では女子の方が大きな額だが差異はさほど無し、学年別では中学3年生が飛び抜けて大きな額となっている。高校受験間近ということもあり、発破をかけられているのかもしれない。
お年玉が無しの割合は中学生全体では5.0%。中学生も男子の方が高い割合を示しているのは興味深いところではある。やはりゲーム機などで現物支給をしてもらうパターンが少なくないのだろうか。
最後は高校生。こちらは2018年のお正月の実情データが最新。
高校生全体の平均額は2万2579円で、無しの割合は7.7%。中学生と比べると金額は小さく、無しの割合は高めとなっている。単純に年齢だけを考えれば意外なように思えるが、高校生の少なからずはアルバイトをして自らの稼ぎを得ていることもあり、お年玉は不要との認識が大人側・高校生側どちらか、あるいは双方にあるのかもしれない。無しの人の割合で高校3年生が11.0%と高い値が出ているのも、その推測を補強するものとなる。あるいは受験を控えて勉強が忙しくなり、お年玉をもらう機会となる外出や親戚と出会う機会が減るのも一因かもしれない。
今件はあくまでも子供側がもらった総額を示したもので、大人側一人あたりの平均額ではないことに注意する必要がある。とはいえ、子供が正月に何人の大人と会ってお年玉をもらう機会を持つかはある程度想像ができることから、それを基に逆算する形で額を決めるのもありかもしれない。
一方子供側としては、これらの平均額と自分の実額を照らし合わせて一喜一憂するなり、皮算用をするのも一興ではある。
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※学研教育総合研究所が発表している白書シリーズ
学習教育総合研究所では幼児(4~6歳)、小学生、中学生、高校生を対象とした日常生活や学習に関する調査を実施し、その結果を白書としてまとめ公開している。小学生白書はほぼ毎年だが、幼児白書・中学生白書・高校生白書は不定期の公開となっている。小学生白書の最新版となる2019年版はインターネット調査によるもので、2019年8月27日~8月30日にかけて、小学生の子供を持つ保護者の中から調査に協力してもらえる人をモニター母集団から抽出し、保護者付き添いの下で小学生本人が回答するように依頼。小学1~6年各学年で男子100人と女子100人ずつとその保護者(計1200組)の回答が集まったところで調査を終了している。つまり調査対象母集団は男女・学年別で均等割り当て。過去の調査や幼児・中学生・高校生への調査もほぼ同じスタイルで実施している。
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