熱中症での救急搬送人数は1週間で2053人(2019年5月20日~5月26日)
・直近週における熱中症による救急搬送人数は2053人(2019年5月20日~5月26日)。
・年齢階層別では乳幼児が1.7%、少年が24.5%、成人が30.1%、高齢者が43.7%。
・地域別では東京都の185人がもっとも多く、次いで愛知県の136人。
総務省消防庁は2019年5月28日、同年5月20日~5月26日の一週間における熱中症による救急搬送人数が2053人(速報値)であることを発表した。消防庁が掌握している今年の累計人数は3354人(速報値)となっている。初診時に熱中症を起因とする死亡者は今回週では4人が、3週間以上の入院加療が必要な重症判定を受けた人は28人が確認されている。なお前年2018年の同時期における熱中症による救急搬送人数は574人(確定値)で、今回週の人数はその約3.6倍に相当する。
昨年に続き今年の夏も法的拘束力のある電力使用制限令、または数字目標のある節電要請、さらに数字目標無しの節電要請ですら必要は無い。しかし震災から8年が過ぎた今なお、電力需給の観点で不安な状況が継続していることに違いは無い。
また2019年4月時点で気象庁が発表していた最新の夏季予報では、平均気温はほぼ平年並み(北日本でやや低め、沖縄・奄美地方で高め)となる可能性が高いとの話だった。降水量は全国的に多めとの予想とも併せ、熱中症リスクの観点ではいくぶんの安心感を覚えさせるものの、油断は禁物。他方、ここ数年は気温の上昇が早めに生じ、5月から、特にゴールデンウィーク前後において、熱中症で救急搬送される人が多分に確認されている。
消防庁では昨年と同じように今年においても、熱中症に係わる搬送車の調査とその結果報告について、5月初日が含まれる週の月曜となる4月29日から開始する形で、逐次報告を行うことになった(終了日は9月末日が含まれる週の週末)。
今回発表された各種値は今年の分としては第4週目のものとなる。現時点では速報値であり、今後逐次確定値に切り替えられることになる(確定値は速報値よりもいくぶんの増加が生じることが多い)。
地域別では東京都の185人をはじめ、愛知県の136人、埼玉県の127人などが上位についている。金曜日から日曜日にかけて気温が上昇した東日本・北日本で多くの搬送者が出たようだ。特に北海道では土曜日から日曜日に記録的な高温を記録し、猛暑日(1日の最高気温が35度以上の日)が複数の観測地点で確認されており、その暑さが搬送人数を底上げしたものと考えられる。
消防庁では今件熱中症の救急搬送者の統計ページにおいて、熱中症対策のリーフレットを配布している。また、関連省庁の熱中症に係わるページへのリンクも配し、さまざまな官公庁の対策状況や情報を確認できる。各自治体でも情報提供を展開中(一例:熱中症に注意しましょう(横浜市 健康福祉局))。
暦の上では夏はまだ先の話で、梅雨を思わせる雨も見受けられるが、すでに熱中症のリスクに留意しなければならない時期。先週末の猛暑を思わせるような暑さに見舞われることもある。油断することなく、正しい知識やノウハウを再確認し、自分自身はもちろん周囲の人も併せ、健康管理に留意してほしいものである。
■関連記事:
熱中症経験者は1割足らず、予防対策は「水分補給」に冷房、帽子や日傘使用
(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。
(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。
(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。
(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロで無いプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。
(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。
(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。
(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。
(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。