【離乳食は素材の味を大切に】なんで薄味にしなきゃいけないの?子どもと塩分の関係について解説
もうすぐ子供の離乳食がはじまります。
そこで気になっているのが、味付けについてです。
素材の味だけでは食べてくれないのではないか、と思います。
私自身濃い味が好きで、素材の味と言われてもピンときません。
離乳食が薄味じゃないといけない理由が知りたいです。
質問いただきありがとうございます。
離乳食をはじめるとき、味付けはとても気になりますよね。
今日は、離乳食はどうして薄味である必要があるのかを解説していきます。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
赤ちゃんの味覚はとても敏感
さまざまな味を経験している大人と違い、赤ちゃんの味覚はとても敏感です。
そのため、素材本来の味やだしのうまみだけで赤ちゃんは十分おいさしさを感じています。
加えて、赤ちゃんの内臓はとても未熟です。
塩分を摂取した後、大人は内臓の働きで体外に不要な分を排出できます。
しかし、赤ちゃんの内臓は塩分を上手に排出できません。
発達に応じて味付けを調整していきましょう。
離乳食初期の塩分量
離乳食をはじめる生後5か月ごろは、体の中にある腎臓の重さが2つで約50gです。
腎臓は、塩分を輩出するのに働く内臓です。
大人の腎臓の重さが1つ約150gほどなので、およそ六分の一の大きさしかありません。
塩分を輩出する機能は重さだけでははかれませんが、大きさひとつとっても赤ちゃんの塩分輩出が大人のほど量をこなせないことが想像できるでしょう。
離乳食をはじめたばかりのころは、味付けは不要です。
素材の味を引き出し、だしのうまみをいかした食事をこころがけましょう。
離乳食中期の塩分量
中期になると、食べられる品数が増えてきます。
ここでも、食べられる食材が増えた分だけいろいろな素材の味を学習する期間なので、調味料は基本的に使わなくてよいでしょう。
離乳食後期の塩分量
3回食になってからは、調味料(塩、みそ、しょうゆなど)を使って少しずつ味をつけていってよいでしょう。
このころの食塩の1日の目安量は1.5gです。
塩分を含む食品(魚、パン、麺類等)もありますので、調味料での食塩量は1gまでにしておくのが望ましいでしょう。
子どもの一日の食塩目標量
年齢が上がるにつれて、大人と同じものを食べる機会が増えてきます。
しかし、幼児期はまだまだ腎臓が小さく、発達途中です。
一日の食塩目標量は1~2歳で3g未満、3歳で3.5g未満程度です。
3歳児でも大人の半分程度と覚えておきましょう。
塩分の取りすぎはなぜ危険なの?
塩分は人間にとって必要なものである反面、とりすぎると最悪死亡するケースもあります。
体重1kgあたり0.5gの食塩で中毒症状があらわれるとされており、それは1歳児(体重10kg)であれば小さじ1杯程度で達してしまう量です。
それだけ体の外に塩分を出す機能が未熟であるということなのです。
さすがに一度にそれだけの塩分を摂取することはないでしょうが…誤飲する可能性はゼロではないので、調味料は、幼い子どもの手の届かないところに保管しましょう。
塩分との上手な付き合い方
知識として塩分のことは理解しても、毎回離乳食で神経質になるのはつらいですよね。
・ベビーフードをうまく利用する
・外食先で汁物の汁は飲ませないようにする
・うどんなどなら、ちょっとお湯で薄めてみる
こういった対応の積み重ねで、摂取する塩分の量はセーブできます。
また、塩分を体外に排出する手助けをするカリウムを含んだ食材をとりいれるのも一つの方法です。
カリウムを含む食材には、以下のようなものがあります。
・バナナ
・切り干し大根
・人参
・ほうれん草
・海藻類
人参やバナナ、ほうれん草は離乳食期からも取り入れやすい食材ですので、ぜひ積極的にとりいれていきましょう。
また、幼児期になって食べられるものが増えてきてからも、
・塩分の強いファーストフードやコンビニの食品を頻繁に食べない
・おやつは子ども向けを選ぶ
・大人が好む濃い味のスナック系を避ける(子どもの前でなるべく食べない)
など、ちょっとした部分を気をつけていけばよいのではないかと考えます。
神経質になりすぎて、親がつかれてしまっては本末転倒です。
うまく折り合いをつけながら、離乳食に取り組んでいただければ、と思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。