【新潟市江南区】失われた伝統織物を復活!!柔らかな風合いの「亀田縞」をご紹介!!
新潟で活躍している人物を紹介する地域情報サイト「ガタチラ」のトクオです!!
“亀田縞”をより身近に~復活させた伝統を現代に紡ぐ~
【立川 治秀さん・吟子さん(立川織物)】
お2人にお話しを伺ってきました!!
【プロフィール】
立川治秀さん(たちかわ はるひで): 新潟市江南区出身。高校卒業後は東京理科大学に進学。その後、実家である立川織物を継ぎ、現在6代目。亀田縞正規伝承人として亀田縞を復活させ、多くの方に愛される商品を作り続けている。
立川吟子さん(たちかわ ぎんこ):親の仕事柄、幼い頃から各地を転々としていた。高校生の時に新潟市に住み、治秀さんと出会う。高校卒業後は看護学校へ進学。看護師として働くが結婚を機に退職し、立川織物で治秀さんをサポートしている。
お二人の出会い
トクオ:お二人の生い立ちについて教えてください。
治秀さん:私は、ここ亀田の土地で生まれ育ちしました。
吟子さん:私は、親が転勤商売だったので各地を転々としていました。高校に入る時に新潟市に来て、主人と同じ高校でした。
トクオ:高校の同級生だったのですね。卒業後は何をされていたのですか?
治秀さん:高校卒業後は、東京理科大学に進学しました。担任から「どうせ家業を継ぐなら、経営工学という学科に行ったらどうだ」と勧められて行きました。
吟子さん:私は親の仕事の関係で札幌にある看護学校に進学し、その後は看護師として働いていました。
トクオ:そんなお2人が亀田縞を復活させたプロセスが気になり
「何かを残したい…」その想いで復活させた亀田縞
トクオ:立川織物の歴史は古いですよね。
治秀さん:創業は明治17年。私で6代目になるのですが、機屋を始めたのは2代目のようです。役場に資料が無いと言われ、はっきりとした歴史は分かりません(笑)。
トクオ:資料がないんですね(笑)。亀田縞は当時から作られていたのですか?
治秀さん:戦争後、亀田縞はなくなっていたんですよね。父親は亀田縞という言葉は知っていても、生地は知らないと言っていました。しかも、戦争の頃は糸がなかったんですよね。
吟子さん:糸はないですし、織機は鉄なので回収されていました。
治秀さん:昔は至る所に機屋があったのですが、今残っているのは、うちと中営機業さんの2社だけです。
トクオ:亀田縞を復活させるきっかけは何だったのでしょうか?
治秀さん:機屋が2社になった時、「うちもいずれは倒産するのかな…」という話から、「じゃあ潰れる前に何か残したいね」という話になり、昔あった亀田縞を復活させようと始めました。
トクオ:作り方などはどのように調べたのですか?
治秀さん:郷土資料館に縞見本帳という本が2冊残っていたんです。その本に小さな生地が載っていて、その生地から糸や組織、密度を調べ、できるだけ昔の形状に寄せて復活させました。
トクオ:復活させるまでの過程は大変だったのではないでしょうか…。
治秀さん:昔より今の技術の方が圧倒的に上なので、織ることに関しては大したことはありませんでした。見つけるまでは苦労しましたね。
トクオ:その苦労を経て完成されたのが現在の亀田縞なのですね!
治秀さん:そうです。文献を調べると、紺縞と白縞というのがあることが分かったんです。それから白の亀田縞も完成させました。薄い生地や無地の生地を作ったり、お客さんの要望からどんどん新しいものが生まれました。
お客様とのエピソード
トクオ:亀田縞の魅力やこだわりを教えてください!
治秀さん:お客さんは「生地が柔らかくて縫いやすい」とよく言ってくださいます。
吟子さん:「亀田縞は暖かいし、薄地のものは涼しい」と言ってくださる方も多いですね。秋冬は少し厚手のもの、春夏は少し薄手のものと季節を問わず楽しめるのも魅力です。
トクオ:お客様との印象に残るエピソードはありますか?
吟子さん:うちの商品をとても気に入り、だめになるまで着てくださって、同じものをまた作って欲しいと言われた時はとても嬉しかったですね。
普段着として亀田縞を楽しんでほしい
トクオ:お客様は何を購入されることが多いですか?
吟子さん:最近は生地を購入される方が多いです。特にマスク用の生地を購入し、色々な柄のマスクを作って楽しんだり、友達にプレゼントされている方をよく見ますね。
治秀さん:この前は、子供用のパンツを作った方もいたよね。亀田縞のパンツなんてお洒落ですし、普段の洗濯と同じように洗えるので良いですよね。
吟子さん:お洒落着としてではなく、普段着として亀田縞を着て欲しいですね。普通の洋服と同じようにじゃぶじゃぶ洗って、干しても大丈夫です。
トクオ:普通の服と同じように洗っても大丈夫なんですね。亀田縞だからといって気遣いせずに日常使いができますね!
治秀さん:毎年同じ服を着ていると、「去年も着ていたよね」と言われて気にしますよね。でも「亀田縞だから」と言えば、納得感もあると思います。生地も丈夫なので、何年も着続けられます。
吟子さん:通販サイトガタ市でも販売しているマスクは、洗っても生地自体が伸びたり急激に縮んだりすることはないです。むしろ洗うことで顔にフィットすると思います。マスクは3枚重ねでしっかり守れますし、ゴムが伸びたらゴムだけ付け替えれば繰り返し使えますよ。
トクオ:妻(セツコ)がゴムを付け替えてくれてくれるので、おそろいの柄のハンカチと長く愛用しています!
亀田縞を世界へ発信していきたい
トクオ:亀田縞の商品を多くの方に手に取ってもらいたいですね!
吟子さん:まずはマスクの色や柄、触った感じなどを体験してもらい、そこから亀田縞に興味を持ってもらいたいですね。
治秀さん:ストールは、ニットのように編むように織っているので伸びるんです。伸ばすことで空気が入り、ふんわり感が戻ります。
トクオ:ふんわりしたストールは肌触りもいいですね!今後、挑戦したいことはありますか?
治秀さん:もう歳なので挑戦したいことはないですかね(笑)。強いて言えば、ストールを海外に向けて販売できたら良いな…なんて思っています。
吟子さん:まだまだ亀田縞を知らない方も多いので、まずは立川織物の亀田縞を知ってもらいたいです。県内、日本全国、それで海外へと販売できたら良いですね。
トクオ:新潟から伝統織物が日本のみならず海外にも広く知れ渡るといいですね!
【立川織物】
住所:新潟市江南区袋津3丁目1番52号
電話番号:025-381-3067
営業日時:平日9:00〜17:00
定休日:土曜・日曜・祝祭日