「虎に翼」で話題、尊属殺人事件の背景 ドラマで描かれたこと、描かれなかったこと #専門家のまとめ
よねさんの4分にわたる弁論が見る人の胸を打った連続テレビ小説「虎に翼」。長年性虐待を受け続けた娘が父を殺してしまうというシビアなテーマが朝ドラで扱われたことに驚きました。これが実際にあった事件・裁判であることは、よく知られています。
この裁判について触れている記事を読むと、より理解が深まります。
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
ドラマでは割愛されていますが、高裁(控訴審)の裁判官は法廷で「父親と夫婦同然の生活をして、父親が働き盛りの年齢を過ぎた頃若い男と一緒になる。(それは)父親を弄んだことになると考えたことは?」と質問したり、「(2人の関係は)大昔なら当たり前」といった同情的な声もあったそうです(上記のサイゾーウーマンの記事に初出とともに詳細に書かれています)。
当事者である美位子や、彼女を支えるよねさんの立場でドラマを見ていると、尊属殺人の重罰規定がなくて当たり前だと思えますが、当時としては高い高いハードルであり、また、性虐待の被害者に対しての無理解もうかがえます。
2019年、19歳の女性が実父からの性虐待を訴えた際に、これが無罪になるという衝撃的な判決がありました。これは大きく報道され、世論を喚起し、2023年の刑法性犯罪規定の改正に影響を与えたと言われます。
つらい思いをした当事者やその支援者がいるからこそ、変わってきたものがあるということを、今期の朝ドラから改めて感じました。