『年下上司』が『年上部下』を最強の味方にする3つのコミュニケーション術
『年上部下』の増加により、『年下上司』の皆様はどのようにコミュニケーションを取ったらいいのか等、接し方に悩んでいるようです。
そこで年上部下が自分の味方になってくれる、コミュニケーション術を3つご紹介します。
やりづらい?『年上部下』が増えた理由
最近では、日本の企業で長年当たり前とされていた年功序列を見直し、成果主義に変える企業が増えてきました。さらに、定年後の再雇用制度も導入されたこともあって、『年上部下』を持つ上司が増加しています。
しかし、今まで年功序列制度が長く続き、上司といえば年上の場合が多かった日本において、「やりづらい」と感じることも多いでしょう。
なぜ『年上部下』とのコミュニケーションが重要なのか
企業の方針によっては、昨日まで上司だった人が、今日からは部下になる場合もあります。年齢も上で、さらに知識も経験も自分より上の人が、突然部下になってしまうのです。想像しただけでも、やりづらさを感じてしまうのは仕方がありません。
「年上だから」とついつい気後れしてしまうのは当然なのですが、自分が上司であることは厳然たる事実です。円滑なコミュニケーションは、仕事の生産性にも影響する問題ですので、年上の部下とも良好な関係を築き上げていく必要があります。
年上部下を自分の味方にするには
実は、やりにくさを感じているのは、年下上司ばかりではありません。年下上司が「やりにくい」と思っているように、年上部下も同じく「やりにくい」と感じているものです。
そんな状況を打開し、共に生産性を上げていくためには、仕事上のコミュニケーションが大切になってきます。年上部下との関係を円滑に保つコミュニケーションの仕方を3つお伝えします。
1.敬語で接する
相手が上司であっても部下であっても同じことですが、人は全員「自分を尊重してほしい」という思いを持っています。たとえ組織上は部下であっても、年上である以上、言葉遣いに気を配ることは大切です。会話の際には敬語で接するのは基本と言えるでしょう。配慮しすぎてこびへつらうことはありませんが、それなりの節度を持って対応しましょう。
2.心を開いて相談する
年上部下には、ここまで培ってきた経験もあり、年長者としてのプライドもあります。その点を考慮に入れず、他の年下部下と同じように指摘をしていると、「見下げるような態度の年下が言うことは聞きたくない」「今までの実績を認めてくれていない」とへそを曲げてしまう場合があります。
しかし指摘をすべき場面では、上司としてしっかりと指摘をしなければなりません。そこで、同じ指摘をするのでも、言い方に気を配る必要があります。
例えば、年上部下が他のメンバーとは異なる方法で仕事をし、効率が上がっていないケースでは、以下のような言い方に気をつけましょう。
NG 「◯◯さんの方法では、効率が上がりません。他のメンバーと同じ方法にしてください」
→頭ごなしの言い方ではよくありません。
OK 「◯◯さん、ご相談をしてもいいですか。実は現在チームの効率が、前年よりも15%下がってしまっています。部長からも心配されているのですが、何かいい方法はありますか?」
「私としては、作業方法をチーム全体で同じにしてみて、結果を見てみたいのですが、どう思いますか?」
このように、年上部下を頼りにして、心を開いて困りごとを相談してみると、想像もしなかった助言を提供してくれることもあるでしょう。
3.適切な距離を保つ
「仕事を任せる」ということは、相手を信頼している証拠です。年上部下が経験も実績もある人なら、日頃から声はかけつつも、あえて仕事は任せて細かいことは言わないのも、ほどよい関係を作る上では重要です。「◯◯さんのおかげで安心して仕事ができます」と素直に気持ちを伝えて、自分の味方になってもらいましょう。
また、新人の指導などは、年長者ならではの視点で上手に導くことができるかもしれません。長年の経験で培った能力を活かしてもらえば、年上部下の重要度も増します。臆することなく、いろいろな仕事を頼んでみましょう。経験を多く持っている人は、その経験を頼られると悪い気はしないものです。
まとめ
同じ部署やチームで働いているのですから、年上であっても年下であっても同じ目標を持つ仲間です。年上部下は、接し方によっては、「最強の部下」になってくれることでしょう。
あなたが、年上部下より知識や経験が少なくても心配は要りません。上司になったのなら、あなたが会社から求められているのは、チームをマネジメントして結果を出すことです。年下年上を問わず、すべての部下をまとめ、チームとして結果を出すためにはどうすべきかを見据え、接していくことが大切です。
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アイキャリア株式会社
太田 章代