米国でイエレン財務長官が誕生、最初の試金石は追加経済対策
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米上院は25日、ジャネット・イエレン前米連邦準備理事会(FRB)議長(74)が財務長官に就く人事を、超党派の賛成多数で承認した。同ポストとしては初の女性の登用で、宣誓式を経て26日にも正式就任する。上院は84対15の賛成多数でイエレン氏の人事を承認した(26火付日経新聞)。
日経新聞によると、米財務省発足から約230年の歴史の中で、同氏が初の女性長官となる。同氏は2014年から4年間、女性として初めてFRB議長も務めた。景気回復と格差是正の両立を目指すバイデン体制にとって、イエレン氏の登用は目玉人事となる。
そしてイエレン財務長官は就任後、いきなり大きな課題に向き合うことになる。バイデン大統領は1.9兆ドルの財政出動案を公表しており、イエレン財務長官はこの追加の財政策を議会で通さなければならない。しかし、民主党と共和党が拮抗する上院でも関連法案を早期に可決するには、議事妨害を回避できる60票が必要となる。つまり、共和党から少なくとも10人の賛同を得る必要がある。
共和党側は対策規模が過大すぎるとして経済対策の修正を求めている。確かに日本円で200兆円もの規模の政策が本当に必要なのか。そもそも経済対策よりも早急な課題は新型コロナウイルスの感染拡大を止めることである。むろんロックダウン等で影響を受けるところの支援策は緊急の課題となろうが、巣ごもり需要などで恩恵を受けている企業も多く、特に米国では大手ハイテク企業の業績は好調となっている。米国株式市場ではダウ平均は下げても、ナスダックはしっかり過去最高値を更新している。
とはいえ、前任の大統領が手段はどうあれ公約は次々と実現していたことは確かであり、バイデン新大統領としても、公約を守る姿勢を示す必要があり、これがその試金石ともなる。
イエレン財務長官にとっては、金融経済面での経歴はすごいものの、政治的な経歴には乏しいことで、イエレン長官にとってもこれが大きな試金石となることは確かではなかろうか。