タイガー・ウッズが、どんどん前進。「ドライバーが打てる!」
「前進している」という一言を添えて、スイング動画を発信したばかりのタイガー・ウッズ。その後は「どんどん前進している」回復ぶりを披露し、ついに練習場でドライバーショットを披露した。
今週、バハマのアルバニーGCで開催されているヒーロー・ワールドチャレンジは、ウッズが大会ホストを務める「ウッズの大会」だ。
開幕前の30日、あの2月の交通事故後、初めて公の場に姿を現わし、会見を開いて、重傷を負った右足の状態や現在の心境、今後の見通しなどを赤裸々に語った。
その翌日、ウッズはアルバニーGCの練習場でフェアウエイウッドを握り、フルスピード、フルスイングで球を打ち、その様子を捉えた動画がPGAツアーのツイッター・アカウントから発信された。
右足をかばったりする様子は見られず、スムーズなスイングでショットしているウッズの姿を見て、巷では、来たる12月18日と19日にフロリダ州オーランドで開催予定の「親子大会」PNCチャンピオンシップに「ウッズは長男チャーリーくんと出るつもりなのではないか?」という希望的観測が一気に広がった。
その翌々日の12月3日、ウッズは今度は同じ練習場でウエッジを打ち、4日の土曜日には、出場選手たち全員が第3ラウンドのティオフを終えてコースへ繰り出した後、ウッズはついにドライバーを手に練習場へ。
そして、よどみないスムーズなスイングでドライバーを振った。傍には、トレーナーのコルビー・ウェインも寄り添っていたが、ドライバーショットをしても、ウッズの肉体はノープロブレムの様子だった。
「僕は、打てる。飛ばないけど。パワーはないけど、ドライバーが打てる。(これで)僕はゴルフバッグの中のどのクラブも打てる!」
練習後、TV中継席に30分間ほど加わったウッズは、バッグの中身のクラブを1つ1つ試し、とうとうドライバーが振れたこと、打てた喜びを噛み締めていた。
「まだまだ、やること山積だけど、僕は頑張る。フィジカル・セラピーもちゃんとやって、僕は頑張っているよ」
30日の会見でウッズは、ツアーにフルタイムで参戦することは「決してない」と言い切ったが、「試合を選んで出ることはできる」と復帰に希望と意欲を抱いていることを明かした。そして、「お楽しみ的なトーナメントなら(今でも)プレーできる」と言った。
来たるPNCチャンピオンシップは、もちろん出場する親子はみな真剣にプレーするのだが、ツアー競技ではない親子大会であり、乗用カートでのプレーも許されるため、ウッズが言った「お楽しみ的なトーナメント」にぴったり当てはまる。
そして何より、昨年大会でチャーリーくんとともに戦ったあのときの喜びを、今年も再び父と子で味わいたい、分かち合いたいと願っているはずだ。
フロリダで隣人で親友のジャスティン・トーマスは「タイガーのファースト・プライオリティは、良き父親になることだ。タイガーはそれを一番願っている」と明かしている。
ウエッジからドライバーまで、どのクラブも「打てる」と喜んでいるウッズは、肉体が回復しつつある今、まず何より先に良き父親になることを願っているからこそ、「やっぱりPNCチャンピオンシップに出るのではないか?」。
ウッズが次々に前進している今、それが現実になる可能性は日に日に高まっている。