Yahoo!ニュース

自民党総裁選による金融市場への影響

久保田博幸金融アナリスト
(写真:つのだよしお/アフロ)

 9月12日告示・27日開票の自民党総裁選は、すでに8人が立候補しており、最終的には10人程度が立候補する模様となっている。その行方については、不透明感が強い。

 QUICKが9日発表した9月の株式月次調査では、「当選する可能性が高いのは誰か」の質問では、78%の回答が小泉氏に集中したそうである。

 これに対しQUICKによる8月の債券月次調査では、小泉氏が45%、石破氏が26%と続いていた。

 自民党総裁選の結果は債券市場にどの程度影響を与えると思いますかと言う問いについては、ほとんどないが52%、少し与えるが40%となっていた。

 個別の意見のなかには、「財政拡大、金融緩和を唱える旧安倍派の流れをくむ首相になった場合、市場が拒否反応を起こす可能性がある。」との指摘があった。

 これに対して株式市場では、総裁に望ましい人を聞いたところ、高市早苗経済安全保障相との回答が29%を占めてトップだった。安倍晋三元首相に近く「アベノミクス」の継続に期待する声があった(10日付日本経済新聞)。

 個人的にも自民党総裁選については誰が勝利するかというよりも、旧安倍派の流れをくむ人物であるかどうかが、大きな焦点になると考えている。金利の正常化を妨げるような人物にはなってほしくはない。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

牛さん熊さんの本日の債券

税込1,100円/月初月無料投稿頻度:月20回程度(不定期)

「牛さん熊さんの本日の債券」では毎営業日の朝と引け後に、当日の債券市場を中心とした金融市場の動きを牛さんと熊さんの会話形式にてお伝えします。昼には金融に絡んだコラムも配信します。国債を中心とした債券のこと、日銀の動きなど、市場関係者のみならず、個人投資家の方、金融に関心ある一般の方からも、さらっと読めてしっかりわかるとの評判をいただいております。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

久保田博幸の最近の記事